チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

終生の友

2013年01月04日 11時41分15秒 | 日記
新年も4日になったのでーー
50年来の友奥沢順が亡くなった
それを知らされたのは元旦
それ以来チャコちゃん先生沈んでいる

彼の病は肺気腫だった
酸素を持って行動するようになったのは6年くらい前であろうか
最後一緒に食事をしたときは結城のお寿司屋さん
それは一昨年の秋だったお酒も飲んでいた
結城紬の未来のためにいろんな話をした

彼が酸素を持たず普通の状態での食事は銀座で
「どうしても一度は顔を出さなければならないから一緒に行って」
と出かけたが
その店は地下で帰り階段を上らなければならず
一段一段ゆっくりと昇っていた
「そんなに苦しいの?」
「うん」

肺気腫の苦痛を私は初めて知った

それでも
「銀座に結城紬だけの店を持ちたいんだよチョット調べて」
とその時頼まれて
銀座に長いことお店を持っている知人を介して徹底的に調べてもっらたが
彼の体力が持たなくなりその話は立ち消えた

彼には終生の親友がいる
窪田稔
公私共々二人はお互いを良く理解し信頼しあって暮らしている
本当にうらやましい友情だ

しかもお互いに一定の距離を保っているところがまた清い
二人は中学時代からのつきあいで
何もかも良くわかり合えているのだろう
「順は殿様みたいな存在だから、彼を頭に置いておくと全てがまとまる」
と言う存在であったようで
稔は名マネージャーだったのだ

更に順には4つ下の弟がいる専務だ
長男と次男の育て方が違っていた時代の兄弟だから
次男は徹頭徹尾兄を助ける

此の三人のそれぞれの持ち場をわきまえた過ごし方に感銘していた

同じような兄弟が京都西陣の帯メーカー渡文の社長と専務
渡邊隆夫と順は同じ立場にいるので会った瞬間から理解し合ったようだ
「隆夫さん、順ちゃん」と呼び合ってお互いをおもんばかっていた
此の二人も良い関係だ

そうだその昔二人を引き合わせたのはチャコちゃん先生だったぞ

隆夫さんに電話を入れた
しばらく沈黙の後
「惜しいねえ惜しいねえ」と繰り返す

とにかく通夜に行ってきます

コメント
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