引頭佐知(いんどうさち)の料理ブログ

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2016年の黒豆

2017年01月02日 | 乾物!乾物!乾物!

丹波の黒豆です。

前菜によし、デザートによしの黒豆、

生徒さんへのお年玉です。

教室で少しずつ召し上がっていただきます。

 

今年はル・クルーゼのお鍋で炊きました。

 

完成です。

冷めたら瓶詰めにして冷蔵庫に置きます。

あけましておめでとうございます。

今年もマメに投稿しますので

よろしくお願いいたします。

2017年 元旦

引頭佐知

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黒豆のゆで方

2012年12月31日 | 乾物!乾物!乾物!

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これは、わたしの黒豆です。

本式には「ぶどう豆の蜜煮」というつくり方です。

以下は、つくり方ではなく、ゆで方です。

.

.黒豆のゆで方

袋、かわいいでしょう?

築地の珍味屋さんで黒豆を購入したときの、です。

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写真は、

トップの写真の袋をあけたところです。

枡(ます)でのはかり売り。

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洗うためにボウルに入れます。

うつくしいでしょう?

皮が薄く、大粒で、品のよい艶があります。

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アップです。

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洗ったところです。

そーーっと、数回水を替えて洗います。

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ボウルに、約4倍の水を加え、

8~10時間おいて戻します.

わたしは、重曹などは使いません.

戻したら、戻した水ごと鍋に入れて、強火にかけます.

沸騰するや否や、フワ~~っと、

大量のアクがでてきます.

沸騰させたまま、手早くアクをすくい取ります.

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玉杓子の底の方でアクを寄せ集めてから、

丁寧にすくい取ります.

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アクがなくなったら、弱火にし、

落しぶたをして、ゆでていきます.

下の写真は、落としぶたをめくったときの、

黒豆の状態です.

ふたの下では、黒豆が踊っています.

グラグラ煮立てるのではありません。

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やわらかくなったら、そのまま冷まします.

.

やわらかさをみる昔ながらの目安は、

親指と小指の間に黒豆をはさみ、抵抗なく

つぶれたら良いのですが、8~10時間位

ゆでたら大丈夫です。

10時間といっても、合計で10時間ゆでれ

ばいいのです。じっと黒豆の番をしなくても

用事があれば外出して、戻ればまた火に

かけます。

.

さて、冷めたら、鍋を水道の下に置き、

細い流水を加えながら、濁りがなくなる

まで水を加えていき、しばらくさらします。

このとき、わたしは、水道の当たる部分に

ガーゼをのせています。

.

水の中に手を入れ、皮の破れたもの、

腹の割れたものなどを取り出します。

そのままにしておくと、蜜煮の場合腐敗

しますので、必ず取り出します。

写真はもう取り出したあとのもの。

あ、でもまだあります。3粒。

ほら、見えるでしょう?

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左のボウルは、腹切り、皮の破れたもの。

約1/5ですね。

最初に購入した黒豆は、約1/3でした。

これは、豆が不良品というわけではなく、

その土地の天候によるのです。

天候がよいと、実の入りがよくなり、

実の力が強くなり皮が破れるのです。

*取り出した分は、甘く煮てきんとんに、

サラダに、和え物につかいます。

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いい黒豆は、ゆでているとき、

澱粉質特有のコクのある甘い香りが

モワ~~ッと、台所いっぱいに充満します。

そのときの香りでおいしいか、

おいしくないかが,大体わかります。

.

黒豆、戻してみてください。

ゆでてみてください。

ゆでただけの黒豆、

でんぷん質が糖質に変わり、

自然の甘みがあり、おいしいですよ。

おいしいだけじゃありません。

良質の植物性たんぱく質を含むことから、

「畑の牛肉」とよばれてきましたが、

ビタミンE、サポニン、レシチン、トリプシン

コリン、イソフラボン・・・と、「身体によい」

といわれる栄養素がそろっています。

.

お正月料理は数日間、保存させなければ

ならないので砂糖を使います。

砂糖は保存料ですからね。

でも、甘いばっかりじゃつまらないですよね。

しょうゆも、ドレッシングも調味料を使わないで、

まずは黒豆のそのものの味を、

ゆでただけで、どうぞ、おためしください。

舌の記憶にとどめておいてください。

農産物の自給率を考えても、

「乾物の時代」、やってきます。

おいしく戻す方法、

自然においしく食べる方法、

身につけておいていただきたいな、と思います。

.

今年、教室用に求めた黒豆です。

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「乾物のレシピ」スナップ写真から。

2012年06月13日 | 乾物!乾物!乾物!

.

「乾物のレシピ」発刊から約1ヶ月余。

「打ち上げをしましょう」と、スタッフが集まりました。

大好きな深紅をあしらった花束。

版元・池田書店さんから頂戴しました。

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乾物のレシピ。

ご利用いただいていますか?

下記は、わたしのところに届いた感想の多い順です。

「おいしい。もう、何品もつくったのよ」

「写真がきれい。1日1品、ベッドサイドでみてる」

「乾物をもどすのが面白くなった」

「簡単な料理ばかりなので、乾物が身近に」などなど。

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「嫁も娘も、揃えやすい材料からつくりはじめてるわよ」

と友人。

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下の写真は、撮影期間に、

ちょっと手の空いたときに撮ったスナップです。

.

戻した乾物のほんの1部です。

乾物によって戻し時間が異なるので、

朝8時の撮影時間に合わせて、深夜から

戻し始め、徹夜で次々戻していきました。

.

上から昆布、いりこ

わかめ、木耳(きくらげ)、大豆

凍み豆腐、干し椎茸、ひじき、干し貝柱

ぜんまい、、かんぴょう、ずいき

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かんぴょうです。

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ぜんまい。

水に入れた直後です。

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下は、戻ったところ。

正しい色は、拙著でごらんください。

クルリと巻いた部分、芽なんですよ。

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干し椎茸

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鳴門わかめ。

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芋がら(ずいき)

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干し貝柱

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きくらげ(木耳)

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水だしした真昆布。

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いりこだしのとり方の撮影中。

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伊吹いりこです。

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午前中は、このへんで終了。

.

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さぁーー、昼食です。

女子は、撮影した料理を、台所であたため直したり、

盛り直したり、お茶の用意です。

次々運びます。

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さて、男子はなにをしてるのでしょう?

和室をのぞいてみます。

和室は、撮影用のものでごちゃごちゃ。

乾物の入っているダンボールの山、山、山

器、カメラ機材が散在。この部屋を歩くには、

運動神経が必要。

.

さて、男子2人は、

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自発的に・・・・・・・・

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「ごはん、かわるよ」。

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「おみそ汁できました~~!」と、ポンちゃん。

「あ、、、どうも」、「いやはや・・・デヘへへ」。

ポンちゃんは女子大生。

お姉さんたちが運んだ場合「デへへへ」は、皆無。

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いただきまーす!

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さて、午後の部。

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終了!

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撤収!

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片付けたら、またみんなで夕飯です。

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1日の撮影数が多いので、

毎回おかずはよりどりみどり。

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6角形の器の料理は、だしをとったあとの鶏手羽先。

ごまだれでいただきます。

なんのためのだしかといいますと、

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89ページ、白きくらげのスープのため。

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77ページ、寒天サラダ。

人気の一品です。

オリーブ・オイルは、愛用のオルチョ。

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70ページ、わかめむすび。

撮影用は3個でした。5つに増えてます。

こどもの頃から食べ続けているわたしの昼食です。

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.

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レシピ、全57品

一番だし、いりこだしのとり方も掲載しています。

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伊吹いりこの仲間たち

2011年12月02日 | 乾物!乾物!乾物!

.

伊吹いりこ(煮干し)の箱の中に入っていた

だしの仲間です。

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いかを中心にして左はさば、右は鯵

下は不明。

かわいいでしょう?

.

さて、

上のは?

こわいですよ!

.

心臓の弱い人は見ないでください!!!

全員、シーハー、つまようじ、くわえてますね。

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よく見ると、みんな、ちりめんじゃこをくわえています。

食事中に捕獲され、くわえたまま煮干しになったんですね。

1袋60g。

そのなかに、なんと8尾もいました。

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魚の名前ですか?

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エソ。

エソといえば、かまぼこの材料。

かまぼこの産地の人なら誰もが知っている魚ですが、

魚屋の店頭には並びませんから、成魚をみたことはなし。

こういう形だったのか、と妙に自分で反応しています。

だしの味は白身の魚ですから淡白です。

.

ほかには、太刀魚もありましたが、食べました。

.

コメント (2)
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石川郡平田村の切干名人。

2010年01月19日 | 乾物!乾物!乾物!

.

これからの時代、なにが必要といって、なにより

身につけておきたいのは、食べ物の保存法です。

わざわざ書くまでもありませんが、大きく分けると、

乾燥させて、乾物。塩漬けして漬物ですね。。

なかでも、切干大根は、乾燥野菜の代表的なもの。

寒中の太陽と風があれば、作れます。

わたしは、何度も作っています。

ただ、作れば作るほど、もっといいものをと望むの

が人情。疑問点も出てくるわけです。

そこを知りたくて、おいしい切干の生産者の方を訪

ねたいと思っていました。

.

今回、お訪ねした関根さんの切干大根です。

昨年のクリスマスのころにお送りいただきました。

「昨日の、作りたてです」と。

写真は、少し白っぽく写っていますが、美しい

生成り色です。

なんとも言えないすっきりとした甘い香り、

材料の大根は、青首大根です。

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即、油揚と煮ました。

小丼鉢いっぱい作ったのですが、

おいしくて写真撮るの忘れてました。

これ、残りものです。

しかし、すごいと思いませんか。

たった数日乾燥するだけで、生のときとは全く違う

香りや旨味、歯ざわりが生れます。

栄養的には、カルシューム、ビタミンB群、ミネラル

などの栄養価が高まり、食物繊維も豊富に含む

食材になるんですから。

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さて、13日は郡山で前泊。

出発時は粉雪が舞っていました。

しかし、水郡線(水戸=郡山間の電車)に乗り、

48分後、磐木石川駅に到着したときには、

雲ひとつない晴天に。

すごい!!ネットの天気予報。

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駅では、関根さんのお出迎えを受け(汗)、

助手席に乗車。

「まず、平田村の道の駅に行きましょう。

いつも切干、置いてるところです」。

もともと大根の栽培の好適地は、冷涼な土地。

平田村の農家では大根の栽培量が多く、関根さ

んのお宅も、代々、余った大根は自家用に切干し

大根や凍み大根、漬物に加工して貯蔵、保存し

てきたそうです。

しかし、昨年7月、<道の駅ひらた>開設により、

売れる場を得、観光や、里帰りなどで、一般の方

の目にも触れるようになり、次第に需要が増え、

平田村の農家全体の活性化につながり始めま

した。

「年末の里帰りのシーズンは、切干の棚、空っぽ

になっちゃって」と関根さん。

味を知ってる方は、懐かしいでしょうねえ。

.

阿武隈高原「蓬田岳」の寒風の吹きおろしで

干される切干大根。

「吹きおろし」って風も体験しなくちゃ、です。

小さな胸に期待感いっぱいです。

.

<道の駅、ひらた>には約40分で到着。

早速、棚に行くと、

あら、関根さんの切干、ありません。

レジの方「関根さんのはね、置いたらすーぐ

なくなるの。

おいしいの、わかってるから。すぐ売れる。

いつも品切れ状態」

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切干大根を置きにきた三本松典子さん。

約30品目の野菜を栽培している方です。

「今日はレタスも運んできました」

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「今回の切干は、関根さんに作り方、教えてもら

ってつくってみたんです」

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<道の駅ひらた>併設の食堂です。

右の方が、関根克彦さん。

左の方は、平田村産業課・三本松利政さん。

上の写真の典子さんのご主人。

関根さんをご紹介くださった恩人です。

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<道の駅ひらた>駅長の高野哲也さん

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おそばを、ごちそうしていただきました。

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たぬきそば。

おそばもつゆも、とっても洗練されたおいしさ。

「関根さん!おそばもつゆも、おいしいですね!」

「(笑)そうですか。うちのそば粉も入ってます。

ここのそば、材料は、100パーセント平田村で

収穫したそば粉です。

そばを栽培してる農家は、そば粉をこの食堂に

持ち込んでます。それを、あの厨房の彼が、旨

く作ってくれてるんです。

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さて、いよいよ関根さんのお宅に向かいます。

さらに約20分、車で走ります。途中関根さんの

アスパラのビニール・ハウスなどの畑を眺めな

がら走ります。

「アスパラ、こんな風にして栽培するんですかぁ。

きれいな畑・・・・草1本もないですね」。

「除草剤まいたら土がやられちゃうからね、

手間だけどね、手でぬいて」

「ハウスの後ろの丸い穴、見えるかな。

アスパラのために井戸掘ったんですよ」

.

お宅に到着後、

居間のこたつでお話しを伺います。

奥さんの操さんが、次々、自家製のお漬物を

よそって歓迎してくださいます。

その一品一品のおいしいこと。

塩気をおさえ、上手に酢を使ったりした、

大根なら大根の素材の味が味わえるお漬物。

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一品、一品、味が全部ちがうので、飽きません。

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さて、切干大根。

わたしの勝手な申し出に、わざわざ作る過程を

見せてくださいました。

材料は、青首大根です。

泥を落として、

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皮をむきます。

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この大根は、約25cm長さ。

よく見る青首大根よりも少し短かく、上下を切り

落とし、半分に切ると、約10cm×2本になります。

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大根突きという「突き器」でせん切りします。

大根の繊維にそって、

長さ約10cm×3mm~5mmに突きます。

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少し斜めに持って、まっすぐ突きます。

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「手を切らないよう、手袋をする方がいいですよ」

とのこと。

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お手製の干し網です。

なるほど・・・・。

切干大根、作ったことのある方はおわかりで

しょうが、ザルでは風がぬけないんですよ。

干し網、作ろうかな。

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なるべく重ならないように、広げていきます。

写真では感じませんが、冷たい風が吹き上げて

きています。

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さ、また一服しましょう。

「あ、干し柿、食べますか?」

「え、あ、大好きです!」

頭の後ろででは、「遠慮しなさい」と指令がきている。

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が、

その場で、がぶっ。

「んぁ・・・・・おいひーれすねぇ・・・・」

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じゃ、少し持って行きますか。

「あ、結構です、結構です、そんな、そんな・・・・・、

うれしいです!」

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このあと、福島民報の記者さんが来宅。

お漬物をいただきながら、

関根さん夫妻と3人で、インタビューを受けました。

1月16日(土) 付けの掲載誌です。

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このとき午後3時。

撮影のため、再び外に出たときの寒さ、冷凍庫に

入ったようでした。

関根さんのお話

「さっきより寒いよ。太陽も風も必要だけど、

この気温差もおいしい切干の大切な条件」

厳寒期の12月~2月末、週間天気予報で4~5

日位晴れの日が続く時を選び、大根を抜いて作

るとのことでした。

.

下は、凍み大根。

福島の特産品です。

こちらは、じっくりと時間をかけて戸外で凍みらせ

て作ります。煮汁がじゅわっとしみて、おいしいの

です。

凍み大根といえば、2年前、全国農業新聞

に掲載されていた記事を思い出します。秋田県横

手市の老人ホームでこの凍み大根の煮物の料理

を献立に組みこんだところ、入居者のみなさんから

とっても喜ばれたという内容でした。

伝統食品は、作り方も料理法も、土地の宝。

若い人に引き継がれていくといいですね。

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このあと、少ししてまた続けます。

.

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