遠い森 遠い聲 ........語り部・ストーリーテラー lucaのことのは
語り部は いにしえを語り継ぎ いまを読み解き あしたを予言する。騙りかも!?内容はご自身の手で検証してください。
 



 

長野を明け方出発 おはなし会にまにあいました。

今日は中学三年生 語ったのは”月の夜晒し” しばらく封印してきたこのものがたりを語りはじめたのは テレビで 昔話を採集している佐々木徳夫さんが「奥さまを喪ってからの傷心の日々からこのものがたりによってたちなおった」と語っておられたのをみたのがきっかけでした。 月の夜晒し は松谷みよ子さん 津谷 タズ子さんの再話が名だたるところで わたしは津谷さんの月の光でさらさっしゃいもさきごろ手に入れたばかり佐々木さんがどのような 月の夜さらし を採話なさったのか まだ見る機会を得ません。けれど このものがたりをふしぎにひとの心をつかむものがたりなのです。

ひとのよい働き者の夫がどうにも気に入らない幼い妻は深いぶなの森の奥 沼地にすむ 占いばばさまをたずねます。占いばばさまは 「いちど手を下したら 二度と元には戻らないのだよ」 と 諭したうえで 呪いを教えます。妻は憑かれたように 満月の晩 くぬぎの森でまゆをあつめ 次の満月の晩 糸につむぎ .... 機を織り 着物に縫い上げ とうとう満月の晩......

呪う まじなう とは根源は 祝詞 に近いのだそうです。 

災いや病気を避けるために神仏などに祈る。「日照りが続かぬよう―・ってもらう」
相手の死を願って神仏などに祈る。「彦人の皇子の像(みかた)竹田の皇子の像とを作りて―・ふ」〈用明紀〉
祈って病気を治療する。

呪う のろう とは

恨み憎しみを抱いている人に災いが起こるように神仏に祈る。また、災難がふりかかったり、失敗したりするように願う。
強く恨む。

呪いとは 負の方向への祈り 他者に害をあたえることで 自分がしあわせを得ようとすることんあおでしょう。

..... 昔話には 多く 呪い 祈りが出てきます。「呪い」 六羽の白鳥 眠り姫 ばらべにゆきしろ 兄と妹 「災いを防ぐよきまじない」 三枚のお札 耳なしほういち など これを見て気づくのは西洋の呪いは無辜のものにかけられ動物に変身させるものが多いこと いずれ 呪いは破られるということ。 月の夜さらしの特異性は 呪いをかけるほうが主体であること。呪いは成就されるが かけたものもかけがえのないものを喪失する (そのことによって語られてはいないが 幼さの残る妻は成長する)ひとつの通過儀礼ととらえられなくもない ということです。( ただし このものがたりを好む多くの女性の語り手には若干配偶者へのうらみつらみを 語ることによって晴らしている面も見逃せません。)

わたしは あしたへつながるものがたりとして 語ったつもりですが 三年生はどのように受け止めたでしょう。クラスのなかで聴いてくれた仲間のはなしでは あんなふうに女子も男子も生徒たちが集中して 聴いているのを見たのははじめてだそうです。わたしも終わったあとしばらくものがたりのなかにおりました。それは名状しがたい時間でありました。

そのあと ガレキ焼却についての情報・給食についてなども読み聞かせボランティアのおかあさんたちにつたえました。わたしにはみなさんは 見たくないものから目をそらしたいというように見えてしかたがないのです。けれど それはこちらですでに伝わらないとあきらめているからかもしれない。もっと具体的に話を持ってゆく必要があるかもしれない.....とも思いました。努力しようと思います。

 

 

 



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )



« リビアのベン...  松下大臣の... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。