庄内、湯田川温泉での宿泊先、ホテル「湯どの庵」の朝食です。
さて、朝食後は、真室川うるしセンターに向かいます。
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真室川の漆器と庄内地方の郷土料理のコラボレーションを拝見するため。
漆器に料理を盛る、というものです。
漆器は、漆芸作家・田代淳さん(前夜、アルケッチャーノにご一緒しました)。
料理は、農家の主婦小野静さんと井上順子さんのお2人が担当。
今回は、米粉で作ったパンも登場予定とのこと。
そう、そう、昨夜、アルケッチャーノで話題となった料理、
鯵のだし和えの「だし」も。
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田代さんのお話では、
この「漆器と郷土料理」コラボのきっかけとなったのは、
4年前、地元で催された「ふるさと食品フェア」で、
民俗研究家・結城登美雄さんが提案なさったのだそう。
「うるしと料理、地元にあるものを組み合わせなさい。
この地にせっかくあるんだから。
組み合わせることで、どちらも活きるでしょう」、と。
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田代さんたちは、そのアドバイスを、ゆっくりとあたためてきたそうです。
そこで、初めてのコラボの試みとして、
料理は郷土料理の具だくさんの「えっペ汁」を選び、
漆器で「えっペ椀」を創作することに。
このとき、田代さんは、地元の芸術大学・山形芸術工科大学の学生に声をかけ、
うるしのワーク・ショップを重ねて技術指導をし、えっぺ椀のデザイン・コンテストを開催された由。
すばらしい!
若い学生にとって、単に漆器の技術を会得するだけではなく、真の地元学の学びになったのではないでしょうか。。
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さて、うるしセンターに到着。
まず、いただいたのは、前夜、アルケッチャーノでリクエストした、「だし」です。
というのは、アルケッチャーノの料理で、???だったのが、「鯵のだし和え」。
だしを使ってないのに、「だし」という料理名がついてるなんて不思議。
「鯵のだし和え」をいただきながら、みんなで、田代さんに質問攻め。
「どうして、だしっていうの?]
「だしって何のだしなの」、
「見てみたい」
「食べたーい」と。
田代さんは、
「では、明日、地元の方に作っていただきますね」、
ということで実現しました。
だしとは、
野菜を細かく刻み、水にさらしてアクをぬき、塩水に漬け、水気を切り、
隠し味程度のしょうゆ少々(しょうゆ色がつかない程度)で調味したものです。
昨夜のアルケッチャーノの料理「鯵のだし」にも、だしは登場。
ごはんにのせたり、魚介と和えたり、いろんな使い方をするようです。
この日はもちろん夏野菜でしたが、
春は山菜、秋はきのこ、季節によって、新鮮な素材で作る、いろんなだしがあるとのこと。
都会に暮す者にとって、それは、やっぱりぜいたくと言えるでしょう。
東北でいただく朝採りの山菜、まったく別物の味ですものね。
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次は、えっぺ椀。
このコラボのテーマです。
おいしそうでしょ。
画面に箸をつっ込んじゃいけませんよ。
こういうおかず汁は、器で全くちがう印象になります。
おかず汁も晴れ着を着れば、こんなに華やかになります。
日本料理は、
料理五分、器五分といい、視覚を大切にします。
機能面でみれば、口をつける部分、そり口も大切な部分。
いかがですか?飲みやすそうでしょう?
センスのよい、田代さんの作る真室川の漆器、これからよろしくお願いします。
えっぺ椀の意味?
えっぺ(いっぱい)具がはいってるからでしょう。たぶん。
奥の中央の女性が漆芸家の田代淳さん。右が小野静さん。
右手前が朝田さん。
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米粉のパンです。
大根の味噌漬けとチーズ入り。
これ、チーズの味は想像できますが、
「大根の味噌漬けとパンとのミックスっていかがなものか」
と、食べてみたら、
おいしいんです。
味噌と大根がよくなれてて、主張してないせいか、
味噌がもともとそういう味なのか、パンとよく合ってました。
「これでワイン飲みたいね」ささやく声あり。
おみやげにもいただいたこの米粉パン。
帰京し、翌朝こんがりトーストしていただいたら、香ばしいこと。
やっぱりお米ですね。
たまねぎのピクルスと、米の蜜
トマトのシロップ漬け。
大人気でした。
黒いお椀だから、涼感を感じますね。
赤が多い料理って、視覚的に落ち着かなくなるのですが、
黒い器に盛ると、お行儀よくまとめてくれるんですね。
黒豆のきな粉まぶし。
栗の渋皮煮。
ほんとうにきれいに、おいしくできてました。
これは、作ったことのある人にしかわからない、
繊細で手間と時間のかかるお菓子です。
渋皮煮の茶系と黒い漆器の組み合わせ、シックですよね?
おしゃれ。
お料理を作ってくださったお2人を囲んでお話をうかがっているところ。
赤いエプロンの方が井上順子さん、右の方が小野静さん。
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こ、これは?
南蛮味噌です。
写真に撮り損ねましたが、テーブルには、
さっき畑からもいできたという、きゅうりがありました。
もちろん、キリキリ冷えたのが。
野育ちの、おばさんキリギリスは、きゅうりに目がありません。
丸のまま、ガリゴリいただいてたら、
「南蛮味噌つけますか」とすすめてくださいました。
そして、
そして、
実は、いま、うちにあるのです。
グフッ。
おねだりしたわけではありません。
生野菜はもちろん、ゆで鶏、蒸し茄子・・・・・に、ちびっと、ポテッと。
小野さん、ありがとうございました。
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写真は全部公開しているわけではありません。
あらためて通しで見てみると、
保存食が多い。
お話の中にも台所で生まれる宝物がいっぱい。
朝田さんは「寒くなったら、またきます!」と宣言してましたが、
みんなも、そのつもり。
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帰京してから、
田代さんのメール。
「また来るかな、お2人が言ってます」
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ほんとうにごちそうさまでした。
では、寒くなりましたら再見!
帰京してから、朝田さんへのお礼のメールがビュンビュン飛び交いました。
そんな旅でした。