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母の法事の前に京都に寄り道。
いつものように、
松田妙さんを誘って
いつものお店で昼食です。
お部屋に通されるや否や、
2人の目は、お軸に釘付け!
目が喜びます。
お軸も、ごちそう。
実りの時季ならではの、ですね。
お庭も、ごちそう。
先付けのごま豆腐。
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それにつけても、みごとな紅葉、
自ずと目が奪われます。
小鉢の文様、折敷も紅葉色。
京の紅葉を、料理で鑑賞します。
何枚撮っても、
本物の葉と同じ色に撮れません。
「ほんと、きれい」
2人して、しばし鑑賞。
主婦のかたわら、学生時代からの
茶道の先生のお稽古のお手伝いを
している妙さん。若いのに見る目が
あるので、楽しい食事の友です。
水菓子には銀杏の葉。
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仲居さんによると、
「新鮮ゆうたらおかしいねンけど
今朝、山で採りたての紅葉ですわ。
若い子が、毎日、朝早う山に行って・・・」
街中のでは、こういう色は出ないと強調。
「毎日?」
「毎日、暗いうちから」
老舗店の修行はちがいます。
そういう修行で培われるものは、たくさん
あるはずです。
食後は、
陶器店の並ぶ五条坂をぶらぶら。
錦市場で妙さんとお別れ。
わたしは、市場をぶらぶら。
外人観光客が多く、まっすぐ歩けません。
包丁店も、外人観光客でひしめき
合っています。
ハーレーのスタジャンの人たちは、
ロシア人。
魚をさばくのでしょう。
出刃とサシミ包丁を買いたいらしいの
ですが、店員さんが揃えた刺し身包丁
は手に取らず、サシミ、サシミと話し合い
ながら三徳包丁や薄刃を手に取り満足気。
う~~~ん、ちゃいますよ。
新幹線の乗車時間まで、あまり余裕が
ないので、うどん屋へ行くことに。
しかし、昔あったお店はなく、
おいしいお店を知りません。四条通りの、
錦寄りの1本裏道で出会った女性に、
「この辺に、おいしいおうどん屋さん
ありませんか?」
と尋ねたら
「祇園に行列してるお店、あります。
チェーン店やのうて、そこのおつゆ、
わたしは好きですけど、お口に合うか
どうか・・・」
「あ、そこ行きます。どこですか?」
「あ、じゃ、わたしも行きますわ。実家の
そばなんです。」
タクシーに乗り、うどん屋へ。
「あ、閉店?もう?」
「閉店。
もう、うどん1人分しかのうて。
そばも1人分だけ」
「ほしたら、それで」
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「会ってすぐ、こないして、おうどん
食べるやなんて、こんなん初めて。
楽しいわ」
うどんすすりながら、お互いのことを
おしゃべり。お歳は50代半ば。
ドラマチックな人生を過ごされた方。
なにより魅力的だったのは、
祇園育ちという、その方のゆっくり、
はんなりの京都弁の美しいこと。
東京弁は愛想なしだな。
とくに、その方の「おおきに~」は、
優しく甘く、クラクラきました。
今度会うたら、「おおきに~」の
レッスンしてもらおっと!
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