これは、わたしの黒豆です。
本式には「ぶどう豆の蜜煮」というつくり方です。
以下は、つくり方ではなく、ゆで方です。
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.<黒豆のゆで方>
袋、かわいいでしょう?
築地の珍味屋さんで黒豆を購入したときの、です。
写真は、
トップの写真の袋をあけたところです。
枡(ます)でのはかり売り。
洗うためにボウルに入れます。
うつくしいでしょう?
皮が薄く、大粒で、品のよい艶があります。
アップです。
洗ったところです。
そーーっと、数回水を替えて洗います。
ボウルに、約4倍の水を加え、
8~10時間おいて戻します.
わたしは、重曹などは使いません.
戻したら、戻した水ごと鍋に入れて、強火にかけます.
沸騰するや否や、フワ~~っと、
大量のアクがでてきます.
沸騰させたまま、手早くアクをすくい取ります.
玉杓子の底の方でアクを寄せ集めてから、
丁寧にすくい取ります.
アクがなくなったら、弱火にし、
落しぶたをして、ゆでていきます.
下の写真は、落としぶたをめくったときの、
黒豆の状態です.
ふたの下では、黒豆が踊っています.
グラグラ煮立てるのではありません。
やわらかくなったら、そのまま冷まします.
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やわらかさをみる昔ながらの目安は、
親指と小指の間に黒豆をはさみ、抵抗なく
つぶれたら良いのですが、8~10時間位
ゆでたら大丈夫です。
10時間といっても、合計で10時間ゆでれ
ばいいのです。じっと黒豆の番をしなくても
用事があれば外出して、戻ればまた火に
かけます。
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さて、冷めたら、鍋を水道の下に置き、
細い流水を加えながら、濁りがなくなる
まで水を加えていき、しばらくさらします。
このとき、わたしは、水道の当たる部分に
ガーゼをのせています。
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水の中に手を入れ、皮の破れたもの、
腹の割れたものなどを取り出します。
そのままにしておくと、蜜煮の場合腐敗
しますので、必ず取り出します。
写真はもう取り出したあとのもの。
あ、でもまだあります。3粒。
ほら、見えるでしょう?
左のボウルは、腹切り、皮の破れたもの。
約1/5ですね。
最初に購入した黒豆は、約1/3でした。
これは、豆が不良品というわけではなく、
その土地の天候によるのです。
天候がよいと、実の入りがよくなり、
実の力が強くなり皮が破れるのです。
*取り出した分は、甘く煮てきんとんに、
サラダに、和え物につかいます。
いい黒豆は、ゆでているとき、
澱粉質特有のコクのある甘い香りが
モワ~~ッと、台所いっぱいに充満します。
そのときの香りでおいしいか、
おいしくないかが,大体わかります。
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黒豆、戻してみてください。
ゆでてみてください。
ゆでただけの黒豆、
でんぷん質が糖質に変わり、
自然の甘みがあり、おいしいですよ。
おいしいだけじゃありません。
良質の植物性たんぱく質を含むことから、
「畑の牛肉」とよばれてきましたが、
ビタミンE、サポニン、レシチン、トリプシン
コリン、イソフラボン・・・と、「身体によい」
といわれる栄養素がそろっています。
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お正月料理は数日間、保存させなければ
ならないので砂糖を使います。
砂糖は保存料ですからね。
でも、甘いばっかりじゃつまらないですよね。
しょうゆも、ドレッシングも調味料を使わないで、
まずは黒豆のそのものの味を、
ゆでただけで、どうぞ、おためしください。
舌の記憶にとどめておいてください。
農産物の自給率を考えても、
「乾物の時代」、やってきます。
おいしく戻す方法、
自然においしく食べる方法、
身につけておいていただきたいな、と思います。
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今年、教室用に求めた黒豆です。