白川郷など奥飛騨を回ってきた記録の続きです。
ユネスコ世界遺産の白川郷は雪の中にありました。
屋内に入り、内部を見学できる屋敷が何軒かあります。
白川村に残された合掌造りの家屋としては最も規模が大きく、
築後約300年が経過した今も生活が営まれ続けている、
国指定重要文化財の和田家に入ってみました。
主屋は3階の大形合掌造りで、1階と2階が公開されています。
入ると目の前が居間になっていて、囲炉裏が切ってあります。
奥には仏間や客間が続いています。
2階に上がってみました。
急な木梯子を上ると、広い空間が飛び込んできます。
当家が営んでいた養蚕の道具なども置いてありました。
この広い空間いっぱいに、蚕棚が幾重にも広がり、
養蚕が営まれていた光景が目に浮かびます。
急な梯子から餌になる桑枝を上げたのも大変だったでしょう。
たにしの爺 信州・出自の実家でも、
糸へん景気のころ養蚕をやっていました。大変懐かしく、
繭づくりの道具などを60年ぶりに目にしました。
蚕室や居間にまで蚕棚ができて四六時中、
蚕さんが桑を食む「さくさく」の音がよみがえりました。
3階部分の屋根裏がのぞけます。(トップの写真)
釘を使わない縄と黒光りする木組みの大きな空間になっています。
300年近い歳月と暮らしの重みが封じ込まれたように迫ります。
郷の脇には庄川が流れていて、いくつかの橋が架かっています。
土産屋の主人が言っているように、
白川郷には、四季ごとに訪ねる美しさがありそうですね。
白川郷の風景には、永遠の未来があるのでしょう。