リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

どこでもテレワークの最大の課題は住宅事情

2021年09月28日 | 日々の風の吹くまま
9月27日(月曜日)。☁🌧☔☁⛅☔。夜のうちにかなりの風が吹いたらしい。バルコニーの棚から吹き飛ばされた空の水遣りボトルと無造作に重ねて置いてあった空のプラスチックの鉢があっちこっちにゴロゴロ。手すりを越えて飛んで行ったものはないようだけど、風には気を付けないと危ないね。

きのう在宅勤務は家族に迷惑なのかという小町のトピックを読んで、こっちでも去年の春からコロナに対応して在宅勤務が盛んになったけど、同じようなことがあったのかどうか考えてみた。夫婦が24時間同じ屋根の下という生活形態に関しては、我が家は20年選手と言えるけど、元々ワタシが在宅で仕事(と家事)をしていたところへリタイアしたカレシが加わって2人揃って在宅という逆パターンだったし、何よりも20年前はインターネットはまだ発展途上で、オンライン会議なんてのもなかったから、地下室に作った広いオフィスのそれぞれのデスクで黙々とキーを叩いていたので、今とは事情はだいぶ違っていたと思う。

コロナのおかげでテレワークと言う労働形態が普及し始めてからの最大の問題は住宅事情だろうと思う。特に日本の住宅は、マンションにしても戸建てにしても、良く言えばコンパクト、悪く言えば狭小だから、そこに1人が「会社」を持ち込んだだけで、日常生活が激変することは容易に想像がつくな。小町のトピックのコメントでも、奥さんたちが、仕事中の夫に気を遣って、好きな時に掃除機をかけたり、自由にテレビを見たりできなくなったり、オンライン会議のときは子供の騒音にも気を遣わなかったりで、溜まるストレスが「迷惑」という感情になっているのが手に取るようにわかる。そこで思い出したのが、我がニューウェストミンスター市の市長が去年の春に市のフェイスブックのページに載せたテレワーク事情。若いコーテ市長は市役所に近い川沿いの高層マンションに奥さんと娘3人の5人家族で住んでいて、市役所が職員の大半を在宅勤務にしたときに、自分も率先して自宅でテレワーク事始め。ところが、奥さんも在宅勤務になり、さらには3人の子供たちもオンライン授業を受けるようになって、家族全員があまり広くもないマンションで「在宅勤務/オンライン授業」。奥さんにダイニングテーブルを、子供たちにリビングを譲った市長さんは、寝室の片隅にテーブルとコンピュータを持ち込んで「リモート市長室」にしたそうな。

バンクーバーやトロントのような大都市では、もう十数年続いている住宅バブルで戸建ては中流家庭には何十年かかっても手が届かない値段。政府は高層マンションに一定の割合でファミリー向けのユニットを作ることを義務付けたりして、子育て世代の住宅難解消の躍起だけど、雨後のタケノコのように建つ最近のマンションは、敷地の面積が小さくなっているせいで、一戸の広さもどんどん縮小しているのが現状。戸数を増やさないと採算が取れないせいだけど、そういうところで在宅勤務を命じられても仕事場の確保は至難の業。そこで在宅勤務で通勤が不要になったホワイトカラー層は超低金利を利用してかなり遠い郊外の広い戸建てに住み替え始め、おかげで郊外の住宅やタウンハウスの相場が2ケタも値上がり。おまけに、急激な人口構成の変化を反映して、先の総選挙では保守党の牙城だった郊外で現職議員が次々に自由党の候補に敗れる「政治地図の塗り替え」が起きた。つまり、テレワークは労働形態どころか社会や政治までも変えつつあると言えるけど、日本ではどこでどんな変化が起きるのか興味があるところだな。