読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

遥かな町へ 上・下 谷口ジロー 小学館(ビックコミックス スペシャル)

2006-05-04 18:28:32 | 読んだ
2000年8月に購入以来、何度も読み返している漫画である。

主人公「博史」は48歳。
出張ででかけた京都から帰ろうとしたとき、何故だかわからないが故郷「倉吉」へ向かう列車に乗ってしまう。
そこで23回忌を迎える母の墓参りに行き気を失う。

気づいたときには14歳の中学生になっていた。

それから博史は、14歳の中学生になり中学生活を送り始める。
はじめのうちは、48歳の頭を持つ中学生であるから勉強もでき苦手であったスポーツもできるようになったので、そのことに有頂天となり生活を送るが、実はその年、母や自分たちを残し父が失踪をする、ということを思い出す。

そして父が失踪する原因、あるいは父が失踪する日を探る・・・

という、いわゆるタイムスリップものであるが、頭は48歳、体が14歳という設定が面白い。

私も、こんな経験をしたい。
いま、14歳に戻ったら「相当」だろうなと思う。
スーパーマンに近いのではないだろうか?

主人公が、実らぬ初恋の人だったはずの長瀬智子に思いを寄せられ、くすぐったい思いをしたり(つまり、現実には娘と同じ年齢であるので、なんだか実感がわかないのである)酒やタバコをのんで驚かれたりすることを、味わってみたいのである。

ということだけでなく、この物語には「父の失踪」についての真実を知る、そしてそれは母が幸せだったのかということを知ることにもつながる。
さらには、自らの幸せということまでも・・・

何度読んでもその時々によって新鮮な思いがする。
「漫画」と呼べない新しい表現の形、新しい文学、といってもいいのではないか、と私の中での評価は高いのである。

追伸
 本日ホームページを修復したがだめだった。原因はなんとなくわかったので根本的な改良をしなければならないようだ。
 今夜は「宿直」明日は「日直」とハードな日程であるため、改良はずれ込む予定である。残念。
コメント (2)
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