夫は短期記憶がまったくできないが、かなり話すことは明晰で、結構
理路整然としている。「オレ、認知症貴族」と言う発言には、心理カウン
セラーの妻としてはビックリした。
確かに・・・「みんな覚えていない,あまり考えない、周りを気にしない
我慢しない、自由で思い通りに生きるのは何と楽なことだろう。認知症
に早くなった方が絶対に楽だ」と言った。
夫の言葉は、実に正解だ。先日救急車で入院したことも、あれほど
ひどかった痛みも全く覚えていない。昔は「ぼけ」と言われ、また
「人生最後の幸福」とも言われたた現在の認知症は、確かにそうかも
知れない。でもそんな環境ばかりではないはずで、夫は恵まれている
からそう思うのだろうが、私の気づかいなどほとんど分からないようだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/2d/beb8c3fe6bf280e32ceb1a42904662e5.jpg)
常識人は「自分がそうなって、家族や他人に迷惑は絶対かけたくない」
と思っているが、妻として5年間そんな夫に寄り添い生きていると、彼の
「認知症貴族」の言葉が、胸にズシリときた。
「先にぼけた方が得」「先に死んだ方が得だから、能里子は淋しがり
だから先に逝って良いよ、オレ大丈夫だから」と、無邪気に言う夫。
私が最後まで見なければ、といつもかなり頑張っている私だけど
これから一体どうなるか分からない。でも、もともと穏和な人だから
そんな意味では大変楽で、その日、その日が無事で過ぎたことも
ささやかな幸せだと思っている。夫はメンタルな意味で、毎日まったく
ストレスがない状態で生活しているはずだ。
同じことを何度行っても、私は初めて聞いたようにしているし、絶対に
機嫌を損じないようにしてはいる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/9d/42699ccac88ece1cf5ceae00fa1176ff.jpg)
昨夜もあまりのアナクロな夫に腹立ち、どうしようもない気分に
なったが、「自分の感情はコントロールすべき」と我慢した。
でも、「これだけは言うべき」と思うことは、かなり厳しく伝えている。
そんな時夫は素直に聞いてくれるが、家族も彼のプライドを傷つけるような
発言は絶対にせず、全員が「パパ」「グランパ」とやさしく接している。
ふつうの人は多分中々難しいことを、私の態度を見て、家族全員が協力
体制でそれを守ってくれているのは嬉しいことだ。
効果的だと言われている「回想法」はプロとして、日常的に取り入れて
いるのは当然の流れだが、現在の彼にとっては最高の状態で生活している
はずだ。ときどき「もしかしたら私は、夫のために心理カウンセラーに
なったのかもしれない」と、導かれた運命の不思議さをしばしば思う。
いずれにしても介護者である自分自身、その精神状態の管理も重要な
ことだ。でも、私もかなり自由に行動できるので、そんな意味では
感謝しているけれど。でも、改めて考えたら、妻としての対応が良い
ことなのだと気づいた。
理路整然としている。「オレ、認知症貴族」と言う発言には、心理カウン
セラーの妻としてはビックリした。
確かに・・・「みんな覚えていない,あまり考えない、周りを気にしない
我慢しない、自由で思い通りに生きるのは何と楽なことだろう。認知症
に早くなった方が絶対に楽だ」と言った。
夫の言葉は、実に正解だ。先日救急車で入院したことも、あれほど
ひどかった痛みも全く覚えていない。昔は「ぼけ」と言われ、また
「人生最後の幸福」とも言われたた現在の認知症は、確かにそうかも
知れない。でもそんな環境ばかりではないはずで、夫は恵まれている
からそう思うのだろうが、私の気づかいなどほとんど分からないようだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/2d/beb8c3fe6bf280e32ceb1a42904662e5.jpg)
常識人は「自分がそうなって、家族や他人に迷惑は絶対かけたくない」
と思っているが、妻として5年間そんな夫に寄り添い生きていると、彼の
「認知症貴族」の言葉が、胸にズシリときた。
「先にぼけた方が得」「先に死んだ方が得だから、能里子は淋しがり
だから先に逝って良いよ、オレ大丈夫だから」と、無邪気に言う夫。
私が最後まで見なければ、といつもかなり頑張っている私だけど
これから一体どうなるか分からない。でも、もともと穏和な人だから
そんな意味では大変楽で、その日、その日が無事で過ぎたことも
ささやかな幸せだと思っている。夫はメンタルな意味で、毎日まったく
ストレスがない状態で生活しているはずだ。
同じことを何度行っても、私は初めて聞いたようにしているし、絶対に
機嫌を損じないようにしてはいる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/9d/42699ccac88ece1cf5ceae00fa1176ff.jpg)
昨夜もあまりのアナクロな夫に腹立ち、どうしようもない気分に
なったが、「自分の感情はコントロールすべき」と我慢した。
でも、「これだけは言うべき」と思うことは、かなり厳しく伝えている。
そんな時夫は素直に聞いてくれるが、家族も彼のプライドを傷つけるような
発言は絶対にせず、全員が「パパ」「グランパ」とやさしく接している。
ふつうの人は多分中々難しいことを、私の態度を見て、家族全員が協力
体制でそれを守ってくれているのは嬉しいことだ。
効果的だと言われている「回想法」はプロとして、日常的に取り入れて
いるのは当然の流れだが、現在の彼にとっては最高の状態で生活している
はずだ。ときどき「もしかしたら私は、夫のために心理カウンセラーに
なったのかもしれない」と、導かれた運命の不思議さをしばしば思う。
いずれにしても介護者である自分自身、その精神状態の管理も重要な
ことだ。でも、私もかなり自由に行動できるので、そんな意味では
感謝しているけれど。でも、改めて考えたら、妻としての対応が良い
ことなのだと気づいた。