「森崎書店の日々」の続きである。
森崎書店の日々には、「桃子さんの帰還」が収められていたので、このシリーズとしては3番目の物語である。
主人公の貴子は、森崎書店で叔父サトルと暮らしたことでいわゆる「復活」をした。
また、叔父サトルも妻桃子が帰ってきて、落ち着いた生活をしている。
今回の物語は、これまでのことを振り返りながら、少しづつ前に進む。
貴子は、恋人の和田との仲がなかなか進まないことについて、考えている。
そのことについて、貴子の周りの人たち、特に桃子が適切な助言をする。
それは、貴子自身が自分にブレーキをかけていることではないか、ということ。
淡々とゆっくりと物語が進むのは、貴子の内省が描かれるからだ。
しかし、後半に物語は劇的に大きく動く。
傷つきやすい人たちは、やさしい人たちである。
他人にやさしいのは自分が傷つきたくないからなのだろうか。
この物語に登場する人たちに悪人はいない。
悪人はいないが、人は傷つく。
また、物語のなかで、近代文学について語られるのもいい。
私は、あまり近代文学を読まないので「そうそう」と思うことができないが、興味が湧く。
ラストは新幹線の中で読んでいたのだが、涙があふれてきて困ってしまった。
ところで「森崎書店の日々」は映画化されているが、DVDはでていない。何とかDVD化してほしいものだ。
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主人公の貴子は、森崎書店で叔父サトルと暮らしたことでいわゆる「復活」をした。
また、叔父サトルも妻桃子が帰ってきて、落ち着いた生活をしている。
今回の物語は、これまでのことを振り返りながら、少しづつ前に進む。
貴子は、恋人の和田との仲がなかなか進まないことについて、考えている。
そのことについて、貴子の周りの人たち、特に桃子が適切な助言をする。
それは、貴子自身が自分にブレーキをかけていることではないか、ということ。
淡々とゆっくりと物語が進むのは、貴子の内省が描かれるからだ。
しかし、後半に物語は劇的に大きく動く。
傷つきやすい人たちは、やさしい人たちである。
他人にやさしいのは自分が傷つきたくないからなのだろうか。
この物語に登場する人たちに悪人はいない。
悪人はいないが、人は傷つく。
また、物語のなかで、近代文学について語られるのもいい。
私は、あまり近代文学を読まないので「そうそう」と思うことができないが、興味が湧く。
ラストは新幹線の中で読んでいたのだが、涙があふれてきて困ってしまった。
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