たにしのアブク 風綴り

86歳・たにしの爺。独り徘徊と追慕の日々は永い。

冬越して 枯れ越して なお生きる

2009-03-20 10:43:53 | Lyricism

今日は春のお彼岸。
国民の祝祭日で休日です。

祖先を敬い自然を慈しむ日となっています。
あっちの岸とこっちの岸がつながる日です。

草木はさまざまなチエで彼岸此岸をつないでいます。
夏、あるいは秋の野をにぎわした花木たちも、
冬までには枯れて、茎から落ちてしまう。

中には、冬の烈風にも、降雪にも耐え、
枯淡の風姿を残すものもある。

春の野を歩くと、萌え出る草木の中に、
新たな再生の萌芽を待つものに出会う。
写真はその中のいくつかを並べました。

「枯れる」はいろいろな言葉に付いて、意味をなす。

一番多いのは植物に関する言葉。
立ち枯れる、枯れ木、冬枯れ、枯れ草、枯れ葉、霜枯れ……など。
また現象的には枯渇など、水脈、才能が尽きる言葉もある。

人に付くとこうなる。
枯淡、枯れた味わい、
など人格の到達点、悟りや円熟さを言い表す。

もっとも大方は「枯れ木の賑わい」などと、
相手にされなくなるのが落ちである。

「枯れ木杭に火が着く」ような、種火の覚えもない哀しさ。
せめて、タニシの湧水田を枯渇させないように、
たにしの爺は「知の海」図書館に行く。