チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

骨肉の争い

2013年12月18日 10時04分11秒 | 日記
ここのところしつこいけど
「着肉」つまりきものの補整が気になっている
たかだか30年くらい前まではきものを着るのに「着肉」をつける人は少なかった
芸者さんは腰布団を使っていたが
それは「柳」という帯結びや丸帯を使って大ぶりの二重太鼓を締めるので
ヒップラインが強調されるので
そこに丸みをつけるために着けていた

胸の肉布団は半衿をたっぷり出して
胸を大きく開けて着るので
胸を膨らませないと形が付かない

丸帯の重い帯を胴にまくのでそこにタオルを巻かないと安定しない
このような着付けは特殊で
歌舞伎俳優や人形衣装にも見られる着装だ

ソレをどうして普通の女性が真似をしなければならないのか
ソレが美しい着方だと信じている人のあまりの多さに驚く

鎖骨や肩甲骨、肋骨や骨盤、更には大腰筋などの筋肉
かれらはきものを着て動くときに
色んな助けをしようと手ぐすね引いて待っているのに
開店休業
余分な肉を付けられて本当にガッカリしていると思う

自分自身の骨を磨いてほしい
最後まで人を支えているのも骨であることを
私たちは忘れてはいけないと思う

骨は其の用途をしっかりとわきまえている
骨肉の争いから脱却して美しいあならたしい着方を習得してほしいナ

コメント
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