バードリサーチニュース2012年12月号にオナガガモの繁殖についての記事がありましたので、飛行写真と一緒に紹介しましょう。<・・・>がその引用
<オナガガモはマガモ属に分類されていて,この属のカモ(マガモなど)はつがい形成時に重要な役目をするディスプレイがよく似通っている。オスがオナガガモ特有の羽色をしていても,メスの中には間違って(マガモなど)のオスを選ぶものがいて、異なる種と交雑して生まれた個体も見られる>
<オナガガモのつがい形成は,1羽のメスを数羽以上のオスが取り囲んで追う「囲み追い」によって始まる。その中でオスはさまざまなディスプレイを行い、メスは囲み追いが始まると,数秒か数分のうちにお目当てのオスを決める>
<(東京上野)不忍池では12月下旬頃から,次々とつがいが出来る。つがいは給餌場周辺の群れから少し離れて過ごすことが多い(中略)つがいになると混雑した不忍池を離れて移動を開始するようだ>
<不忍池に飛来したオナガガモが,どのように池を利用していたかを調べた結果,不忍池のオナガガモの中には関東一帯のカモ飛来地を移動しながら、不忍池を越冬中の活動の場の一つとしていたものや,南下や北上の移動の中継地として利用するものがいた>
<よく餌付いていても,不忍池にいるオナガガモたちは,居座っているわけではなく,周辺の水辺との間を行き来しながら不忍池を利用していたようだ>
<「オナガガモは繁殖地から,ある年は日本へ,また他の年はアメリカ中南部に渡るというずぼらなコースをとる」という報告があるが>
<実際,不忍池で行なった標識調査によって,1977年に放鳥した成鳥のオスが1985年にカリフォルニア州北部の湿地で回収され、また,アラスカ州南部のベーリング海沿岸で1990年に放鳥された幼鳥のオスを1992年に不忍池で捕獲したことがある>
<このような渡りをすることで,アジアと北アメリカのオナガガモ越冬群の間で遺伝子に共通する部分のあることが調べられている>