遠い森 遠い聲 ........語り部・ストーリーテラー lucaのことのは
語り部は いにしえを語り継ぎ いまを読み解き あしたを予言する。騙りかも!?内容はご自身の手で検証してください。
 



   ウィムさんのワークショップからインスパイアされたことはまだあるのですが すこしやすんで他の気になることを書いてみようと思います。かってこのブログでプロの条件とおもわれることをいくつかあげましたが すべて腑に落ちるというわけではありませんでした。ちかごろ ある方の話にとても共鳴したので プロの定義についてもう一度書いてみたいと思います。

   
   「プロとは常にある最低のレベルを満たすことのできる技術を身につけた者である」...これはRADA(英国ロイヤル演劇アカデミー)の校長をつい先ごろまで務めていたニックさんのことばです。同じ物語を幾度もある期間のうちに語らなくてはならないとき 狎れることなくその都度生きて 感動を呼び起こすのは容易いことではありません。どのような状況においてもある一定のレベルまで技術で押し上げる お金をもらうプロとはそのようなものなのでしょうね。身体的なまた心理的なコンディションを保つことも大きな意味での技術なのでしょう。

   わたしはそう多くプロの語り手の語るものがたりを聞いたわけではありません。しかしさまざまな舞台効果や人数の力を借りられる演劇と違って分が悪いには違いないのですが 感動した商業芝居はあれど心を動かされた語りというのは記憶がないのです。一方 語り手自身のことばで語られ 語り手の本質 人生が浮かび上がってくるような語り...また ものがたりと聞いている自分自身の人生が重なり合うような語りはたとえ語りを生業-なりわい-にしているわけでなくても 初心の語り手さんであっても心を動かさずにはおりません。

   個人的には68点の語りを三回聞かされるよりは 二回はだめでもあとの一回で叩きのめされるような 涙をこらえることができないような 腹をかかえて笑い転げてしまうようなそんな語りが聞きたい...と思いますがみなさんはいかがですか?

   しかし いつかは生まれるかもしれません。いつ聞いても聴く人の心に懐かしさや悲しみや切なさを呼び起こし彼方へと運んでくれるような語り手 笑わせ泣かせ生きている悦びをふつふつと感じさせてくれるプロの語り手があらわれるかもしれません。

    

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