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ROSSさんの大阪ハクナマタタ



湖東三山の一番北に位置する西明寺は、寺伝によれば834年、三修上人の創建というので、1170年の歴史を有する寺院である。



「西明寺」の寺号は、三修上人が今の西明寺のある山の中の池から西に向けて紫の光がさし、薬師如来の像が現われたので、その姿を刻んで祀ったことからという。



836年には仁明天皇の勅願寺となり諸堂が建築され、現存する本堂と三重塔は、鎌倉時代初期の本格的な建築であり、この頃にはかなりの規模を有していたものと思われる。



1571年、比叡山延暦寺の焼き討ちを行った織田信長は、近江国にある比叡山傘下の天台寺院をも焼き払うことを命じ、西明寺も焼き討ちされている。



しかし、山門近くの房舎を激しく燃やして全山焼失のように見せかけ、かなり奥に位置する本堂や三重塔を守ったと伝えられている。



恐らく、同じ配置であった金剛輪寺も同様にして本堂を守ったのであろう。



湖東三山の他の2寺と同様、総門は西方浄土に向いた西に面し、総門のすぐ左側には不断桜という秋に咲く珍しい桜の古木があり紅葉の季節なのに満開であった。



参道をさらに進むと左側に、蓬莱庭という池泉鑑賞式の庭園をもつ本坊があり、ここにも不断桜が植えられていて、これも小さな花が満開であった。



また、庭園の入り口には、緑、黄色、赤と色が変化するモミジの古木があり、色のコントラストが美しい。



さらに長い石段を上った先には、杮葺きの二天門があるが、この門には1407年建立の墨書が残っていて、重要文化財に指定されている。



本堂は、天台仏堂の代表作として国宝第一号に指定され、さらに本堂の南側に建つ三重塔も鎌倉時代中期~後期の建築とされる古いもので国宝に指定されている。



先日旅行したバリ島ウブドの熱帯雨林も綺麗であったが、日本の紅葉のほうが上であると今回つくづく思った。

本堂(観光客の視線の先は3重塔)



それにしても晩秋の湖東三山は、晴れていたかと思うとすぐ雨という実に不安定な天候で、カメラの感度を上げて撮ったらざらついた画像となってしまった。


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