城井神社の解説板です。ここに書かれている鎮房の娘鶴姫と長政の婚儀による和睦というのは諸説があります。黒田家譜によれば黒田長政には蜂須賀家の娘糸姫が既に正室として嫁いでいたので結婚はないとあります。和議の条件として人質に出されていたのではないかと思われます。また、秀吉の朱印状で今治12万石へ移封ということについても当時あったのは伊予の国であり今治12万石という地は無く(今治藩が出来たのは関ヶ原の合戦の後)巷間伝えられている説も誤りのようです。宇都宮鎮房は北部豊前領主毛利勝信に預けられた事のみが史実にあるだけです。
ただ、秀吉は九州島津征伐で九州に乗り込む前、秀吉に従属すれば本領安堵と各地の国人領主達に約束しながらそれを反故にしました。それ故に九州の国人領主達は宇都宮鎮房が反旗を翻したとき一斉に行動を共にしたのです。何故なら秀吉の世になると彼等は浪人するか農民になるかしか残された道はなく(たまに家臣として召抱えられることはあった)、長年その地にあって領主として君臨していた身としてはそれは耐えられることではなかったのです。
江戸時代中期に宇都宮氏について様々な伝説(多くは美化すること)が出来たとのことです。数百年の間には誤った伝記が書かれ後世の歴史昨家がそれを鵜呑みにしてまた自著に転載しそれを又、、、、というように誤用が次から次に増幅されて書かれてゆくことが多くあります。正しい歴史書かどうか確認しなければなりません。
城井神社例祭にて城井宇都宮氏研究の第一人者の則松弘明さんと会いました。則松さんの案内で宇都宮鎮房の統治していた城井谷を歩いたことがつい昨日のような気がします。則松さんは城井谷から少し下流にあたる地区で生まれ、九州大学卒業後は貿易会社に籍を置かれ海外勤務の傍ら自分の故郷の城井宇都宮一族の歴史を研究してこられた方です。ご自身も先祖は城井宇都宮氏の流れを汲むとのことですが黒田武士顕彰会の小生にも温かく接してくださっています。
宇都宮鎮房は城井地区を統治して城井氏を名乗っていましたので本当は城井鎮房が正しいようです。伊予転封という秀吉の朱印状を返上したことにより秀吉の怒りを買い宇都宮鎮房の直系は嫡子朝房を始めとして(朝房室が逃げ延びて男子を産んだという話も伝わっていますが)絶えたようです。ゆえに宇都宮という姓の方の中には流れを汲む方もいらっしゃるのかもしれませんがただ単なる宇都宮姓(明治維新後名前を付けた)の方があるそうです。宇都宮氏の事に関しては末流が豊前国や四国,栃木など各地に多くまだまだ分からないことが多くあり少しずつ解明してゆければと思います。
長谷川宮司の仰るには近年例祭にお参りになる方が増えてきたとのことです。数年前までは毎年10名くらいだったそうですが今年は本殿に入れないほどに数十名がお参りに来ていました。その中で今年は初めて城井宇都宮氏の地元築上町から新川町長がお見えになっていました。
黒田官兵衛を大河ドラマへの運動が大きくなって来たことから築上町としても城井宇都宮鎮房を世に出さなくてはならないとの思いで来られたとのことです。今は400年の恩讐を越えてお互いが分かりあわなければならないときなのです。なぜならそれは歴史がそうさせたからです。何時までも反感を持っていても前向きには進みません。あの戦国時代最強の黒田軍団を唯一破ったことがあるのが城井宇都宮鎮房でした。それはすごい事なのです。
長谷川宮司の紹介でご挨拶した後、豊前国中津黒田武士顕彰会の小野会長と新川築上町長と本殿でツーショットとなりました。新川築上町長は物腰柔らかなとても知的な方でした。
7月14日(土)中津市立小幡記念図書館に於いて「大河ドラマが出来るまで」の演題で「NHKチーフディレクター伊勢田雅也講演会」を開催することになりました。伊勢田さんはNHKチィーフディレクターとして先の大河ドラマ「お江」、「利家と松」「新撰組」など、また連続テレビ小説「私の青空」「ファイト」「ちりとてちん」、松本清張ドラマ「顔」を始めとして他のドラマもたくさん手掛けられています。大河ドラマが出来るまでには一体どんな過程を経て製作されてゆくのでしょうか。大いに興味があるところです。
その折、郷土中津に伝わる日本一長い民謡「中津大津絵音頭」や「豊前中津の黒田武士の舞」をご披露する予定です。
これをきっかけに「黒田官兵衛(如水)を大河ドラマへ」と多くの市民の方々に一層の盛り上がりと協力体制が出来れば嬉しいところです。興味のある方はぜひお出でください。たくさんのご来場をお待ちしています。
最近の「黒田官兵衛(如水)を大河ドラマへ」の活動も各地でかなりの盛り上がりの様相を呈してきましたが中でも姫路の「播磨の黒田武士顕彰会」の活動は熱意や行動が一頭抜けています。このポスターを見ても分かります。
大河ドラマになる条件として
①戦国時代か幕末時代に活躍した人物、武将が多く出場
②その人物の物語がある(司馬遼太郎の播磨灘物語など)
③地方の武将も有力(過去に伊達政宗が高視聴率であった)
④地元の誘致活動が盛り上がっている(姫路、中津、福岡、瀬戸内市、木の本など広域の盛り上がり)
⑤物語に恋物語が、、、(女性視聴者に受ける・官兵衛は側室を置かず正室お光の方ただ一人を生涯愛した)
⑥1年間を通して物語を展開できるエピソードがある (備中高松城水攻め、中国大返し、有岡城幽閉、小田原城開城、如水原、石垣原の合戦、関が原の合戦等など)
⑦好(高)視聴率が予想される(秀吉に天下を取らせた稀代の軍師と謳われるだけあって歴史上知名度が高く、三人の天下人(信長、秀吉、家康)やその周辺の人物~秀吉の正室おね、お江、利休、家康の次男結城秀康など~と濃密に関わっていて且つ広域で活躍している。)
と巷間伝え聞いています。
NHKも今年度の平清盛に寄せられる意見にあるように視聴率を指摘されることが多々ありますので視聴率の取れる大河ドラマということも大きな要素になります。
皆さん如何ですか?この条件に全て叶っているのは全国を見回しても「黒田官兵衛(如水)」以外は無いのではないかと思えます。姫路城の平成大改修が完成する平成27年を大河ドラマへと目指している姫路の顕彰会に引っ張られているような活動ですが中津も負けてはおられません。最近やっと商工会議所や町づくり協議会、商工業者などがバックアップしてくれるようになりました。今月には再来年の大河ドラマの発表があります。注目してみましょう。