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リタイア暮らしは風の吹くまま

働く奥さんからリタイアして、人生の新ステージで目指すは
遊びと学びがたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

果報は寝て待てと言うけれど

2015年10月08日 | 日々の風の吹くまま
目が覚めたら首が痛くて、頭痛がして、肩が痛くて、気分が悪い。ただの寝違えだといいけ
ど、ずっと昔に寝ていて咳をしたはずみに第2頚椎がずれて酷い目に遭ったときの感覚が
蘇って来る。カレシ曰く「鳥みたいに頭を抱え込んで寝てたから凝ってるんだよ」。でも、起き
て動いたら凝りも解れて元気になったけど・・・。

きのうはArts Clubのグランヴィルアイランド劇場でのシーズン第1作のオープニングナイト
で、雨の中を渋滞にイライラしながら1時間かかって到着。作品はカナダでは有名なバンド
のリードボーカル、ジョン・マンが大腸ガンとの闘病をカナダ有数の劇作家モリス・パニッチ
と共作した『The Waiting Room』(「待合室」)で、これがワールドプレミア。新しい劇場に近
いレストランでのレセプションには演出もやったパニッチ自身が挨拶に来ていて、大ファンの
ワタシはユーモアたっぷりにスピーチする姿を見ているだけで胸がわくわく。レセプションで
はこの先「友だち」に発展しそうなカップルにも出会った。

作品はミュージカル風の仕立てで、舞台後方にバンドがいて、作詞作曲したジョン・マン自
身がボーカルを担当。たくさんの白い椅子の趣向を凝らした使い方で「待合室」を象徴し、
かなり辛らつなユーモアが溢れる場面のそこかしこで、主人公だけに見える白血病で死ん
だ「もうすぐ10歳」の女の子とのやり取りでガン患者の心の葛藤を表しているのはいかにも
パニッチ流。自分の人生は「待つこと」ばかりだったという主人公はガンに打ち勝って、ガン
が見つかる前と同じにはなり得ない人生を発見する。カーテンコールでは主人公と同じ服
装のジョン・マンがキャストに加わって、総立ちの拍手喝采。元々自分で主役を演じるつもり
が、作品が完成する前に早発性アルツハイマー症になって、舞台の後ろで歌うにも大変な
努力がいるという話。

誰でも大きな病気をしら人生観が変わるんじゃないかと思うけど、特にガンの診断は精神
的な衝撃が大きいだろうな。ワタシは2度「もしかしたら」に遭遇したけど、幸いどちらもガン
ではなかった。それでもほっと胸をなでおろしてからだいぶ経って「もしもあの時」という暗い
思いが過ぎったのは確か。舞台で主人公が「待ってないで何かせんかいっ」と医者に怒鳴り
飛ばされるシーンがあったけど、何かを「待つ」ということは運命に下駄を預けるということで、
「果報は寝て待て」なんてのは結局は寝言に過ぎないのかも・・・。