リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

旅の空から(その2)~わが遺伝子のルーツはここにあり?

2018年11月29日 | 日々の風の吹くまま
11月29日(木曜日)―クチン(マレーシア)。曇りのち晴れ。午前7時前、最後の寄港地サラワク州のクチンに入港。香港を出てからここまでで2041カイリ(3780キロ)の航海で、大きな港の一角に停泊した船の位置は北緯1度37分。ちょっと大風でも吹いたらあっという間に赤道の南に行ってしまいそうな近さ。ここまで来ると昼も夜もなく文句なしに暑い。船内は冷房が効き過ぎなので、ベランダのドアを開けるとむわぁ~っと熱風が入って来る。でも、涼しすぎるからと言ってベランダのドアを長時間開け放しているとサーモスタットが狂うそうなので、ほんのちょっと開けて暑くならない程度に室内を温める。ツアーのバスも冷房付きだから、暑い中に降りたり、冷えた中に乗って来たりで、体内温度計が狂ってしまわないかな。

今日は船に乗って初めて7時にセットしておいた目覚ましで起きた。そろそろ疲れが出て来る頃なのかもしれないな。ホテルごと旅しているようなもんだから楽でいいはずなんだけど、2週間ともなればやっぱり疲れて来るものらしい。Silverseaは2020年に南極を含む7つの大陸をめぐる140日間の世界一周クルーズを売り出しているけど、北半球と南半球を回るので夏と冬の衣類が必要だと言う説明に、誰かが「いくつのサイズが必要か」とまぜっ返しの質問。うん、これでもかってくらいにリッチな食事を1日3食140日も続けていたら、3サイズくらい大きい衣類を用意して行った方がいいかも。でも、上げ膳据え膳のクルーズ船で140日はいくらご隠居さんでもねえ・・・。

クチンは古くから海上交易の拠点ということもあって、古くからいろんな人種や文化が入り混じって来たところへ、サラワクには100年ほどイギリス人の「藩王」がいた時代があったというからおもしろい。かってボルネオ島を支配したブルネイが今の(超大金持ちだけど)小さな、小さな国になってしまったのはこの「ブルック王朝」のせいだという話で、19世紀の帝国主義、植民地主義の勉強には持って来い。でも今は、ボルネオでは宗教や人種の違う「マレーシア人」がけっこう交じり合って暮らしているらしい。サラワク川の河畔の歩行者ブリッジからの眺めはまるで絵葉書のよう。
   

おもしろいのはこの辺りにはワタシと顔立ちや雰囲気がよく似た人が多いこと。おかげでみんなやさしい。白人がほとんどのツアーに交じっている「アジア人」のワタシを、今日のガイドはマレー系だと思ったそうだし、ブルネイでは中国系と現地部族の混血の(かっちりと二重瞼の)ガイドが「私のおばちゃんによく似ている」と言ったし、サバ州では(南方の)中国系、フィリピンのコロンではタイ人だと思われたしで、ワタシの遺伝子のルーツはここにありという感慨は深まる一方。クルーズには日本人や韓国人、中国人も乗っているけど、怪訝な目でワタシを見ている感じで、カレシ曰く「キミは謎なんだと思うよ」。うふっ、謎めいた女なんてかっこいいじゃないの。もっともワタシはみんなと同じく普通の地球人なんだけど。