リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

信じられない・・・

2015年10月16日 | 日々の風の吹くまま
廊下に出ると真新しいカーペットの匂い。今週は全館の廊下のカーペットを取り替える作業
をしていて、私たちの階はきのうの午後。理事会が傷みが目立つ廊下のカーペットを俗に
「2-5-10」と呼ばれる保証期間のうちで材料や仕上げをカバーする2年保証の対象とし
て取り替えさせたものだけど、まあどのフロアにもそんなに早くカーペットを劣化させるほど
の数の人は済んでいないから、業者も「瑕疵」を認めたんだろうな。ちなみに、5年保証は建
物の外殻で雨漏りなどを含み、10年保証は構造上の欠陥に対するもので、BC州では新
築の建物に義務付けられている保証制度。

メトロバンクーバーでは州の査定機関が7月1日を基準として実施する不動産の査定額が、
今年は前年比で戸建てで15%から25%、マンションでも5%から10%も上昇したという話
で、個々の評価額は来年1月に通知されるけど、何ともすごい数字。バブル相場だからそろ
そろ潰れると言われ続けてずいぶん久しくなるけど、1億円を突破した平均価格が1年でさ
らに25%も値上がりしたら、庶民にはもうバンクーバー市内の戸建てなんか高嶺の花どこ
ろか遠い宇宙の花・・・。

今日の郵便は市役所からの電気料金の請求書。ニューウェストでは電力会社ではなくて市
が料金を設定して請求している。今回が引越し後初めての2ヵ月通しての請求なので興味
津々だったけど、さっそく数字を見たら、うっそぉ、信じられなぁ~い。2ヵ月で9千円。1ヵ月
あたり4500円。旧居での6/7月の請求額が2万5千円だったから、何と60%も減った勘
定。もっともお湯と調理用のガスは集中供給で管理費に含まれているし、朝日と共に起きる
生活になって照明時間が激減したから当然だけど、こんなに減るとは思わなかった。つい
何回も数字を見直してしまったけど、やっぱり9千円・・・。

旧居ではオール電化で、240Lの給湯タンクに常時お湯を蓄えていたし、夜型の生活でし
かも日の差さないベースメントで照明を点けて1日の大半を過ごしていたし、冬はカレシの
趣味の温室にヒーターを入れていたから、電気の消費が半端じゃなかったってことで、特に
寒さが厳しかった冬には2ヵ月で6万円を超えたこともあった。新居の暖房も電気なんだけ
ど、温室がなくなったこの冬の電気料金はどんな数字になるのかな。またびっくりするんだ
ろうな。それにしてもこの違い、信じられないような・・・。

野球も仕事もワイルドな一日

2015年10月15日 | 日々の風の吹くまま
いやあ、きのうはワイルドな日だった。まずは寝ている間に来ていた仕事を片付けて納品し
て、さて夕食のしたくをという時にカレシがテレビをつけたら大リーグのトロント・ブルージェ
イズとテキサス・レインジャーズの地区プレイオフ最終戦。トロントは最初いきなり2連敗。次
に2連勝して何とかタイに持ち込んで迎えた5番勝負の最終戦はどちらのチームにも崖っぷ
ちの戦い。まず2対2同点の7回表テキサスの攻撃中に珍事が起きた。捕手が返球しようと
したボールが打者に当たってころころ。テキサスの三塁走者がすかさずホームに走り込ん
で3点目。でも、トロントの抗議で審判が協議すること延々18分。結局はトロントの抗議が
通らず2対3の劣勢で迎えた7回裏・・・。

今度はテキサスの野手がなぜか次々とエラーをやらかして満塁。1人アウトにしてもまた満
塁。ボールをキャッチし損ねてぽろっ、ころりという何だか草野球並みのお粗末な守備で、
どうなってるのかと思っているうちに、バティスタが痛快な3ランホーマー。ボールの軌跡を
見上げていたバチスタはバットをポイッと放り投げて走り出し、興奮した観客席からビール
缶やら何やらが投げ込まれる騒ぎになって、警官隊が出動して破目を外しすぎたファンを
場外につまみ出す事態に・・・。

別にトロントのファンでもないけどワイルドな結末に興奮したまま夕食を済ませたところへ、
東京から国際電話。どうしても(日本時間の)今日中に納品する超ラッシュの仕事が常連客
から入ったけどやる人が見つからないという「遭難救助信号」。メールを送ったというので開
いてみたら、う~ん、ワタシにも全部やるのはちょっと無理な量。半分なら何とかできると返
事したら、区切りの良いところまでと全体の6割の量を送って来た。期限はこっちの真夜中。
少しぐらい遅れていもいいとは言われたけど、そう言われるとプロのプライドがむくむく。何
のこれしきとばかりに久しぶりにねじり鉢巻に髪を振り乱しての超特急仕事・・・。

午後11時半に上がって、わりと余裕で納品したけど、肩が凝って、首の後ろまでコッチコチ
で、痛いの何のって。それを見て「鈍ってたんだろ」とからかって来たカレシ。あのね、仕事
を引き受けたら納期は神聖なのよ。がんばったんだから、肩ぐらい揉んでくれても良かった
のに。ま、カレシが揉むとよけい痛くなるからやめといたけど、それにしても何ともワイルドな
一日だった。

そういえば月曜日は総選挙の投票日

2015年10月13日 | 日々の風の吹くまま
連休明け。曇り空だけど晴れの予報。連休はかなり雨が降ったもの、この辺でちょっと日に
当てて乾かさないとね。朝食が終わってのんびりしていたら、カレシがジンがなくなったから
Market Crossingの酒屋に行くというので、ついでに酒屋のとなりのSave-Onで今日、明
日の買い物をすることにした。午前中は比較的空いていて、ついでにCanadian Tireを冷
やかしたり、ついでのついでに道路を渡ってStaplesにも遠征。元々北側にモールがあっ
たのを南側に新しく開発したので、主要幹線道路に分断された形になっている。遊び半分
で量販店を冷やかして帰って来たらまだ1時前。早く起きると1日が長くて、生産的でいいね。

ロビーの郵便箱をチェックしに行っていたカレシが「来た、来た」というから何が来たのかと
思ったら、新しい有権者票。オンラインで住所変更をして再送をリクエストしてあったけど、
なかなか来ないでいた。カレシが選挙管理局に電話で問い合わせたら、有権者票が間に合
わなくても新住所を記載した運転免許証があれば投票できると言う話だったけど、選挙権
のない永住者でも運転免許証は持っているわけで、どうやって選挙権を証明するんだろう。
宣誓して署名するとか?ま、来週月曜日の投票日に間に合って届いたし、投票所は歩いて
3分の市立図書館だから、国民の義務を果たしに行くけど、だらだら3ヵ月も続いた選挙戦
は未だに混戦模様・・・。

でも、シニアと呼ばれる年になってみたら、長いこと身を粉にして働いて、税金や社会保険
料をどっさり納めながら老後の蓄えもして来たんだから、もういいでしょ、年金が安泰で(減
らなくて)税金が上がらなければ、どの政党でもいいよという気になる。若い人たちには悪
いけど、何しろシニア層は投票率の高い大票田なもので、どの政党も何かと高齢化政策を
ぶち上げてくれるけど、あまり期待してないしね。日本にいた20代の頃は左寄りだったし、
カナダに来て働き始めたばかりの頃も左寄りだったワタシだけど、今は新民主党は信用し
てないし、トルドー2世の自由党は誰が党首でも好かない。

自分ではちょっと保守的なリベラルだと思っているから、ワタシも年と共にけっこういい加減
な自己中的人間になって来たらしい。結局は誰が政権をとっても大して変わりはないと思っ
てしまう。まあ、SNSが人間関係を牛耳っている今どきは、一国の選挙でも投票者の個人
的な好き嫌い(というか生理的にキライのレベル)で選ぶ傾向があるから、結局は・・・。

感謝祭は秋の味覚に感謝する日

2015年10月12日 | 日々の風の吹くまま
今日は感謝祭。カナダのがアメリカよりも1ヵ月半早いのは11月の末では雪に埋もれてし
まうからとかいう話だけど、ヨーロッパでは遠い昔から10月に収穫を祝う行事があって、カ
ナダに到着したイギリスの探検家がアメリカの清教徒よりも40年以上も前に北米大陸で最
初の感謝祭をやったという説もある。今では時期が違っても同じことをやっているから、どっ
ちでもいいような気もするけど。

朝からかなりの雨で、窓の外は空白。まっさらなカンバス。くすんだ白一色の世界。ちょっと
肌寒いと思っていたら、午後になって暖房が入った。サーモスタットに設定しておいた温度
ではこんな感じになるとスイッチが入ることわかったけど、寒いわけじゃなくても足元は少々
冷たい。旧居では天井に埋め込んだ放射熱ヒーターが床を暖めていたから冬でも素足で過
ごせたけど、暖房システムが違うから床は冷たい。スリッパを履いた方がいいのかな。(ソッ
クスやスリッパは好きじゃないんだけど・・・。)

感謝祭のご馳走は今年も松茸尽くし。パックの中は小ぶりだけどいかにも松茸っぽいのが
7本と傘が開いた大きいのが1本。狭いキッチンのコース料理は初めてだから、無難なとこ
ろでメインは定番の松茸ご飯と土瓶蒸し(風)。それとカレシが好きな松茸のフライ。さて後
は・・・。

     
きのこソースのレシピを検索して、考え付いたのがフォアグラの松茸ソース。フォアグラを焼
いた後の油で松茸を炒めて、ブランディで仕上げ。アミューズブーシュに最適。

     
厚めにスライスした松茸を小麦粉、ウズラの溶き卵、パン粉の順につけて、かりっと揚げて、
レモンとかいわれを添えた。少量をフライにする時は鶏の卵では余ってしまうので、こういう
ときはウズラの卵が便利。松茸はシンプルな調理法が一番だと思う。

     
あっさりした松茸ご飯と松茸の土瓶蒸し風スープ。白米の方に下味をつけて、松茸は日本
酒を振りかけただけ。軸だけをざっくり刻んだのを米と一緒に炊き始めて、煮立って火を落
としたらスライスしたのを上に並べて仕上げ。土瓶蒸し風は生のえびと松茸だけのごくシン
プルなもの。三つ葉の代わりに刻んだコリアンダーを少々。アミューズブーシュのスプーン
にすだちジュースを入れて添えたらちょっとおすましかな。サラダの後のデザートはいちごと
ブルーベリーの餡が入ったミニ大福・・・。

食後はソファに並んでホッケーの観戦。幸せと健康とおいしいものに感謝!

ここは6丁目商店街

2015年10月11日 | 日々の風の吹くまま
三連休の中日の日曜日。朝日が山の上に出て来るのが7時半過ぎ。2枚のブラインドの隙
間からの「ご来光」に直撃されて目が覚めた。今日は嵐の中日でもあるらしい。何でもハリ
ケーンや台風のような大型の低気圧のなれの果てが引きずって来る「大気の川」というの
があって、これが大雨と洪水をもたらすらしい。北太平洋東部のパイナップル特急はその典
型的なもので、レーダーの映像にはハワイ方面から北米大陸の北西岸に向かって延々と
流れて来る雨雲の「川」が見える。そういえば、たしか去年の今頃も大雨が続いていたよう
な記憶が・・・。

昼前には曇ってしまったけど、先月にそれらしかった早朝の1回を除いてまだヒーターのス
イッチが入った形跡がない。高断熱性だった旧居でさえ今頃はもう朝夕にヒーターが入って
いたはずだけど、角部屋で周囲がガラス張りでもまだ暖房が不要というのは不思議。(逆に
夏にはあまり暑くならなかった・・・。)素足でフローリングの上を歩いているとほのかに暖か
く感じるところがあるし、バスルームにはヒーターすら付いていないのに床が何となく暖かい。
下の階の暖房の熱が上がって来て、コンクリートの床に蓄積されるのかな。そうだったらう
れしい「おまけ」だな。給湯に使う電力と調理用のガスは集中供給なので管理費に含まれて
いるから、電気料金がどんな数字になるか興味津々・・・。

ランチの後は雨が戻って来ないうちに買い物。6番アベニューにDenny’s Farm Marketと
いう家族経営の小さな食料品店があって、斜め向かいに大手のSave-On-Foods、6番スト
リート側に同系列のBuy-Low Foodsと、歩いて2、3分の範囲に大きなスーパーが2つも
あるのにも関わらず、いつもかなりの客が入っている。何しろ野菜類が新鮮で安いし、フィリ
ピンを含めたアジア系食品の他に、イタリアやスペイン、レバノン、ギリシャと言った地中海
系やポーランドやロシアと言ったスラヴ系の食品も豊富で、品揃えの段階で大手スーパー
とは競合しない、賢い商売をしているからだろうな。

Denny’sの隣には小さなベーカリーがあり、その隣の30年代からある香辛料専門の老舗
からはいつもエキゾチックな香りが漂って来る。どれも数歩で通り過ぎるような狭い間口の
細長い店内に商品を所狭しと並べていて、いかにも「6丁目商店街」といった雰囲気。モー
ルにウォルマートが出店する話に沸き立つほどで、つんでれバンクーバーから来ると落差
を感じるけど、どっぷり浸かればすこぶる心地がいい。

嵐の後はダブルレインボー

2015年10月10日 | 日々の風の吹くまま
予報通りの雨。雨雲が垂れ込めて、もやが立ち込めて、どこを見てもぼや~んとした景色だ
と何となく気持がだれてしまう。のんびり朝ごはんを食べて、のんきにネットを散策していた
ら、カレシが「おい、掃除するから道具をくれ」。ええ?今日は土曜日なんだけど。「土曜日
だって日曜日だって同じことだろ?」 まあ、それはそうだけど。カレシに掃除道具を渡したら
いそいそとバスルームの掃除を始めたもので、ワタシもキッチンのレンジの上の戸棚のドア
を掃除することにした。

テーブルの方からふと見たら電子レンジの上の戸棚がヘンにテカテカしていて、どう見ても
油が跳ね上がってこびり付いたとしか思えない。良く見たら横の戸棚のドアにもテカテカと
点々。たぶん油を使う料理が多かったんだろうけど、電子レンジについている換気扇を使わ
なかったのかな。換気扇のフィルターも食洗機で2度洗わなければならないほど油汚れが
ひどかったけど、踏み台に上らないと掃除ができないところまで汚れるような料理っていっ
たいどんなものだったのかな。クリーナーをつけたスポンジでごしごし擦っていたらほぼきれ
いになったけど、今度はレンジの五徳にもテカテカと黒光りしているところがあって、鈍らに
なったナイフを当ててみたら、飴のような茶色の塊がぼろぼろと削れて来た。ワタシはまち
がいなくぐうたらなんだけど、いつも上には上があるってのはほんと・・・。

カレシがバスルームの床にモップをかけ、ワタシが汚れが目立ちやすいキッチンとダイニン
グの床にモップをかけて、ゴミを集めてごみ捨てルームに持って行って、今週の「まじめ掃
除」は完了。掃除で汗をかいた後は気持がいいね。(あんまり行き届いているとは言えない
けど。)外はパイナップル特急が通過中で、バルコニーに置いたゼラニウムの花が風に吹
きちぎられそう。中ではねぎと高麗人参とにんにくを詰めたチキンを丸ごとスロークッカーに
入れて、(洗濯かご代わりの)乾燥機にたまった洗濯物を洗濯機に移して、後はジューシー
なローストチキンができ上がるのを待つばかり。

ふんわりとでき上がったサムゲタン風チキンに舌鼓を打って、食後のコーヒーを飲んでいた
ら、あ、虹っ!伸びたり縮んだりするのをカメラで追いながら、何かいいことあるかなあ・・・。

 
 虹の足元は警察学校
    
 金の壷はどっちにあるのか?
 
 やっとつながった虹のアーチ
 
 夕暮れの山の向こうから立ち上る虹?

華麗なる船のワルツ

2015年10月09日 | 日々の風の吹くまま
枕を古いのに変えたら何と朝までぐっすり眠れた。ワタシは長いこと首を支える枕を使って
いたんだけど、肝心の部分がぺったんこになっていて逆効果。古い方がよほど形を保って
いたので、捨てずに持って来て良かった!第2頚椎がずれたのは30年も前の話で、あのと
きは鼻先まで痺れるような激烈な頭痛と吐き気が続いて、そのうちに左腕に力が入らなくな
った。理学療法士がワタシの頭をガキガキッとひねって元に戻してくれたけど、あのときの
痛みはまさに地獄だった。ほんとはもう普通の枕でも大丈夫なんだけど、安心毛布ならぬ
安心枕・・・。

ハワイを通過した(中部北太平洋の)ハリケーン・オホのなれの果てがこの週末にカナダ西
海岸からアラスカまで到達するということで、今日は朝から雨が降ったり止んだり。典型的
な「パイナップル特急」で、気温は平年より5度も高い。せっかくの感謝祭の三連休なのに、
またまた大雨強風警報なんて迷惑な話だけど、早めに3日分の買い物を済ませたらこっち
のもの。ふと川下の方を見たら、自動車運搬船がアナシス島の自動車専用ターミナルに到
着して、タグボートが接岸作業の最中。まずは船の向きを180度回転させて・・・。

     
     
     
     
     

大きな船体がいとも軽々と(して見える)数分でくるり。まるで船がワルツを踊っているみたい。
(はい、音楽!)舳先が川下を向いたら、今度は横をよいしょ、よいしょと押して接岸・・・。

     
     

双眼鏡で見ると、船尾のタラップから新車が次々と下りて来るのが見える。嵐の予報が出
ているから、さっさと降ろして、さっさと出港したいところだろうな。それにしてもすごい数の車。
運転手はいったい何人くらいいるんだろうな。よほど運転の上手な人でない限り、駐車する
ときにうっかりぶつけたりすることだってあるんだろうな。駐車が大の苦手のワタシには務ま
りそうにないな。ゴツンとぶつけてせっかくの新車を台無しにして、即刻クビになるのが関の
山。遠くから船のワルツを眺めているのが(車にとって)一番安全。さて、荒れ出さないうち
に早く買い物に行ってしまおうっと。

果報は寝て待てと言うけれど

2015年10月08日 | 日々の風の吹くまま
目が覚めたら首が痛くて、頭痛がして、肩が痛くて、気分が悪い。ただの寝違えだといいけ
ど、ずっと昔に寝ていて咳をしたはずみに第2頚椎がずれて酷い目に遭ったときの感覚が
蘇って来る。カレシ曰く「鳥みたいに頭を抱え込んで寝てたから凝ってるんだよ」。でも、起き
て動いたら凝りも解れて元気になったけど・・・。

きのうはArts Clubのグランヴィルアイランド劇場でのシーズン第1作のオープニングナイト
で、雨の中を渋滞にイライラしながら1時間かかって到着。作品はカナダでは有名なバンド
のリードボーカル、ジョン・マンが大腸ガンとの闘病をカナダ有数の劇作家モリス・パニッチ
と共作した『The Waiting Room』(「待合室」)で、これがワールドプレミア。新しい劇場に近
いレストランでのレセプションには演出もやったパニッチ自身が挨拶に来ていて、大ファンの
ワタシはユーモアたっぷりにスピーチする姿を見ているだけで胸がわくわく。レセプションで
はこの先「友だち」に発展しそうなカップルにも出会った。

作品はミュージカル風の仕立てで、舞台後方にバンドがいて、作詞作曲したジョン・マン自
身がボーカルを担当。たくさんの白い椅子の趣向を凝らした使い方で「待合室」を象徴し、
かなり辛らつなユーモアが溢れる場面のそこかしこで、主人公だけに見える白血病で死ん
だ「もうすぐ10歳」の女の子とのやり取りでガン患者の心の葛藤を表しているのはいかにも
パニッチ流。自分の人生は「待つこと」ばかりだったという主人公はガンに打ち勝って、ガン
が見つかる前と同じにはなり得ない人生を発見する。カーテンコールでは主人公と同じ服
装のジョン・マンがキャストに加わって、総立ちの拍手喝采。元々自分で主役を演じるつもり
が、作品が完成する前に早発性アルツハイマー症になって、舞台の後ろで歌うにも大変な
努力がいるという話。

誰でも大きな病気をしら人生観が変わるんじゃないかと思うけど、特にガンの診断は精神
的な衝撃が大きいだろうな。ワタシは2度「もしかしたら」に遭遇したけど、幸いどちらもガン
ではなかった。それでもほっと胸をなでおろしてからだいぶ経って「もしもあの時」という暗い
思いが過ぎったのは確か。舞台で主人公が「待ってないで何かせんかいっ」と医者に怒鳴り
飛ばされるシーンがあったけど、何かを「待つ」ということは運命に下駄を預けるということで、
「果報は寝て待て」なんてのは結局は寝言に過ぎないのかも・・・。

井戸から出て来た井の中の蛙

2015年10月06日 | 日々の風の吹くまま
今朝のパタロ橋は普通の渋滞らしい。ゆうべは車で10分の近さになったHマートに数ヵ月
ぶりに行った帰りにうっかり橋を渡ってしまった。サレー側でUターンして戻って来たけど、
用もないのにサレーに行ったのはこれで2度目。カレシが川の方から上がるルートを選んだ
のはいいけど、左手に橋が見えるあたりで、ワタシがまっすぐにと言ったのに車線を右に切
り替えたのが原因。「右折オンリー」で橋へまっしぐらというわけ。クィーンズボロ橋と同じく、
左手に橋が見えたら、渡るときは右車線、渡らないときは左車線・・・直感に反しているのは
わかるけど。

今日は2人とも暇している感じで、午後にメトロタウンのモールを見て行くことにした。メトロ
タウンはバーナビーのバンクーバーとの境に近い地区で、1986年の万博の前後から高層
マンションの開発が進んだところ。我が家から車で15、6分で、州最大のショッピングモー
ルがある。前回来たのは倒産した老舗デパートEaton’sがまだ元気だった頃だから20年
ぶりかな。平日の昼過ぎだというのに駐車場をぐるぐる回ってやっと空きを見つけて、モー
ルに入ったらSearsの中。デパートはHudson’s Bayと合わせ2つ。ブランド店もけっこうあ
るし、大きなスーパーも2つある。うろうろしていてもしょうがないので、とりあえず地階にあ
るスーパーのT&Tに行くことにした。

T&Tは台湾系の女性がメトロタウンに創業して、急成長したのを数年前に西部市場を狙う
東部の大手チェーンに買収されたけど、アジア系スーパーであることは変わっていない。中
に入ったとたんに香港に来たのかと思ってしまう雰囲気で、肉や魚のカウンターでは中国語
が飛び交っていた。豚肉が並ぶ棚には胃から腸から耳まであって、鶏肉の棚には爪の付い
ている足のパックもある。何か得体の知れない肉や魚もたくさんあって、おのぼりさんみた
いにまごまごしていたら押しのけられてしまう。これが中国人のバイタリティかと感心するく
らいの熱気にすっかり気押されして、しまいに頭がくらくら・・・。

メトロバンクーバーは多民族都市だけど、移民が急増しているグループはひとつの地区に
固まる傾向がある。多くの人にとって、未知の土地で新生活を始めるにはその方が便利だ
し、安心感も大きいんだろうと思う。それにしても、この頃はいかに40年もバンクーバー「市」
という狭いところで井の中の蛙のごとく暮らして来たのかを思い知らされることが多い。

何ともブラックな月曜日

2015年10月05日 | 日々の風の吹くまま
まだ午前7時前。坂のずっと下の川沿いの線路を走る貨物列車の汽笛と車輪の音がまるで
すぐ外の道路を走っているように思えるくらい近くに聞こえる。秋が深まるにつれて外の音
が大きく響くもので、釧路でも室蘭でも、冷え込んだ冬の朝には港町特有の金属音が澄ん
だ響きで聞こえて来たっけ。特にあの頃の室蘭には「ガンガン叩き」という風習があって、貨
車に積まれて来た石炭がガチガチに凍りついていたもので、大勢の作業員たちがハンマー
で貨車を力任せに叩いて、石炭を落としていた。今はきっと石炭を積み出すこともなくなって
いるだろうけど。

   

ブラインドから朝焼けの色が透けて見えたので、7時に起きてしまった。朝焼けが薄れて行
く中あの辺かなと見当をつけていた山の上からいきなり朝日が飛び出して来た。夜明けの
ことを英語では「daybreak」と言うけど、まさに「ブレーク」した感じで、なるほど。ちなみに、
日暮れは「nightfall」と言って、夜のカーテンがすとんと地上に下りて来るイメージ。大昔の
人の表現力はすごい。昇りたての朝日の光は家の奥まで差し込むので、明るい日差しの中
でちょいとセルフィー(自撮り)をば。

     

ラジオを聞いていたら、警察が出動する事件があったとかでパタロ橋は上下線とも閉鎖中
というニュース。朝の通勤ラッシュの時間だというのにタイヘンだ。そうでなくても朝夕は交
通量が多くて渋滞するところなのに通せんぼ。バンクーバーやバーナビー方面に行くには
ず~っと西のアレックスフレーザー橋へ回るしかない。ところが、橋に通じるハイウェイでは
6台が絡む多重衝突事故があって、1車線が完全に塞がっているというニュース。やれやれ、
けさは仕事や学校に遅刻した人たちがいったいどれだけいたやら。

月曜日の朝から通勤地獄はほんとに気の毒。車がダメならバスがあるけど、今日からバス
の料金体系が一律1ゾーンになる。メトロバンクーバーの公共交通は電車もバスも市町村
の境界に適当に線を引いたような3つのゾーンに分かれている。切符は90分有効で、電車
とバスを乗り継ぐことができるんだけど、価格体系にはまったく合理性がない。そこへSuica
のようなカードを導入しようとして、バス乗り継ぎの課金処理がうまく行かず、延期に次ぐ延
期で、予算も超大幅超過。諦めてバスだけ1ゾーン制にしたわけだけど、安くなったバスが
超満員で乗りこぼしされたら泣くにも泣けないな。何ともブラックな月曜日の朝・・・。

家事しない暦ン十年の人が・・・

2015年10月04日 | 日々の風の吹くまま
目が覚めたら、もう午前9時。日の出の位置が南東に移動して、寝室の中が夏の間のよう
に明るくならないせいかな。ぐうすか眠っているカレシをちょいちょいと突いて起こしたら、
「もっと寝たいよ」。今日は納期が2つもあるんだから、寝坊してられないの。「夜中に目が覚
めて、1時間もかかってやっと眠ったんだよ」。それはきのう夕食の後で長々とうたた寝した
せいだと思うよ。やおら傍らの時計を見たカレシ、「うは、9時過ぎだ。おい、起きるぞっ」。今
日もいい天気・・・。

日曜日は何となく掃除の日になっているんだけど、ワタシは「仕事で忙しい」ので、朝食後は
カレシにクリーナーのスプレーボトルとスポンジと雑巾を渡して、よろしく~。普段も何となく
床とキッチンがワタシで2つのバスルームがカレシの担当みたいになっているけど、今日は
ハンドクリーナーでテーブルの下の小さなゴミを掃除してから、バスルームの清掃おじさん
に変身。シーラに教わった通りにカレシに伝授したので、トイレをブラシでごしごし。シンクを
スポンジでごしごし。カウンターをスポンジで拭いて雑巾で仕上げ。大きな鏡にガラスクリー
ナーをスプレーして別の雑巾できゅっきゅっ。バスタブも身を乗り出して、お湯をじゃぶじゃ
ぶ流しながらスポンジでごしごし。ふぅ~ん、家事はしない歴ン十年にしてはやるじゃないの、
おぬし・・・。

その間ワタシは仕事に専念。朝から晩まで週7日で仕事に追いまくられていた頃にこんな
楽ができていたら、燃え尽きることはなかったんじゃないかと思わないでもないけど、ま、昔
は昔で今は今。大山鳴動の引越し作戦を決行したおかげで、生活時間や環境だけじゃなく
て、カレシの心境にも何らかの変化が起きたんだろうか。ワタシの仕事の方もダウンサイズ
したのが良かったのかな。ワタシが仕事で忙しいときには自分が掃除をするというカレシの
言葉にはあまり期待していなかったんだけど、こうして嫌な顔もせずにトイレや風呂の掃除
までしてくれるのは、胸がじぃ~んとするくらいうれしくて、心の底から感謝感激。風雪40年
と言うと大げさかもしれないけど・・・。

おかげで昼前に2つとも草稿の段階が終わって、風呂掃除で大汗をかいたカレシとランチ。
ゴミ捨てを手伝って、ファイルの見直しをして、いつも頭痛の種の地名の漢字をググッて読
み方を確認して、2つとも納期の1時間前に送信完了。さ、遊びモードに戻ろうっと。

何ともシュールレアルな秋の朝

2015年10月03日 | 日々の風の吹くまま
目が覚めたときにブラインドから太陽が透けて見えたので、ああ、今日はいい天気だと思っ
て起きたら、何なの、この風景は?

     

目が眩むくらいの抜けるような青空なのに、えっと、ここはどこなの?寝ている間に世界が
がらりと変わってしまったのかな。こういうのを五里霧中と言うんだろうな。いつもはなかな
か姿を見せてくれないシャイなベーカー山がすっきりと聳えていて、その前にはサレーの新
都心のビルが霧の中からにょきにょき。

     

ハロウィンにはまだ4週間もあるのに、クィーンズパーク地区の木々はまるで幽霊のように
漂っている。背景のクィーンズパークの針葉樹も頭だけ並べてこんもり。じぃ~っと目を凝ら
ていると、ポートマン橋の「白い帆」の帆柱が先っぽだけやっと見えるて来る。何とも現実離
れした風景だな。ひょっとしたら寝ている間にうっかり宇宙をワープして、『スターウォーズ』
のクラウドシティの世界に来てしまったのかもしれない。

     

ルーフデッキから東の方を見ると、ポートマン橋は押し寄せる霧の波にのまれて影も形もな
い。はて、どの辺にあるんだっけ?真っ白な世界の上に、どこまでも抜けるような青空と
燦々と輝く太陽。こんな風景、いつかどこかで見たことがあるような気がする。あれは北極
圏の大氷原だったかな。それとも南極探検隊の基地だったかな。ここは北緯49度の桃源
郷なんだけど、見ていると生まれ育った厳寒の地の記憶が皮膚に蘇って来る。何となくあの
鼻の奥がキィ~ンと痛くなるような寒気の中へ出て行きたい誘惑を感じる。スノーシューズ
を履いて、太陽に向かって白い世界をずんずん歩いて行きたいような・・・。

     

太陽が高く昇る頃、風がふわふわした霧の塊を川の方へ吹き寄せて、シュールレアルな世
界の中からこの2ヵ月見慣れた風景が姿を現した。秋から冬にかけて、バンクーバーはよく
濃霧に覆われる。子供の頃にガスと呼んでいた釧路の夏の海霧は塩気を含んでじっとりと
重かったけど、バンクーバーの霧は細かくて明るく、低く垂れ込めてビルの間を徘徊するこ
とが多い。秋深しをひしひしと感じた朝・・・。

仕事三昧!

2015年10月02日 | 日々の風の吹くまま
目が覚めたら外は真っ白。ブラインドを巻き上げたら、あら、何も見えないくらい濃い霧。道
路向かいのマンションもうっすらとしか見えない。下の道路も見えないということは、道路か
らも上は霧に包まれて見えないということかな。まるで右も左もない世界に浮いている感じ
で、方向感覚どころか平衡感覚まで狂って来そう。じっとり濡れたデッキの気温は11度で、
温度計のある寝室は暖房なしで23.5度。先週の3、4度くらいまで下がった朝方以外はま
だ暖房が入ったことがなくて、ガラス張りなのに日が差していなくても1日中23度から24度
の間で安定しているから不思議。もしかしたら下の階の暖房熱で温まっているとか・・・。

今日は仕事日で、まずは通販サイトのコンテンツ。製品の宣伝広告だから、何か良くわから
ない表現がぞろぞろ。日本的な「肌で感じる美」のイメージなのか、あまりピンと来ないんだ
けど、小町横町でよく貼り出される美感論議を思い出して、後は想像力を逞しくして、できる
だけふわふわした訳語を選ぶ。でも、こういう「感覚文化」に根ざした表現の翻訳はいつも
難しい。直訳したら英語人の感覚にアピールしなくて、商品が売れないかもしれないし・・・。

ひいひい言っている間にランチの時間。寒い日は熱々のスープが一番と、1本だけ買って
あったとうもろこしの実を外してコーンチャウダーを作った。雨が降り出さないうちに早めに
買い物を済ませて、午後はまた仕事。2つ目の仕事は企業の事業報告なので、訳し慣れた
用語がぞろぞろ。こっちは2日がかりになるけど、想像力は必要なくて、できるだけもったい
ぶった訳語を選ぶ。翻訳仕事で大事なのは言葉のTPO。社長の訓示をコメディの台本み
たいに訳したら間違いなくクレームが来るだろうし、化粧品の広告や観光案内をコンピュー
タの操作説明書のように訳したら二度と仕事はもらえないだろうな。専門分野を持たない何
でも翻訳屋は今日も言葉遣いの七変化・・・。

今日はてっきり土曜日だと思っていたら金曜日。段ボールをリサイクルコンテナに捨てるの
にロビー階に下りるついでに郵便箱をのぞいたら、「有権者票は届きましたか」という選挙
管理局からの(宛名のない)案内が入っていた。カレシがオンラインで2人分の住所変更届
けを出したので、そのうちに新しいのが郵送されて来るだろうけど、投票日は19日。間に合
えばいいけど。そんなことよりも、仕事、仕事・・・。

高齢化でも年金は大丈夫?

2015年10月01日 | 日々の風の吹くまま
ポートマン橋も川向うのサレーの都心もアナシス島の自動車埠頭も朝もやの中。ほんとに
毎日何かしら景色が違っていて飽きない。地上を行き交う人たちが蟻んこのように見える超
高層と違って、みんなちゃんと人間として見える高さなのがいいね。まあ、モグラ暮らしが長
かったせいで、まだ感動の余韻覚めやらずというところなのかもしれないけど、視界いっぱ
いに広がる空と地上の風景を見るのが楽しくて、毎日がLife is good。

カナダで65歳以上の人口が初めて15歳以下より多くなったそうで、高齢化の波が押し寄
せて来る!とメディアが騒いでいる。カナダではベビーブームが1947年から1966年まで
20年も続いたおかげで、総人口が3500万人の国にブーマー世代が1000万人以上もい
て、先頭集団はすでに65歳を超えているんだから驚くことでもないと思うけどな。高齢化の
兆しで真っ先に話題になるのは何と言っても年金と医療。

日本では公的年金の世代間格差が広がったそうだけど、3つもある年金制度の間にも格差
があるらしいのは士農工商の階級思想の名残りなのかな。カナダの公的年金は勤労所得
と就労年数に基づく拠出型のCPP(ケベックはQPP)と、居住年数に応じてもらえる非拠出
型のOASの二本立て。物価指数に応じて定期的に増額されるけど、物価が下がっても減
額されない(今のところ)。職業や就労形態に関係なく18歳からCPPへの払込みが義務
付けられるけど、百万ドル稼いでも掛け金と受給額は年金対象所得の限度で頭打ちになっ
て、満額は現在月10万円ちょっと(平均支給額は月6万5千円ほどらしい)。それでも政府
が設立した公社「年金投資委員会(CPPIB)」がCPP基金を運用してけっこう投資益を出し
ているそうだから、この先高齢化が進んでも私たちが生きている間に破綻する心配はなさ
そう。

OASは働かなくても65歳までに40年カナダに住んだ人は満額の5万7千円、30年ならそ
の40分の30(ワタシは36年だったけど、新制度移行時の経過措置のおかげで満額)で、
所得が多いと納税申告のときに取り戻される。つまり、2つの年金を合わせた平均受給額
は12万円ほどしかないわけで、別に組合や企業の年金や個人年金(RRSP)がなければ
生活は厳しいと思う。そこを考えると、揃って平均以上のCPPと満額のOASをもらって、
カレシの組合年金があって、揃って個人年金基金がある私たちは恵まれ過ぎだな。ごっそ
り税金を取られても、文句は言えない・・・よね?