たにしのアブク 風綴り

86歳・たにしの爺。独り徘徊と追慕の日々は永い。

手嶋龍一著「ウルトラ・ダラー」読後に吹く闇の風

2006-05-05 11:32:14 | 本・読書

「事実は小説より奇なり」といわれる。
その「奇なる事実」を小説にした本だ。
外務省に記録されない「公電」がある。

いま話題の本、手嶋龍一著「ウルトラ・ダラー」を一気に読み終えた。新潮社
手嶋さんは、前NHKワシントン支局長。とんでもない重要ニュースでも、柔和な表情で冷静な語り口が常だった。あのニューヨーク9・11同時テロの真相・惨状を、10日間以上も寝ないで続けていた人。手嶋龍一オフィシャルサイト

本の内容は、いろいろ書かれているし、ネタばれになるので記さない。
ここでは本書に登場する女性たちに注目したい。
主人公の表の顔は英BBCのラジオ特派員、スティーブン・ブラッドレー。本当の顔はインテリジェンス(諜報や情報分析)の専門諜報員。湯島の黒竹の垣根に囲まれた日本家屋に住んでいる。
この特派員に絡む女性たちが、なんとも言えない知的で魅力的なのだ。
①高遠希恵=内閣官房副長官、外交・安全保障政策総覧している。頭の切れと才知は外務省の局長を凌ぐ。
②槙原麻子=福原流篠笛のお師匠さん。スティーブンの先生。和服を着せたら絶品の魅力的な佳人。
③瀧澤泰子=アジア太洋州局長、瀧澤勲の妻。豪華な着物が似合う外交官夫人。
④ミッシェル=ひたむきな眼差し、韓国の女性ITエンジニア。
⑤成島久美子=呉服店の売り子、ミッシェルに取り込まれてしまった成島エンジニアの妻。
⑥安斉万里=気が利くスチュアーデス。
⑦オリアナ・ファルコーネ=米情報機関の凄腕の主任捜査官。
男として描かれるのは英の主人公、米の同僚だけ。日本人の男は国際諜報戦の陰謀に取り込まれるだけ。
幾度となく書かれる、食事と着物のウンチクにクソ!!
NHK受信料を払っている、たにしには無縁の世界だ。