知命堂日記   ~  人間五十年、下天のうちをくらぶれば、夢幻のごとくなり ~ 2005.9.11

いつ死んでもおかしくない年のころ。
夢も希望もなく、やっと生きてます。
今を夢幻と思って、ただひたすらに…

静養ホームたまゆら の惨事

2009-03-22 07:45:44 | Weblog
群馬県渋川市の老人ホーム「静養ホームたまゆら」で入所者が死傷した火災で、
群馬県警は20日、行方不明だった2人の遺体を発見した。
これで死者は計7人となった。
県警などはたまゆらを運営する特定非営利活動法人「彩経会」の高桑五郎理事長を立ち会わせて現場検証を行い、詳しい出火原因を調べている。

県警によると、死亡した7人は行方が分からなくなっていた大友良隆さん(73)▽梶藤ふみさん(71)▽久保田文雄さん(55)▽山田登美子さん(84)▽尾池純さん(72)▽沢村晴男さん(75)▽佐藤政子さん(84)の男女7人とみられる。
調べによると、たまゆらでは出火当時、本館(妙義)に5人と女性職員1人、別館(赤城)に7人、別館(榛名)に4人の計17人が生活。
3棟で計約410平方メートルが全半焼し、最も焼け方が激しい赤城で7人の遺体が見つかった。
県警は赤城から出火し、他の2棟に燃え広がったとみている。
赤城には食堂と調理室があった。
また、入所者の男性3人、女性1人の計4人がやけどなどのけがを負い、うち3人は重傷という。

この問題、いくつか指摘できる。
まずはいわゆる「NPO法人」への過大な期待の裏返しが起きたこと。
NPO法人については、最近は見直す議論が出てきているが、何でもかんでもNPO法人というわけにはいかないのである。
営利セクター、非営利セクターの境目の中で非営利セクターを自称する営利セクターが、社会の過大な期待を裏切ったのである。
コストを抑えようとすればそれだけリスクが高くなる。
それをNPOという言葉で誤魔化そうとしている社会にも責任はある。

第二に、生活保護の問題、すなわち住民票を東京都に置いたまま、受けた生活保護費でこの群馬県渋川市で生活している者が居たこと。
渋川市がこの施設の住民を把握できないのは、住民票がない居住者がいるせいとの言い訳があった。
しかし、このおかげで渋川市はどれだけの恩恵を受けたかを考えるべきだろう。
地元は生活保護の負担をしなくて良いのである。
本来であれば、住民票を移転する代償として、生活保護費の4分の1を渋川市が負担しなければならない。
その負担なしに、経済的恩恵を受けている。
今後、生活保護費の負担を渋川市が負担すると云うことであれば、
このような施設は住民から排除されるであろう。
こうした施設に用地を提供して利益を受けた者も地域住民から疎んじられることとなろう。
しかし、住民票を移転しないというからくりによって渋川市は雇用が生じており、また東京都某区が負担する生活保護による資源配分という受けていた。


いろいろと考えさせられる事件であった。