チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

きもの評論家 1

2013年12月12日 09時36分21秒 | 日記
一世代前のきもの評論家が出現したのは戦後
戦前はみんなきものを着ていたので
評論家という仕事は必要なかったし
それぞれの呉服屋にきものの知識が深い番頭さんがいて
その番頭さんに何でも相談できていた

戦後食べるものがなくなり「きものとお米を交換する」という時代があり
お姫様のようどこかの令嬢のようなきものが手元にきた農家の女達は
其の着方がよく分からない

ソレと同時にアメリカ文化が一気に押し寄せて
女達は着物より洋服に走ってしまった
まだたかだか70年前の話だ

そうしている間にきものもたまには着たいし
親のものもあるし
などなどできものの選び方やコウデイネーとを教える人が必要になった
番頭さん達も戦争にかり出され戦死したり
空襲でなくなったり
またきものの仕事どころではなくきちんとした給料を得るために勤めにでたり

そこで現れたのが昔令嬢や姫君達の「きもの評論家」
各デパートにそう言う方が花形アドバイザーとして君臨していた

戦前の青春時代上等なきものに手を通したかたがたなので
美的センスがすばらしいし
若い職人対への助言も完璧

しかし洋服世代のチャコちゃん先生などは
其の色の氾濫の組み合わせに首をかしげるばかり
「洋服のコウデイネーとは三色でまとめる」と言われて育ったのだから
柄に柄を合わせるきもののコウデイネーとにはついて行けなかった
(つづく)

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