丹波の黒豆です。
前菜によし、デザートによしの黒豆、
生徒さんへのお年玉です。
教室で少しずつ召し上がっていただきます。
今年はル・クルーゼのお鍋で炊きました。
完成です。
冷めたら瓶詰めにして冷蔵庫に置きます。
あけましておめでとうございます。
今年もマメに投稿しますので
よろしくお願いいたします。
2017年 元旦
引頭佐知
丹波の黒豆です。
前菜によし、デザートによしの黒豆、
生徒さんへのお年玉です。
教室で少しずつ召し上がっていただきます。
今年はル・クルーゼのお鍋で炊きました。
完成です。
冷めたら瓶詰めにして冷蔵庫に置きます。
あけましておめでとうございます。
今年もマメに投稿しますので
よろしくお願いいたします。
2017年 元旦
引頭佐知
これは、わたしの黒豆です。
本式には「ぶどう豆の蜜煮」というつくり方です。
以下は、つくり方ではなく、ゆで方です。
.
.<黒豆のゆで方>
袋、かわいいでしょう?
築地の珍味屋さんで黒豆を購入したときの、です。
写真は、
トップの写真の袋をあけたところです。
枡(ます)でのはかり売り。
洗うためにボウルに入れます。
うつくしいでしょう?
皮が薄く、大粒で、品のよい艶があります。
アップです。
洗ったところです。
そーーっと、数回水を替えて洗います。
ボウルに、約4倍の水を加え、
8~10時間おいて戻します.
わたしは、重曹などは使いません.
戻したら、戻した水ごと鍋に入れて、強火にかけます.
沸騰するや否や、フワ~~っと、
大量のアクがでてきます.
沸騰させたまま、手早くアクをすくい取ります.
玉杓子の底の方でアクを寄せ集めてから、
丁寧にすくい取ります.
アクがなくなったら、弱火にし、
落しぶたをして、ゆでていきます.
下の写真は、落としぶたをめくったときの、
黒豆の状態です.
ふたの下では、黒豆が踊っています.
グラグラ煮立てるのではありません。
やわらかくなったら、そのまま冷まします.
.
やわらかさをみる昔ながらの目安は、
親指と小指の間に黒豆をはさみ、抵抗なく
つぶれたら良いのですが、8~10時間位
ゆでたら大丈夫です。
10時間といっても、合計で10時間ゆでれ
ばいいのです。じっと黒豆の番をしなくても
用事があれば外出して、戻ればまた火に
かけます。
.
さて、冷めたら、鍋を水道の下に置き、
細い流水を加えながら、濁りがなくなる
まで水を加えていき、しばらくさらします。
このとき、わたしは、水道の当たる部分に
ガーゼをのせています。
.
水の中に手を入れ、皮の破れたもの、
腹の割れたものなどを取り出します。
そのままにしておくと、蜜煮の場合腐敗
しますので、必ず取り出します。
写真はもう取り出したあとのもの。
あ、でもまだあります。3粒。
ほら、見えるでしょう?
左のボウルは、腹切り、皮の破れたもの。
約1/5ですね。
最初に購入した黒豆は、約1/3でした。
これは、豆が不良品というわけではなく、
その土地の天候によるのです。
天候がよいと、実の入りがよくなり、
実の力が強くなり皮が破れるのです。
*取り出した分は、甘く煮てきんとんに、
サラダに、和え物につかいます。
いい黒豆は、ゆでているとき、
澱粉質特有のコクのある甘い香りが
モワ~~ッと、台所いっぱいに充満します。
そのときの香りでおいしいか、
おいしくないかが,大体わかります。
.
黒豆、戻してみてください。
ゆでてみてください。
ゆでただけの黒豆、
でんぷん質が糖質に変わり、
自然の甘みがあり、おいしいですよ。
おいしいだけじゃありません。
良質の植物性たんぱく質を含むことから、
「畑の牛肉」とよばれてきましたが、
ビタミンE、サポニン、レシチン、トリプシン
コリン、イソフラボン・・・と、「身体によい」
といわれる栄養素がそろっています。
.
お正月料理は数日間、保存させなければ
ならないので砂糖を使います。
砂糖は保存料ですからね。
でも、甘いばっかりじゃつまらないですよね。
しょうゆも、ドレッシングも調味料を使わないで、
まずは黒豆のそのものの味を、
ゆでただけで、どうぞ、おためしください。
舌の記憶にとどめておいてください。
農産物の自給率を考えても、
「乾物の時代」、やってきます。
おいしく戻す方法、
自然においしく食べる方法、
身につけておいていただきたいな、と思います。
.
今年、教室用に求めた黒豆です。
.
「乾物のレシピ」発刊から約1ヶ月余。
「打ち上げをしましょう」と、スタッフが集まりました。
大好きな深紅をあしらった花束。
版元・池田書店さんから頂戴しました。
乾物のレシピ。
ご利用いただいていますか?
下記は、わたしのところに届いた感想の多い順です。
「おいしい。もう、何品もつくったのよ」
「写真がきれい。1日1品、ベッドサイドでみてる」
「乾物をもどすのが面白くなった」
「簡単な料理ばかりなので、乾物が身近に」などなど。
.
「嫁も娘も、揃えやすい材料からつくりはじめてるわよ」
と友人。
下の写真は、撮影期間に、
ちょっと手の空いたときに撮ったスナップです。
.
戻した乾物のほんの1部です。
乾物によって戻し時間が異なるので、
朝8時の撮影時間に合わせて、深夜から
戻し始め、徹夜で次々戻していきました。
.
上から昆布、いりこ
わかめ、木耳(きくらげ)、大豆
凍み豆腐、干し椎茸、ひじき、干し貝柱
ぜんまい、、かんぴょう、ずいき
かんぴょうです。
ぜんまい。
水に入れた直後です。
下は、戻ったところ。
正しい色は、拙著でごらんください。
クルリと巻いた部分、芽なんですよ。
干し椎茸
鳴門わかめ。
芋がら(ずいき)
干し貝柱
きくらげ(木耳)
水だしした真昆布。
いりこだしのとり方の撮影中。
伊吹いりこです。
午前中は、このへんで終了。
.
さぁーー、昼食です。
女子は、撮影した料理を、台所であたため直したり、
盛り直したり、お茶の用意です。
次々運びます。
さて、男子はなにをしてるのでしょう?
和室をのぞいてみます。
和室は、撮影用のものでごちゃごちゃ。
乾物の入っているダンボールの山、山、山
器、カメラ機材が散在。この部屋を歩くには、
運動神経が必要。
.
さて、男子2人は、
自発的に・・・・・・・・
「ごはん、かわるよ」。
「おみそ汁できました~~!」と、ポンちゃん。
「あ、、、どうも」、「いやはや・・・デヘへへ」。
ポンちゃんは女子大生。
お姉さんたちが運んだ場合「デへへへ」は、皆無。
いただきまーす!
さて、午後の部。
終了!
撤収!
片付けたら、またみんなで夕飯です。
1日の撮影数が多いので、
毎回おかずはよりどりみどり。
6角形の器の料理は、だしをとったあとの鶏手羽先。
ごまだれでいただきます。
なんのためのだしかといいますと、
89ページ、白きくらげのスープのため。
77ページ、寒天サラダ。
人気の一品です。
オリーブ・オイルは、愛用のオルチョ。
70ページ、わかめむすび。
撮影用は3個でした。5つに増えてます。
こどもの頃から食べ続けているわたしの昼食です。
.
レシピ、全57品。
一番だし、いりこだしのとり方も掲載しています。
.
伊吹いりこ(煮干し)の箱の中に入っていた
だしの仲間です。
いかを中心にして左はさば、右は鯵
下は不明。
かわいいでしょう?
.
さて、
上のは?
こわいですよ!
.
心臓の弱い人は見ないでください!!!
全員、シーハー、つまようじ、くわえてますね。
よく見ると、みんな、ちりめんじゃこをくわえています。
食事中に捕獲され、くわえたまま煮干しになったんですね。
1袋60g。
そのなかに、なんと8尾もいました。
魚の名前ですか?
エソ。
エソといえば、かまぼこの材料。
かまぼこの産地の人なら誰もが知っている魚ですが、
魚屋の店頭には並びませんから、成魚をみたことはなし。
こういう形だったのか、と妙に自分で反応しています。
だしの味は白身の魚ですから淡白です。
.
ほかには、太刀魚もありましたが、食べました。
.
.
これからの時代、なにが必要といって、なにより
身につけておきたいのは、食べ物の保存法です。
わざわざ書くまでもありませんが、大きく分けると、
乾燥させて、乾物。塩漬けして漬物ですね。。
なかでも、切干大根は、乾燥野菜の代表的なもの。
寒中の太陽と風があれば、作れます。
わたしは、何度も作っています。
ただ、作れば作るほど、もっといいものをと望むの
が人情。疑問点も出てくるわけです。
そこを知りたくて、おいしい切干の生産者の方を訪
ねたいと思っていました。
.
今回、お訪ねした関根さんの切干大根です。
昨年のクリスマスのころにお送りいただきました。
「昨日の、作りたてです」と。
写真は、少し白っぽく写っていますが、美しい
生成り色です。
なんとも言えないすっきりとした甘い香り、
材料の大根は、青首大根です。
即、油揚と煮ました。
小丼鉢いっぱい作ったのですが、
おいしくて写真撮るの忘れてました。
これ、残りものです。
しかし、すごいと思いませんか。
たった数日乾燥するだけで、生のときとは全く違う
香りや旨味、歯ざわりが生れます。
栄養的には、カルシューム、ビタミンB群、ミネラル
などの栄養価が高まり、食物繊維も豊富に含む
食材になるんですから。
さて、13日は郡山で前泊。
出発時は粉雪が舞っていました。
しかし、水郡線(水戸=郡山間の電車)に乗り、
48分後、磐木石川駅に到着したときには、
雲ひとつない晴天に。
すごい!!ネットの天気予報。
駅では、関根さんのお出迎えを受け(汗)、
助手席に乗車。
「まず、平田村の道の駅に行きましょう。
いつも切干、置いてるところです」。
、
もともと大根の栽培の好適地は、冷涼な土地。
平田村の農家では大根の栽培量が多く、関根さ
んのお宅も、代々、余った大根は自家用に切干し
大根や凍み大根、漬物に加工して貯蔵、保存し
てきたそうです。
しかし、昨年7月、<道の駅ひらた>開設により、
売れる場を得、観光や、里帰りなどで、一般の方
の目にも触れるようになり、次第に需要が増え、
平田村の農家全体の活性化につながり始めま
した。
「年末の里帰りのシーズンは、切干の棚、空っぽ
になっちゃって」と関根さん。
味を知ってる方は、懐かしいでしょうねえ。
.
阿武隈高原「蓬田岳」の寒風の吹きおろしで
干される切干大根。
「吹きおろし」って風も体験しなくちゃ、です。
小さな胸に期待感いっぱいです。
.
<道の駅、ひらた>には約40分で到着。
早速、棚に行くと、
あら、関根さんの切干、ありません。
レジの方「関根さんのはね、置いたらすーぐ
なくなるの。
おいしいの、わかってるから。すぐ売れる。
いつも品切れ状態」
切干大根を置きにきた三本松典子さん。
約30品目の野菜を栽培している方です。
「今日はレタスも運んできました」
「今回の切干は、関根さんに作り方、教えてもら
ってつくってみたんです」
<道の駅ひらた>併設の食堂です。
右の方が、関根克彦さん。
左の方は、平田村産業課・三本松利政さん。
上の写真の典子さんのご主人。
関根さんをご紹介くださった恩人です。
<道の駅ひらた>駅長の高野哲也さん
おそばを、ごちそうしていただきました。
たぬきそば。
おそばもつゆも、とっても洗練されたおいしさ。
「関根さん!おそばもつゆも、おいしいですね!」
「(笑)そうですか。うちのそば粉も入ってます。
ここのそば、材料は、100パーセント平田村で
収穫したそば粉です。
そばを栽培してる農家は、そば粉をこの食堂に
持ち込んでます。それを、あの厨房の彼が、旨
く作ってくれてるんです。
さて、いよいよ関根さんのお宅に向かいます。
さらに約20分、車で走ります。途中関根さんの
アスパラのビニール・ハウスなどの畑を眺めな
がら走ります。
「アスパラ、こんな風にして栽培するんですかぁ。
きれいな畑・・・・草1本もないですね」。
「除草剤まいたら土がやられちゃうからね、
手間だけどね、手でぬいて」
「ハウスの後ろの丸い穴、見えるかな。
アスパラのために井戸掘ったんですよ」
.
お宅に到着後、
居間のこたつでお話しを伺います。
奥さんの操さんが、次々、自家製のお漬物を
よそって歓迎してくださいます。
その一品一品のおいしいこと。
塩気をおさえ、上手に酢を使ったりした、
大根なら大根の素材の味が味わえるお漬物。
一品、一品、味が全部ちがうので、飽きません。
さて、切干大根。
わたしの勝手な申し出に、わざわざ作る過程を
見せてくださいました。
材料は、青首大根です。
泥を落として、
皮をむきます。
この大根は、約25cm長さ。
よく見る青首大根よりも少し短かく、上下を切り
落とし、半分に切ると、約10cm×2本になります。
大根突きという「突き器」でせん切りします。
大根の繊維にそって、
長さ約10cm×3mm~5mmに突きます。
少し斜めに持って、まっすぐ突きます。
「手を切らないよう、手袋をする方がいいですよ」
とのこと。
お手製の干し網です。
なるほど・・・・。
切干大根、作ったことのある方はおわかりで
しょうが、ザルでは風がぬけないんですよ。
干し網、作ろうかな。
なるべく重ならないように、広げていきます。
写真では感じませんが、冷たい風が吹き上げて
きています。
さ、また一服しましょう。
「あ、干し柿、食べますか?」
「え、あ、大好きです!」
頭の後ろででは、「遠慮しなさい」と指令がきている。
が、
その場で、がぶっ。
「んぁ・・・・・おいひーれすねぇ・・・・」
じゃ、少し持って行きますか。
「あ、結構です、結構です、そんな、そんな・・・・・、
うれしいです!」
このあと、福島民報の記者さんが来宅。
お漬物をいただきながら、
関根さん夫妻と3人で、インタビューを受けました。
1月16日(土) 付けの掲載誌です。
このとき午後3時。
撮影のため、再び外に出たときの寒さ、冷凍庫に
入ったようでした。
関根さんのお話
「さっきより寒いよ。太陽も風も必要だけど、
この気温差もおいしい切干の大切な条件」
厳寒期の12月~2月末、週間天気予報で4~5
日位晴れの日が続く時を選び、大根を抜いて作
るとのことでした。
.
下は、凍み大根。
福島の特産品です。
こちらは、じっくりと時間をかけて戸外で凍みらせ
て作ります。煮汁がじゅわっとしみて、おいしいの
です。
凍み大根といえば、2年前、全国農業新聞
に掲載されていた記事を思い出します。秋田県横
手市の老人ホームでこの凍み大根の煮物の料理
を献立に組みこんだところ、入居者のみなさんから
とっても喜ばれたという内容でした。
伝統食品は、作り方も料理法も、土地の宝。
若い人に引き継がれていくといいですね。
このあと、少ししてまた続けます。
.