中津からバスで求菩提山に向かって上って行くと雄大な山々の深い緑が目に心地よく,また清涼な空気が辺り一面に溢れるなか,せせらぎの音が優しく心の扉に響いてきます。浦橋さんの軍師官兵衛の歌が佳境に入った頃、求菩提山資料館に着きました。
資料館では高橋館長さんが懇切丁寧に解説してくださいました。この山の歴史や修険道の山伏の生活の様子など熱く熱くお話していただき皆さん良く理解できたのではないかと思います。
この資料館には黒田官兵衛が桜狩りをしてそのときに詠んだ和歌が残っています。その短冊は湿気を避けまた保安のために厳重に保管されているそうです。展示されているのはコピーですが筆の運びなど官兵衛公のお人柄が偲ばれるようです。皆さんとても興味深く観ていました。
官兵衛が中津からここまで態々訪ねてきたことの意味はまだ良くわかっていないようですが山伏の強靭な肉体と情報力を必要としていたのではないかということです。官兵衛が中津城を築城するとき時の求菩提山座主が招かれて地鎮祭を執り行ったそうです。それほど官兵衛と求菩提山とは友好的な関係であったのです。
幾たび訪ねてもここには数百年にわたる修険道の歴史が息づいておりその歴史を包み込むような大自然の懐にに抱かれると何やら心が洗われるような気持ちにさせられる素晴らしいところです。多くの皆さんがお訪ねになることをお勧めします。