北京の山口くん、お元気ですか?
みんな元気ですよ。
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毎年恒例、日本料理教室の夏の食事会。
古民家を改造した内装の某店へ。
若き主人。
いかにも日本料理という風貌、包丁さばき。
丸窓の向こうが玄関。
カウンターは、檜の1枚板。
おすすめの八海山の生ビール、
グビグビしながら、さぁ、いただきます。
<先付け>
鱧の落とし。
焼き霜にしてありましたが、
個人的には、さっぱりとした湯引きの方が好み。
右は、梅肉。
梅肉、鱧にかけていないのは、心づかい。
焼きごま豆腐。
<おしのぎ>
松輪の鯖で棒寿司
*松輪=神奈川県三浦
大間まぐろの握り
*大間=ご存知、青森県
両方共、大きさが気になるところです。
まだ可愛い松輪の鯖、
握りの酢めし
いずれも、ひとくちでいただける大きさでした。
斜めにあしらってあるのは、炙ったばち子。
<お椀>土瓶蒸し
出汁の味をたしかめてて、写真とり忘れました。
出汁のかつお節は、花かつお
<焼きもの>
鮎です。
お腹に卵がいっぱいの落ち鮎です。
(焼いたのを、炊いてもおいしいんですよ)。
まずは、焼き立てを。
<揚げ物>
鱧のフライ、茗荷のてんぷら、銀杏の素揚げ
<煮物>写真撮り忘れ。
<造り>
奥のさくら色は、鯉の洗い。
まったく、臭みがありませんでした。
臭みぬきに1週間かけるのだそう。
<強肴(しいざかな)>進め肴、預け鉢とも。
お客は、ここまでの料理でお腹が充たされています。
ここで、ゆっくりお酒を楽しんでいただくために、
進めるための料理。
料理内容は、
何でなければ、というのではなく、
あまり形式にこだわらず、
主人の心入れや好みを伝えていいと
わたしは解釈しています。
家庭では、「プランターで育てた野菜を使いました」
なんていうのが一番喜ばれます。
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さてこちらのお店の<強肴>は、タンシチュー。
「ぼく、好きなんですよ」と主人。
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<ご飯、止め椀、香の物>
焼き物の残りの鱧を使ったごはんと汁。
鱧ごはんと、
鱧の出汁をきかせた、九条ねぎの味噌汁。
丹波の京漬物
<菓子>
葛切り。
10人でいただきました。
ごちそうさま。
しばし歓談のひとときです。
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*鯉の洗いのおいしさが印象的でした。
鯉は、3000年以前から食用にされていて、
たんぱく質、脂質、カルシュウム、鉄分に富み、
全魚のうち薬効は、トップといわれています。
昔から妊産婦や授乳時の女性にとっては
ありがたい食材なのです。
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かつて通っていた料理教室で、
鯉を3回〆たことがあります
(皆、しり込みして嫌がり、でも誰かが〆ないと
教室が進まないので仕方なく)。
鯉の眉間をめがけて大出刃の背をふりおろし、
1打で気絶させます。
鯉には、なにか特別の存在感があるんですね。
うしろめたいというか、
後味の悪さったらありません。
「実はわたし、鯉を殺した女です」って感じ。
そしてその鯉の生臭さには閉口しました。
鯉をみると、そのときのシーンと味が甦り、
絶対に、一生、鯉は食べないときめました。
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今回、お造りの説明のとき
「この桜色のは、鯉です」と主人。
鯉はたしかに夏にいただく魚ですが、
まさか、今日のお造りに盛り込まれているとは。
「こ、こ、鯉ですか・・・(め、めまいが)・・・・・・」
「臭くないですよ、しっかり臭みぬいてますから」
と主人、きっぱり。
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食わず嫌いのりえさん「あ、全然、臭くない」。
りえさんに続いて
他の方たちも次々「おいしいです」。
「えっ?、ほんと?(むっくり起き上がるわたし)」
一生食べないと、自分に誓ったはずなのに、
即、箸をつけます。
もう少しいただいてもよい、
それくらいさっぱりしたお味でした。
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山口くん、北京には鯉の料理が多いでしょう?
どうぞ、お試しあれ。