福岡市立博物館にて母里太兵衛が飲み取った名槍〔日本号〕を見ることが出来ます。徳川幕府が天下の業物を評価したときにランク付けしました。何万、何十万本の槍が作られそれぞれ有名な武将が命の次に大事にした持ち物ですが、そのなかでも天下三名槍と称されたのが〔日本号〕、〔お手杵の槍〕、〔蜻蛉(とんぼ)切の槍〕です。〔蜻蛉切〕は家康の重臣本多平八郎の持ち物であるとき戦場にて陣幕内に立てかけていたところその刃先に停まろうとしたとんぼが真二つにすーと切れてしまった事からその名がつきました。〔お手杵〕は家康の次男結城秀康の持ち物で、戦で大暴れし幾人もの首級をあげその首級(8~10首)を槍に下げて帰る途中真ん中の首が落ちてちょうど手杵のように見えたのでお手杵(餅つきの時片手でつく手杵)と呼ばれるようになった(他説あり)。〔日本号〕はもうご存知ですよね。我らが母里太兵衛が呑み取った黒田節の槍です。全長321.5cm、刃の長さ79.2㎝、螺鈿入りで刃には竜の彫り物がある素晴らしい槍です。正親町(おおぎまち)天皇が将軍足利義昭に与え、後、織田信長に、その後太閤秀吉、福島正則そして母里太兵衛へと渡ってきました。この槍には正三位という位が付いています。並みの大名は従五位以下でしたので槍の方が位が上ということになります。その槍が一時豊前中津の太兵衛の自宅に飾られていたのです。大いにロマンを掻き立てられることではないでしょうか?近所のおいさんやおばさん、子供達が見せてーと頼んだら「オーよしよしこれが正三位の日本号じゃー、さわってもいいぞ」とか何とか言って見せていたのではないかと思われます。朝鮮の役に持っていったのが史書にも載っています。福岡に行ったら是非ご見学あれ。
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