詐欺にあったとき 番外2 調査会社 法律事務所

 

詐欺にあって　訴訟を起こし　はじめてわかったことがある。

他国は知らないが　日本では　訴訟・告訴のとき　原告に多くの義務が課せられる。

①　民事告訴　被告の現住所は原告が探さなければならない。　

　　書記官から　被告の居住場所を調べるように　何度も原告に指令が届いた。

　　なぜ　原告が　行方のわからない被告の居場所をさがさなければならないのだろう　と不審に思い　元うらわ地裁の書記官だった従兄に聴いた。

　　被告に裁判所の書面を通達する義務は　以前は裁判官であったが　現在は書記官にある。

　　裁判の書面が被告に通達するかしないか　裁判によっては大きな問題となるので　書記官は　法律事務所　に居場所をさがすよう求める。

　　法律事務所によっては調査会社と連携し　あるいは　みずから　探してくれるところもあるが　原告に探すよう求める法律事務所もある。

　　どうしてもみつからない場合は　上申書を提出する。二週間　裁判所に公示し　公判がおこなわれ　原告が欠席の場合　欠席裁判となる。

②　刑事告訴

　　同様に証拠は自分でさがさなければならない。

③　調査会社・探偵

　　アメリカなどでは法律事務所と調査会社　探偵ですね　...は連携している。

　　日本では　自分で証拠など探せない場合　調査会社や探偵を頼まなければならない。

　　外資系の総務につとめている　弟に　調査会社を紹介してもらった。

　　近代的なビル　....　　セキュリティ万全の組織　ちょうど昼時で　出入りしているのは　礼儀正しいサラリーマン　....　探偵事務所のイメージ　場末の　ビル　小汚い事務所　たちこめる煙草のけむり　.....　ハードボイルドのイメージは見事に覆された。

 

　　その調査会社はじつにさまざまなことをしていた。企業の調査が多いそうである。

　　①新規取引会社の財務状況　社長の人物　そして　もっとも重要なポイントのひとつが　○暴　反社会系組織との関係　

　　　以前は白か黒かでよかったが　現在はグレー　でも企業は取引をしないそうである。

　　②社員の調査　情報漏えいなど　うたがいがある社員のアフター5　を調査する会社も増えたという。人間の直観はたしかで　ほとんどの場合　なにかがあるそうだ。費用は　基本料金　70000円/日　車の場合は追加される。

　　③相続関係　　筆跡の鑑定もある。

 

　　　いざというとき　信頼できる調査会社　顧問弁護士は　　企業ばかりでなく　かかりつけの医者のように個人でも必要な時代になるかもしれない。

      身をまもるために　家族やたいせつなものを守るために。

 

午前中は赤坂の法律事務所で相談した。これでなにがあっても　万全の準備は整った。

あたらしい証拠もつぎつぎに見つかっている。姿を見せないことが　詐欺師にとって最大のメリットだった。

が　苦労して聴き込みや現地調査をつづけているうちに　ひとつまたひとつと姿が見えてきた。

見えてくると　こっちのもので　こちらがなにか行動を起こすと向こうが動く　馬脚をあらわすということ。

施主に電話したことで　Ｃ　Ｄ　社を動かしている　Ｉ　が弁護士事務所に　よけいなことをしないようわたしにつたえてくれ　と　いってきたそうだ。

隠れた存在の　Ｉ　がはじめて姿をあらわしたのである。

Ｃ社の過去の取締役の名を検索をかけ　偶然　影の存在　にヒットしたかもしれない。  Ｃ社の　ダミー社長は破産することになり　Ｃ社は移転した。

C社　登記上の住所であるマンションの管理会社への聞き込みで　Ｘがわたしに電話で知らせてくれたことと実態のかい離が見えＸ　がフィクサーであることが察せられたのである。

（Ｉ）はなぜ　わたしに直接　電話をかけてこないのだろう。携帯番号は知らせてあるのに。 施主　Ａ社を経由して　もし　わたしや家族の身になにかおきたら　実名をあげて　公表する　と伝えたからだろうか）

 

調査会社のＯ氏　は　「よくこれだけ調べましたね　われわれも顔負けです。」

とお世辞もあろうが褒めてくださった。施主の相談役にもおなじことを言われた。

 

探偵事務所でもひらこうかな　....　その名は　ラーテル探偵事務所。