大型活字で読む本シリーズ、今回もミステリーになりました。
前回の内田康夫さんの「鯨の哭く海」に続いて、
東野圭吾さんの「マスカレード・ホテル」「マスカレード・イブ」
東野作品のレビューは初めてです。
当代きっての人気ミステリー作家・東野さんの作品は、
ほとんど読んだことがありませんでした。
記憶にあるのは毎日新聞の連載した「手紙」くらいですね。
手にしなかった格別な理由があった訳ではありません。
しいて言へば、本が分厚くてボリューム感に圧倒され、
手に取るのに「気後れ」していたのでしょうか。
はじめに「マスカレード・ホテル」
今回手に取った大型活字本も3分冊のボリューム。
拾い読みしてみたら文章はさらさらで快調に読め、
ストーリーもテンポよく面白くなって止まらない。
一日で一気に読み終わってしまった。
面白くて、ミステリーの醍醐味を味わいました。
つづいて「マスカレード・イブ」を一気に読破。
「マスカレード・イブ」(発行日2014年8月)は、
「マスカレード・ホテル」(同2011年9月)の後に書かれたものだが、
「マスカレード・ホテル」の前承と言える連作短編集です。
登場人物やミステリーの舞台設定が用意されています。
警視庁捜査一課警部補の新田浩介がしごかれる新人時代。
ホテル・コルシア東京フロントクラーク配属4年目の山岸尚美。
二人がコンビになる前の、それぞれの職場での修業時代が、
3本の連作ミステリーとして描かれる。
主編となっている「マスカレード・ホテル」
東京都内で起きた3件の殺人事件があった。
現場には奇妙な数字列が遺されていた。
殺人の予告なのか捜査は難航していた。
新田刑事らの推理で次の犯行現場を暗示しているとした。
その犯行現場は「ホテル・コルテシア東京」だと断定。
捜査陣がホテルマンに成りすまして配備された。
捜査一課警部補の新田浩介はフロントスタッフに化けた。
ベテランになったフロントクラークとして山岸尚美が居て、
新田刑事の教育係を担当することになった。
強面の警察のプロとお客様がすべてのホテルマンのプロ。
ホテルを訪れるさまざまな人間を疑いの目で見る新田刑事。
お客様の仮面をはがしてはならないとするクラークの尚美。
「マスカレード(masquerade)」とは、
「仮面舞踏会」「仮装パーティ」の意味だという。
ホテルのお客様は皆、いわば仮面を付けた人間群像で、
ホテルのサービスとは、仮面人間を心地よく過ごさせる、
そのお手伝いが仕事で、決して正体を暴いてはならない。
で、ストーリーの方はどうかって、
ミステリーのレビューのエチケットして、
ネタばれになるようなことは書けません。
あえて言えば、ヒントはあとから書かれた、
「マスカレード・イブ」の最終章プロローグですかね。
この小説は映画にもなっているので、
知っている人は知っていますね。
映画と共にシリーズ3冊目の、
「マスカレード・ナイト」を読みたくなった。