チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

きもの評論家 2

2013年12月13日 09時14分46秒 | 日記
また戦後の建築は
日本家屋が少なくなりモノトーンのビル群となっていった
そうなると町の景色の中で
色あでやかなきものはドウモ景色に合わない

女性達が外で活躍するとなると
殿方と一緒に活動をする
ますます柄と柄をきものは合わせるようなきもののコウデイネーとははじかれていく

そこできものを着ることにかけては造詣の深い
もと令嬢もと姫君達の知恵が必要となってくる
姫君というのは
戦後廃止された侯爵、公爵、男爵、子爵などのもと大名や公家の方々の姫君
令嬢は江戸から昭和初期にかけての豪商の娘達

この方達の階級は日本文化の粋を身につけていたので
「美」に関しての感性は半端ではない
しかもお金もふんだんに使い職人達を啓蒙していた

自分が着たいきものは日本画を見たり(実物を見る階級)
其の感性を職人にぶっつけていたので
職人達も勉強を怠らなかった

しかも季節によってはこう言う素材、柄、色
と言うことも幼少の頃からたたき込まれているので其の知識も披露できる
衣替えのあとの手入れも怠りない

戦前の上流社会では
娘がどんなに落ちぶれた生活者になっても
毅然として誇りを持って生きていける知恵を授けていた
其の教育担当は女中頭ガ受け持った

中流家庭の子女はそう言う家庭に行儀奉公をして
女としての教養を身につけていたのだ

さてまた続きをーー明日
コメント
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