チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

12月1日ですわ

2013年12月01日 09時49分28秒 | 日記
日めくりもだんだん薄くなった
母の12月を静かに思い起こす
神棚の掃除
姉さんかぶりにうわっぱり其れに割烹着を着けて
はたきと箒を持って動き回っている

台所の整理、竈もあった
そこに大きなお釜に水を入れ湯を沸かす
そうだいつも竈でたいたご飯を食べていたのだ
電気釜になったのはいつだっただろう
それでも蒸し物などは竈を使っていたな

こんな姿まだほんの60年前のもの
家族の下着は洗濯機を使わず洗濯板で洗っていた

タクワンづけ白菜漬け全部母の仕事見よう見まねで手伝うこともあったが
だいたい勉強を口実に図書館に逃げていた
帰りに買い物をと言うメモをわたされ
小銭をちょろまかして友達と喫茶店で油を売る

暑い夏はきものを解き
秋の乾燥した季節に洗い板や伸子張りをしていた
そしてまた冬になるとそれらの仕立て直しをしていたのだ

そう言う作業を見習う親戚の子や若い女が家にいた
だからチャコちゃん先生は逃げられたのだ

しかし今思うと
そう言う姿を垣間見ていることが
日本の文化を知ることにとても役立っていたと確信する
女は家族のことに気を配るのが一番の幸せかもしれないと思う

手仕事から電気製品が何もかもやってしまう端境期にいた母達は
それでも時代に流されず
自分が信じたことを黙々と行っていたのだ
今更ながら母達の年代の人たちに敬意を表したい

母が生きている間にその一言が言えたらどんなに喜んだであろう
気付くのが遅いぞ!
チャコちゃん先生

今日は一日静かに母に感謝を捧げよう
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