引頭佐知(いんどうさち)の料理ブログ

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黒豆のゆで方

2012年12月31日 | 乾物!乾物!乾物!

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これは、わたしの黒豆です。

本式には「ぶどう豆の蜜煮」というつくり方です。

以下は、つくり方ではなく、ゆで方です。

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.黒豆のゆで方

袋、かわいいでしょう?

築地の珍味屋さんで黒豆を購入したときの、です。

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写真は、

トップの写真の袋をあけたところです。

枡(ます)でのはかり売り。

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洗うためにボウルに入れます。

うつくしいでしょう?

皮が薄く、大粒で、品のよい艶があります。

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アップです。

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洗ったところです。

そーーっと、数回水を替えて洗います。

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ボウルに、約4倍の水を加え、

8~10時間おいて戻します.

わたしは、重曹などは使いません.

戻したら、戻した水ごと鍋に入れて、強火にかけます.

沸騰するや否や、フワ~~っと、

大量のアクがでてきます.

沸騰させたまま、手早くアクをすくい取ります.

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玉杓子の底の方でアクを寄せ集めてから、

丁寧にすくい取ります.

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アクがなくなったら、弱火にし、

落しぶたをして、ゆでていきます.

下の写真は、落としぶたをめくったときの、

黒豆の状態です.

ふたの下では、黒豆が踊っています.

グラグラ煮立てるのではありません。

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やわらかくなったら、そのまま冷まします.

.

やわらかさをみる昔ながらの目安は、

親指と小指の間に黒豆をはさみ、抵抗なく

つぶれたら良いのですが、8~10時間位

ゆでたら大丈夫です。

10時間といっても、合計で10時間ゆでれ

ばいいのです。じっと黒豆の番をしなくても

用事があれば外出して、戻ればまた火に

かけます。

.

さて、冷めたら、鍋を水道の下に置き、

細い流水を加えながら、濁りがなくなる

まで水を加えていき、しばらくさらします。

このとき、わたしは、水道の当たる部分に

ガーゼをのせています。

.

水の中に手を入れ、皮の破れたもの、

腹の割れたものなどを取り出します。

そのままにしておくと、蜜煮の場合腐敗

しますので、必ず取り出します。

写真はもう取り出したあとのもの。

あ、でもまだあります。3粒。

ほら、見えるでしょう?

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左のボウルは、腹切り、皮の破れたもの。

約1/5ですね。

最初に購入した黒豆は、約1/3でした。

これは、豆が不良品というわけではなく、

その土地の天候によるのです。

天候がよいと、実の入りがよくなり、

実の力が強くなり皮が破れるのです。

*取り出した分は、甘く煮てきんとんに、

サラダに、和え物につかいます。

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いい黒豆は、ゆでているとき、

澱粉質特有のコクのある甘い香りが

モワ~~ッと、台所いっぱいに充満します。

そのときの香りでおいしいか、

おいしくないかが,大体わかります。

.

黒豆、戻してみてください。

ゆでてみてください。

ゆでただけの黒豆、

でんぷん質が糖質に変わり、

自然の甘みがあり、おいしいですよ。

おいしいだけじゃありません。

良質の植物性たんぱく質を含むことから、

「畑の牛肉」とよばれてきましたが、

ビタミンE、サポニン、レシチン、トリプシン

コリン、イソフラボン・・・と、「身体によい」

といわれる栄養素がそろっています。

.

お正月料理は数日間、保存させなければ

ならないので砂糖を使います。

砂糖は保存料ですからね。

でも、甘いばっかりじゃつまらないですよね。

しょうゆも、ドレッシングも調味料を使わないで、

まずは黒豆のそのものの味を、

ゆでただけで、どうぞ、おためしください。

舌の記憶にとどめておいてください。

農産物の自給率を考えても、

「乾物の時代」、やってきます。

おいしく戻す方法、

自然においしく食べる方法、

身につけておいていただきたいな、と思います。

.

今年、教室用に求めた黒豆です。

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