たにしのアブク 風綴り

86歳・たにしの爺。独り徘徊と追慕の日々は永い。

梅雨の晴れ間 乳白色のバラのしずく

2014-06-17 12:49:22 | Lyricism
赤い薔薇はあつい情熱をささやき
白い薔薇はそっと愛をささやく
おお、赤い薔薇は鷹
白い薔薇は鳩

ジョン・ボイル・オライリー - John Boyle O'Reilly (1844-1890)[白薔薇]



人類の想像力・抽象力の思惟の所産としてのシンボル・イメージ。
たにしの爺が薔薇に描くシンボル・イメージは、
誰だ言ったか知りませんが、
「ヒステリー女には薔薇を嗅がせろ」です。



以下のような文章を紹介します。
ジェイナ・ガライ 中村凪子・訳
「シンボル。イメージ小事典」・社会思想社刊
現代教養文庫 1990年10月30日 初版か引用

バラはヴィーナスの花であり、歓喜、勝利、完全を象徴する。
ただ一輪のバラが、ちょうど曼陀羅のように神秘の核心を表わすのである。
花言葉では、バラの花冠は美と報われた美徳を表わす。
しおれたバラは美のうつろいやすさを意味し、
大きくて鋭い刺のある野バラは快楽と苦痛を意味する。

キリスト教では、聖母マリアは原罪に汚されることなくこの世に生まれ、
そのゆえに「刺なき薔薇」とも呼ばれる。
しかし、同じバラでも黄金造りのバラは信仰の成就を表わし、
教皇に属するものとなった。

舅香(じゃこう)とバルサム香がかおりたつ黄金造りのバラは、
古くからカトリツク教会への奉仕に対する褒賞であった。
ローマ教皇の祝福とともに、この黄金のバラを最後に授かったのは、
一九五六年ルクセンブルク大公妃であった。
しかし、いかなるバラにもまして紅白のバラこそ深い意味をそなえている。

古代の錬金術では、
相反するものは紅白の二色において結合を果たすと考えられていた。
赤は情熱の象徴であり、白は純潔の象徴であり、
錬金術に使われていた不思議な紅白のバラは火と水の融合の象徴であった。
この融合は生命あるものの理想的な状態であり、
ソロモンの『雅歌』は完全無欠のキリストを「わたしの恋しい人は白く、赤く、赤銅の色に輝き、ひときわ目立つ」とたたえている。

古代ギリシャやローマでは、
招かれた先のテーブルにバラの花が吊りさげてあれば、
そこで話されたことは他言無用であるとの意味だった。
そして、後には会議室、宴会場、告解室などの天丼には思慮の象徴として、
バラの花が刻まれるようになった。

ラテン語で「秘密の」を意味する「スブ・ロサ」という言葉の語源ははつきりしないが、
あるとき、キューピツドが沈黙の神ハーポクラテスにバラの花を贈って、
母ヴイーナスの情事を他言しないように頼んだことに由来するとも伝えられている。



_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/


バラは15世紀の王位継承をめぐる「バラ戦争」が契機で、
イングランドの「国歌」となっています。



故ダイアナ妃は「イングランドのバラ」と呼ばれ、
バラは「愛」「純潔」「高貴」の象徴となっています。
英国のガーディングには欠かせない花です。
今ごろが最盛期でロンドンの街角を飾っていることでしょう。


4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
薔薇 素敵ですね! (みよこ)
2014-06-19 09:46:31
どれも綺麗な薔薇ですね。
白といってもこのように雰囲気が違ってそれぞれに気品があって・・・。

青木村(ご存じですよね。)
薔薇に魅せられてご家族で育てていらっしゃる方と知り合いました。
近日中に伺ってみようと思っています。

たにし爺さんのブログ、いつも楽しみにしています。
ありがとうございます。
返信する
ごきげんよう。 (管理人の爺)
2014-06-19 22:26:38
みよ様、久しぶりです。ごきげんよう。
いつも読んでくださり、ありがとうございます。
バラの花は、6月の始めから撮り貯めていたのですが、

黄昏の徘徊人には似合わない題材で、
どうしようかと思っていましたが、

一人で見ているだけでは、
撮ってきた甲斐が無いと思い公開しました。

赤も黄もありましたが、
白の変化に魅かれてまとめてみました。
 読んでくださりありがとうございます。 
返信する
Unknown (harumatidori)
2021-06-16 11:28:05
昔 家に
カナディアンホワイトスターという 品種
ありました。

薔薇と かぎらず 百合 でも。

白いはな すきです 

ありがとうございます
返信する
Unknown (管理人の爺)
2021-06-17 09:24:49
harumatidori様。
どのようのお方か存じませんが、
当ブログをご覧にいただき、コメントまで残してくださり恐縮です。
返信する