引頭佐知(いんどうさち)の料理ブログ

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いんどうさち日本料理教室(2009年12月12日)百合根のピーナッツ和え、春菊とえのき茸の納豆酢和え

2009年12月16日 | いんどうさち日本料理本科

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新聞紙にくるまれた大きな野菜。

「重いですねえ」

外から運んできたCさん、新聞紙をはがしてびっくり

「わーー、すっごい大きい~~!!」

巨大でおいしい、下山千歳白菜です。

今日は、和食のクリスマス料理。

蒸し煮して、大皿料理に使います。

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「大きい・・・・・・」

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さて、まずは、合鴨を漬け汁に浸けておきます。

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真昆布と

朝届いた1本釣り・枯本節の削りかつおで

1番だしを取ります。

昆布=こんぶ土居TEL06-6761-3914大阪中央区からほり通り

鰹節=タイコウTEL03-3533ー4834 東京中央区晴海

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さて、下山千歳白菜、蒸す準備。

「茎は、スティツクに切って生で食べましょう」

「これ、みずみずしくておいしい~♪」

やわらかくてさわやかな茎に、びっくりしながら、

つまみ食いしながら、作業をすすめます。

シャクシャク、シャクシャク・・・・。

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白菜の蒸し煮をつくります。

10枚分の葉を使います。ゆでて、だしに醤油

などを加えた煮汁で蒸します。

蒸さなくても簡単につくれます。しんなりするまでゆでて、鍋に

だしを入れて煮立て、薄口しょうゆで調味し、白菜を戻して

ひと煮立ちするまで煮ます。そのまま冷まして、いただきます。

ただ、こうして結んで蒸すと、

白菜も痩せませんし、だしもしっかり含み、

箸でつまみやすいのです。

パーティなどには、この方が切りやすく、美しいし、便利。

おいしく蒸せました。このまま冷まします。

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柚子をあしらい、できあがりです。

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こんにゃくは、かか煮。

鹿の子に包丁し、下ごしらえをして、両面を焼きます。

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8等分して煮汁で煮上げました。

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おかか(粉ぶし)をまぶします。

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合鴨、漬け汁がしみこみましたね。

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おお、合鴨、焼きあがり。

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1cm幅に切ってくださいね。

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芽キャベツも、色よくゆで上がってます!

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巣ごもり風に盛ります。

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これ、百合根です。ずいぶん傷んでます(怒)。

袋を開けて買えないので、こんなことがあります。

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傷んだ部分は、そぎ取ってからつかってくださいね。

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ピーナッツペーストを調味して和えます。

百合根と、ピーナッツとっても合うんですよ。

宮野ピーナッツTEL0476-35-2111

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春菊とえのき茸の納豆酢和え。

地味ですけど、こういう鉢物もあるとホッとします。

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なんか量が・・・・さびしいですね(悲)。

器、替えればよかった(涙)。

広い運動場で卓球してるみたいな盛り付け。

配膳の前に、柚子の酢を絞って加えます。

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一番だしをきかせた、炒り豆腐めし。

さぁ、炊きます。

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炊けました。

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吸物の材料です。

長ねぎ3本、生麩、鰆・・・生姜の絞りつゆ。

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これ、前日に思いついたお椀です。

まだ、名前が浮かびません。

いまのところ「ねぎ椀」。

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さ、お椀を盛ったら、座って、座って!!!

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いただきまーーーす!!

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今日のデザートは、Yさんお手製の栗の渋皮煮。

「Yさん、すご~~い!」みなさん、大喜び。

日頃、海外を飛びまわって忙しいのに・・素晴ら

しいですね。!

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今月のおまけ。

紅かぶの茎できんぴらをつくりました。

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小口切りし、まずはゆでて、きんぴらに。

食事の途中に撮りました。

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「しかし、おいしかった」と、

またまた山盛りの下山千歳白菜が登場。

生でシャクシャク、シャクシャク。

<下山千歳白菜の購入先>

●千歳烏山の下山繁雄さん宅

TEL=03-3307-3054

●練馬区の自然食品店「自然村」さん。

tel=03-5927-2788

http://blog.sizenmura.jp

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日本一巨大白菜の収穫期・・・下山千歳白菜

2009年12月15日 | いまが旬!

.

植物研究家のAさんから

「下山千歳白菜、収穫が始まりました。

下山さんの畑にお邪魔しませんか」と

お誘いを受けました。

「ぜひ、ぜひ!!」

長靴はいて、勇んで出掛けました。

下山さんのお宅と畑は、

世田谷区北烏山9丁目

京王線・千歳烏山から徒歩7分、

甲州街道を渡ってから100m位のところ。

.

下山千歳白菜は、

篤農家・下山義雄さんによる品種改良で生れた

ウイルス病に強い大型結球白菜です。

元気で形のよい白菜の自家採種を繰り返すこと

により育成された白菜です。

昭和20年代、連作障害で栽培危機に陥ったときも、

下山千歳白菜は、たった1%の被害を受けただけ

だったそうです。

写真は、耐病性の高い新種としての価値が認証

され、昭和28年、登録された名称登録証です。

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.

しかし昭和30年後半から核家族化がすすみ、

重さ7~8kgの巨大な白菜は、家庭消費に向か

ないため、売れなくなり、やむなく昭和40年代に

栽培しなくなりました。

しかし、地元の「烏山みずとみどりの会

のみなさんのお声と尽力により、

「あのおいしかった下山千歳白菜をもう一度」

と、平成10年に復活したのだそうです。

現在は、元サラリーマン、ご長男の下山繁雄さん

が、お1人で栽培なさっています。

「父への供養です。続けることで喜んでくれる

ような気がしまして・・・」

.

下は、平成12年発行、下山繁雄さん著・編纂本。

いわゆる回顧本ではなく、資料もふんだん。

拝読してから思ったのですが、農業だけではなく、

物作りの姿勢にも通じるような気がしました。

いまの若い人にお勧めしたくなる、内容です。

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昭和30年の栽培記録のスライドが掲載されて

います。

全32枚のスライドから抜粋して写してみました。

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下は、昭和31年、下山千歳白菜普及のため

作成された、配布用のパンフレットです。

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さて、畑へ行きましょう。

広大なお屋敷の門を入り、歩を進めると、

正面の記念碑に迎えられます。

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さらに行くと、大正時代の面影を遺した民家。

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まっすぐ歩くと厩(うまや)があり畑が広がります。

畑には、比較のために、

2種の白菜が栽培されています。

1種は下山千歳白菜。

もう1種は普及型の結球型黄芯白菜。

黄芯白菜は、みなさんご存知の白菜。

芯に近い部分が黄色の白菜です。

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約1000株。

目の前にしたとき、

丈があり、株も外葉も大きいので、ちょっと圧倒

されてしまいました。

巨大なことはわかってるのに、

「おっきいですねぇ・・・」とひとり言。

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1株抜いていただきました。

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軽々と持ち上げられた下山さん。、

4kg。

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外葉の茎の元気なこと。

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寝かせると・・・。

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すみません、根は、どんな感じですか?

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持ち上げてみました。

え?こんなに平べったくて薄いんですかぁ?

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大きさの比較です。

右は、普及型の黄芯白菜

左は、下山千歳白菜

大きさ、なんだか親子ですね。

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畑から上がり、母屋でお話しをうかがったとき、

「畑仕事というのは、1日も休みがないんです。

種をまいたら、毎日、面倒をみなきゃならない」

「たいへんですね」

「ええ、でも、完璧ではありません。

もしも、いま父が生きていて畑を見たら、

『なにやってるんだ』と叱るでしょう」

.

販売は、畑の先の自販機。

TEL=03-3307-3054

.

自然食品店「自然村」さんでも買えます。

http://blog.sizenmura.jp

tel 03-5927-2788-7880

東京都練馬区関町北2-33-12

.自然村さんは、添加物入りの商品を排除された

「自分たちがいいと思ったものしか売らない」という

お店です。下山千歳白菜は減農薬です。農薬を

つかっています。では、なぜ、扱うことに?

どうぞ、ブログをお読みください。

.

畑を見学に行きたいと思ったくらいですから、

甘くて、やわらかくて、ほんとにおいしい白菜

なんです。鍋につかったら、とろ~り、

即席漬けにしたら、甘い。

教室でも大好評でした。

.

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いんどうさち日本料理きほん学級(2009年12月6日)ほうれんそうのみぞれ和え、鰆の照り焼き、菊花か

2009年12月11日 | 和食はじめの一歩教室

.

今、昆布屋さんと鰹節屋さんは繁忙期。

飛ぶように売れてるそうです。

お節(せち)料理、・・・・・・・お雑煮、煮物、

天然だしで作りたくなるんですね。

なにはともあれ、2010年の元旦の朝は、

一番だしでこしらえたお雑煮で迎えたいですね。

.

さて、教室です。

いつものように、一番だしを取ります。

2リットル。

昆布は、南茅部・川汲産の真昆布、

削り鰹は、枕崎産の一本釣り・枯本節です。

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次は、焼き物のあしらいを作りましょう。

今日のあしらいは、菊花かぶ。

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この菊花かぶ、つくるのが楽しく20代の頃から

この季節、たくさんつくって保存瓶に入れ、クリス

マスプレゼントやお歳暮がわりにしていました。

そういえば、ここ3年位さぼってますね。

今日の生徒さん、どうぞ、真似してください。

市販のもの贈るより、ずっと喜ばれますよ。

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筑前煮10人分の材料です。

鶏は、もも肉です。

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材料、それぞれに合った下ごしらえします。

この下ごしらえは、材料によってちがいます。

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こんにゃくの下ごしらえは、水分をぬくためのものです。

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下の写真は、水分をぬくために、からいりしているところです。

ギュッギュッ、ギュッギュッ・・・・ものすごい音。

うちの猫、この音がすると、ダダダダダッと、

駆け足で2階に逃げていました。

*余談ですが、猫の男の子の名前は「虎松」、女の子は「小袖」でした

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  筑前煮の材料がそろいました。

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ときどき、上下を返して煮ていきます。

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煮汁も少なくなりました。

もういいかな?

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さて、盛り付けです。

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お餅はこんがり焼いて、まず盛り込みます。

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それから、下ごしらえして温めておいた春菊、

かまぼこ、人参、生椎茸を盛り、汁を張り、柚子を

あしらいます。生椎茸には、飾り包丁をしています。

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「お正月が来たみたい~~♪」

「ほんとね」

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こんな感じです。

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いただきまーす。

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紀子さん「ふーーん、ふーーん」と眺めてます。

Img_1848

いんどうさち和食・初めの1歩教室

生徒さん募集中です。

曜日=第2火曜日

時間=3~7時。

講習料=6000円

お申し込みは、メールでおねがいいたします。

後ほど、FAXor郵送にて地図をお送りします。

indou@yacht.ocn.ne.jp

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いんどうさち日本料理きほん学級(2009年12月5日)紅白なます、筑前煮、鰆の照り焼き、江戸風雑煮、

2009年12月08日 | 和食はじめの一歩教室

12月5日(土)、茨城・久松農園から届いた野菜10種です。

今日はおせち料理。この中から数種つかってつくります。

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まずは、紅白なますから。

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紅白なますの、<紅>は人参、<白>は大根です。

塩をなじませて、甘酢に漬けます。

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筑前煮の鶏です。さっと霜ふりました。

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こんにゃくは指で千切ります。

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筍、こんにゃく、ごぼう、人参、れんこん、絹さや

干し椎茸、それぞれ、下ごしらえができました。

絹さやは、塩熱湯でゆでるだけですが、

他の材料は、それぞれ下ごしらえをします。

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Aさんが、筑前煮の担当に。

木べらでグイっとかき混ぜます。

煮物にステンレスのへらは使わないようにね。

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いい感じで煮えています。

このまま冷ましましょう、冷めたら盛り付けます。

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はい、できあがり。

絹さやを加えました。

絹さや、盛り付けのときに加えてもいいんですよ

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えーーーっと、ごぼうは、どこに盛ろうかな・・・・・。

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はい、盛りつけました。

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鰆(さわら)の照り焼き。

2枚の18cmのフライパンで焼いています。

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これくらい焼き色がつくまで焼いたら、、

フライパン洗って、はい戻して・・・・・。

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お雑煮の材料です。

椎茸、小松菜、人参、かまぼこ、柚子

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温めて、お椀に盛ります。

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焼いたお餅と、あたためたあしらいの野菜をお椀

に盛り、吸地(お椀のすまし汁) を張っていきます

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「いやーー、お正月!がきたー」

こらこら、まだ、12月5日ですよ。

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お雑煮の盛り付けは亜沙ちゃん。

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また、みんなで叫びます。

「お正月だーーーー」「お正月がきたーー!」

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まだ明けませんが、おめでとうございますっ!

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いただきます。

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「お雑煮、おいひーーですぅ」

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あ、そうそう、なますに使った大根の皮と葉

きんぴらにしました。

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大根の一番栄養のある部分は、葉。

根よりも多くのビタミンCを含み、ビタミンAも豊富。

ビタミンB1、B2カルシウム、ナトリウム、リン、鉄

・・・栄養たっぷり。

だめですよ捨てては。

皮は、根の中の2倍のビタミンCを含んでいます。

教室では、野菜が余るときんぴらを作りますが、

大根の葉と皮のきんぴら、香りがよくて、おいしく

て人気の<もったいない料理>です。

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里芋がおいしそう、河上肇の詩集から。

2009年12月07日 | ときどき日記

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里芋を煮るとき、

時折思い出す詩があります。

.

約10年前、70代半ば過ぎた叔父(母の兄)からの

初めての便りに、詩が3篇同封されていました。

「わたしの好きな詩です」と。

河上肇(1879~1946)の詩でした。

経済学者。

教授の席を辞し(追われ?)、

左翼の地下活動に身を投じ、5年の投獄。

詩の創作は、投獄2年目、60歳からだとか。

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1944年、終戦の前年、なにもかもが配給

の時代の元旦の作。

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味噌          河上肇

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関常(かんつね)の店へ 臨時配給の

正月の味噌もらいに行きければ

店のかみさん

帳面の名とわが顔とを見くらべて

そばのあるじになにかささやきつ

「奥さんはまだおるすどすかや

お困りどすやろ」

などとお世辞言いながら

あとにつらなる客たちに遠慮してか

まけときやすとも言わで

ただわれに定量の倍額をくれけり

人並みはづれて味噌たしなむわれ

こころに喜び勇みつつ

小桶さげて店を出て

廻り道して花屋に立ち寄り

白菊一本

三十銭といふを買い求め

せなをこごめて早足に

曇りがちなる寒空の

吉田大路を刻みつつ

かたはれどきのせまる頃

ひとりゐのすみかをさして帰りけり

帰りてみれば机べの

火鉢にかけし里芋の

はや軟らかく煮えてあり

ふるさとのわがやのせどの芋ぞとて

送り越したる赤芋の

大きなるがはや煮えてあり

持ち帰りたる白味噌に

僅かばかりの砂糖まぜ

芋にかけて煮て食うぶ

どろどろにとけし熱き芋

ほかほかと湯気をたて

美味これに加ふるなく

うましうましとひとりごち

けふの夕餉を終えにつつ

この清貧の身を顧みて

わが残生のかくばかり

めぐみ豊けきを喜べり

ひとりみづから喜べり

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