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ROSSさんの大阪ハクナマタタ



去年、テレビドラマの半沢直樹シリーズが人気でしたが、原作者の池井戸潤さんは三菱自動車のリコール隠しを小説とした「空飛ぶタイヤ」も書いています。・・・咲くやこの花館のハイビスカス

その「空飛ぶタイヤ」の中に書かれたサラリーマン達の心境描写に唸りましたので、咲くやこの花館の植物と一緒に紹介しましょう。<・・・・>が小説からの引用、(・・)がROSSの補足です。・・・スターフルーツの実

<沢田(課長)は内心、天を仰いだ。表と裏、ホンネとタテマエが交互に顔を出す企業内政治の異常さ加減には心底嫌気が差す。パワーバランスを読み切り、世渡り上手なのは自他ともに認めるところだが、その沢田をして、年がら年中こんな話を聞かされたのではたまったものではないと思わせた>・・・・熱帯アフリカ原産のオクナ・カーキー

<外より内を優先し、会社よりも派閥の繁栄を第一義とするのが狩野(専務)のやり方だ(中略)この連中の目に映っているのは常に、会社の繁栄ではなく部門の繁栄である。(中略)それは会社が永久に継続すると信じて疑わない甘えの精神構造、顧客不在の汎会社主義とでも言おうか>・・・中央アメリカ原産のソランドラ・マキシマ(直径20cmもある花)

<会社とは利益追求を第一義とする集団であり、タテマエでは世の中のルールを遵守する姿を見せても、本音の部分でそんなことをしていてはたちまち利益は手の中からすり抜けてしまう厳しい組織だ>・・・熱帯スイレン

<名門企業にとってコア・コンピタンスつまり競争力の源泉はすなわちブランドである。(利益追求という)正義の名を騙りそのブランドを傷つければ、これは(会社)に対する途方もない反逆であり、期待利益の喪失をもたらす元凶となる>・・・コロンビア・アンデス地方原産のアマゾンユリ

と考えた沢田が社長宛てに内部告発文書を出すと、狩野派は沢田がかねてから希望していた商品開発部に異動させるという口封じのためのエサを出します。・・・ラン

沢田の心は揺れますが<(会社)という組織で生きてゆくのに、生半可な正義感など邪魔以外の何ものでもない。自己利益実現のためのしたたかな戦略あるのみだ。正義と利益には何の相関関係も存在しない>と自分を納得させてその移動を受け入れるのです。

慶応大学を卒業して三菱銀行に就職、そこでサラリーマン人生の表と裏をさんざん経験したと思われる著者ならではの描写でした。・・・トリトマ’クリスマス・チアー(園芸品種)

つづく

参考文献:小説「空飛ぶタイヤ」池井戸潤 著

 



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