引頭佐知(いんどうさち)の料理ブログ

引頭佐知(いんどうさち)の料理ブログ

出汁取り、初めの一歩です。

2008年08月28日 | 出汁取り、初めの一歩です

自宅での日本料理教室では、当然、だしをきちんと取って

料理をしていますが、生徒のみなさんが感動されるのが、

天然だしを使って作ったお吸い物やおかずの味。

その感動は、インスタントの化学のダシでは味わえなかった

素材の香りや味が楽しめるからなのです。

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小さな教室でだしを広めるのには限界があります。

幸いなことに、拙著の出版を機会にお話をいただき

2004年5月5日、子供の日より、3年間、不定期ですが

仙台で出張料理教室を始めました。

このとき教室のタイトルを、わざわざ「だしを取って料理する」に、

させていただきました。

ブログにも書きましたが、このとき参加されたみなさんの

「天然だしとの出会い」は、自宅での教室とはまた異なった

感触で感謝したり喜んでいただき、「だしの力」を心新たに

再確認した次第です。

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2008年6月28日、経堂の自宅でも出汁を取って料理する出汁

教室を始めました。

1人でも多くの方に、出汁と、出汁を使った汁物や煮物などを

味わっていただきたい、という教室です。

出汁の素材は、これ以上ない、最上の品を取り寄せて使います。

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昆布は、大阪・からほり通り、こんぶ土居さん。

削りかつおは、東京・晴海、鰹節のタイコウさん。

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<川汲浜産・真昆布>

写真の昆布は、日本一という折り紙つきの真昆布です。

ラベルに「川汲浜」と表示してあるでしょう?

北海道・道南地方の川汲(かっくみ)浜で採れた天然真昆布です。

昆布は、収穫する浜によって品質がちがいます。

通称、浜格差(はまかくさ)というのですが、浜の環境、つまり

海流、プランクトンなどの影響で、味、香り、栄養価、仕上り

方が、ちがうのです。

身が厚い、つまり肉厚で、美しいつやのある褐色、凛とした

風格が天然真昆布ならでは。

味の特徴は上品な甘味。かむほどに真昆布特有の、ほどの良い

甘味が広がります。

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出汁は、澄んでおり、うれしくなるくらい、吸物の色が晴れます。

これは、和食好きの人にとっては、いちばん嬉しいことです。

さらに、控えめな滋味のある香りと甘味は、素材の味と香りの

邪魔をしません。

逆に、香りや味を引き出してくれるのです。

<真昆布の水出汁>

また真昆布は、出汁を取る前、水出汁を(水に浸けて水の中に

旨みを溶出する)してから、削りかつおを加えて出汁を取ると、

とても旨みの強い、力のある出汁が取れます。

初めてのとき、感動しました。

さすが、真昆布の水出汁、と。

椀物(汁物)、野菜や乾物の煮物、煮びたし、おひたし、酢の物、

そしてご飯物。

つかった素材の香りと味を引き出し、また、しっかりとした旨みで

料理を抱き込みます。

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出汁とりと昆布

今回、下記で、出汁の取り方をご紹介しています。

水に浸す水出汁法ではなく、直接出汁を取る方法です。

水に浸しませんから、約10分で取れる出汁の取り方です。

この取り方の場合、まだまだ十分旨みが残っていますから、

2番出汁を取り、そのあと、昆布〆、佃煮や酢の物、和え物、

漬物に利用したりします。

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出汁の取り方には、いろいろです。

料理法にもよりますが、暮らし方、味の好みもありいろいろです。

たとえば、上質の真昆布の場合ですが、

昆布を一晩、水に浸けて水出汁したあと(ここで取り出すのではなく)

そのまま火にかけ、グラグラ5分間位煮立てる方もあります。

しっかりした出汁が取れるから、と。

最高級の真昆布・川汲浜産は、くせ(海藻くささ)がありませんから、

煮立てても海藻のくさみはありません。

その方法もおすすめできます。

浜格差と、前述しましたが昆布は、種類によって、浜によって、

こんなに?と、びっくりするくらい味がちがいます.

知れば知るほど、ちがいがわかってきます。

面白いですよ。

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<一本釣りかつおの本枯節>

削りかつおは、ラベルの表示にあるように、タイコウさんの

本枯節の「花くらべ」です。

その製法については、このブログの「タイコウ 仕上げ篇」で

書きましたが、鹿児島・枕崎産の一本釣りの本枯節の削りかつお。

本枯節というのは、かび付けした鰹節のことです。

3度のかび付けで醸成されています。

かび付けするたびに水分が抜け、保存性が高まり、旨みが

重なっていくのです。

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だしを取り、そのまま飲むとわかりますが

①すっきりとした鰹の風味、②深い旨み、さらには飲んだあとの

③後口のよさがあじわえます。

かつおだしに求めたい3拍子の揃った強いかつお節」です。

その強さがあるから、二番出汁も取れるんですね。

また、この「花くらべ」の削りかつおには、2つのタイプがあります。

血合いぬきと血合い入り。

教室では、おかずの煮物や味噌汁をつくりますから、

血合い入りを使っています。

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<価格のこと>

昆布も、削りかつおも「天然のものは高い」、と言う方がおられます。

もちろん、土居さんの真昆布にも、タイコウさんの削りかつおにも普及品はあります。

鰹節でいえば、本枯節を削ったときにでる、便利なかつおの粉なども。

でも、

でも、

本当に「高い」のでしょうか?

真昆布も、かつお節も、年々収穫量が減少していますし、

「天然物の生産者の方の手間」というのは、並大抵のものではありません。

さらに、年々深刻化する異常気象の中での製品化におけるご苦労は、計りしれない

ものがあります。

さらに、土居さんとタイコウさんの扱う商品は、品物自体がちがうものなのです。

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<まずは、最上の出汁を味わってください>

わたしは、「天然出汁との出会いは、最初が肝心」と思っています。

最初に最上の昆布と削り鰹でとった出汁を舌が知り、おいしさが

わかれば、出汁取りの習慣がはじまり、続きます。

教室でも、友人でも、

いままで長い間、化学のダシを使っていた人が、

天然の出汁に出合って、即、転向、というケースはたくさんあります。

わたしが、天然の出汁が「おいしくて安全」と説くよりも、

出汁を使ったお吸物、煮物などでわかっていただけたからです。

まずは、最上の出汁を知っていただきたいと思います。

その味を味わってから、暮らし方や料理法や好みで

ご自分の出汁の素材をきめていただければ、と思います。

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出汁のこと、まだまだ続きます。

栄養などについても、またの機会にお報せしたいと思います。

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出汁とり、初めの一歩です。

1リットル=カップ5の出汁を取ります。

真昆布は、10g

軽くサッサッと、表面をタオルで拭きます。

土居さんの昆布は、そんなことしなくてもいいのですけど。

実際、きれいでしょう?

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真昆布の厚みにご注目を。

つやのあるのも、おわかりですね。

表面の白く見えるのは、マンニットという旨み成分です。

洗い落としたりしないでください。

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関東の方は、鰹節の味の強いのがお好きです。

20gでも。

昆布をきかせたい、鰹をきかせたい、これはもう、お好みです。

使う料理にもよります。

上の量を基準にして増減なさってください。

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ザルに水を通して水気をぬぐい、布巾も水を通して固くしぼって。

布巾の代りにペーパータオルでもOKです。

ボウルの上に乗せておきます。

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さて、18cmの鍋を用意します。

カップ5=1Lの水

10gの真昆布を入れて、火にかけます。

わたしは、沸騰まで10分かけています。

つまり、火加減は、ちょっぴり弱目の中火。

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上の写真は、真昆布を入れたところです。

あとで、大きさを比較してくださいね。

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5分経過。

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10分経ちました。

ちょうど沸騰寸前になると、

昆布がゆらりと鍋底から上がってくるので、それを機に取り出

します。

そのまま沸騰させ、アクを取り、削りかつおを加えます。

(アクを取ったあと、水を大さじ2入れ、再び点火しても)

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わたしは、約1分30秒~2分おいて、

削りかつおが沈み始めたらこします。

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花くらべは薄いので、こんなに少量に。

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なるべく自然にこしてください。

でも、花くらべは、渋み、えぐみがないので、

ぎゅっと、しぼっても大丈夫です。

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きれいでしょう。

わたしは、約40年間、他の昆布と削りかつおを使っていましたので、

違いがよくわかります。

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昆布の幅、

こんなになりました。

上の昆布、もちろん10g。

上下の昆布は、1本の昆布でも上下でした。

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厚みも、

こんなになりました。

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こんな風にして、だし取りをしていきます。

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歯の検診

2008年08月26日 | ときどき日記

今日は、3ヶ月に1度の歯の検診の日です。

食の仕事をしている関係上、歯は、大切。

サボらず、通っています。

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病院に入る前に、いつもこの子がすりすり。

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「どこ行くの?」

「向かいの歯医者さん」

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受け付けのカウンターにあった写真

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さて、

今日は、歯茎の検診が中心。

美しい衛生士さんによる、それはもう、入念な検診。

歯と歯茎の間にプラーグとかいう針を刺し込み、何mm入るかを

調べます。

歯周病や、歯槽膿漏を調べるため。

1mm位が健康な歯茎。

4mmまでなら、歯みがきで健康な歯茎に戻るそう。

6mm以上は、ブラッシングをしても戻らない、とか。

「1本、4mmのがあります。ブラッシングで直してください、戻りますから」

「えっ~~~~~?歯槽膿漏?」

「そういうんじゃありません」

「その部分は、細かく細かく丁寧にブラシをかけてください」

「はい」

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歯の動揺具合も調べます。

1本1本、指先で動かし、どれくらい揺れるかを見るのです。

「揺れるんですか?」

「はい、歯は揺れるものなんですよ.歯茎が支える力がなくなると揺れます」

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「なにか、痛いとか問題ありますか?」

「たまに、根を詰めたとき、ブラッシングすると、

ビビっとくることがあります。右のここ辺り」

「でも、歯茎にぜんぜん問題ありませんね。

それはストレスがたまってたんですよ。

ストレスを感じたときは、その都度発散してください。

すると、痛みもなくなります」

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それから、テキパキ、テキパキ、計約1時間余りの検診。

衛生士さん、たいへんな仕事です。

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このブログに最初の記事、

ごあいさつの「竹本のおとうさん」は、歯を大切にした方でした。

「とくに、味を知覚するのは、前歯。

料理をする人は、前歯を大切にしないとね」と。

なにより病院が嫌いなわたしですが、歯だけは、まじめに通っています。

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3ヶ月分の必要な歯ブラシセットを購入。

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「終ったの?」

「そう、また11月ね」

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「またね!」

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夏休み・・・・

2008年08月22日 | ときどき日記

「また会いましょう、ごはん食べにいきましょう!」と約束しても、

普通は、話だけで終るのですが、この2人は、ちがいます。

根性入ってます。

<遊びの約束は、守る!>、

<ドタキャンもしない!>

そんな匂いがしました。

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右は、女優の中島ひろ子さん。

東京出身で、現在は大阪、堺市在住。

撮影のため、只今、経堂のウイークリーマンションに滞在中。

物まね上手の、めちゃくちゃ面白い女優さん。

中央は、中島さんから「吉本の人?」と言われたわたしです。

左は、経堂にある東欧雑貨「Lihn-fa」のオーナー酒井草さん。

年に約4回、たった1人で、ハンガリーやチェコに買い付けに行きます。.

中島さんとの出会いは、その「Lihn-fa」。

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来てるかな?

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約束の日、約束の場所のドアを、そっと開けたら、いました、2人共。

イタリアンのJ.

シャイで無口なシェフが、めずらしく口をはさみ、

「そんなに笑って・・・どうなさったんですか」と、呆れ顔。

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このあと、場所を変えて歓談。

もーー、笑いすぎて、右の脇腹がつり、息も絶え絶えで、

ホント、お花畑が見えそうでした。

草さんは、笑い涙でハンカチぐしょぐしょ。コンタクトも飛びました。

腹筋の筋肉痛とか。

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「年1回は、こういうのもいいかもです。内臓の運動です」と草さん。

海外に昨日までいたという中島ひろ子さんからメール。

「初めてお会いしたとは思えない、

本音のお話ができて楽しかった」と。

本音って、

中島さん、あんなにおかしいことが、本音ですか?

東京にいらしたらまた、ね。

お腹周り、きたえておくわ。

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昆布の佃煮の炊き方

2008年08月20日 | わたしの保存食・常備菜

この異常気象の時代、

普通に考えても、今、わたしたちが身に付けておきたいことは、

保存食の作り方のような気がします。

大切な素材を、おいしく長持ちさせること。

有効につかいこなす知恵を身に付けることです。

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今回は、塩昆布。

出汁をとる昆布で作れます。

食事の箸やすめ、

ちょっとお酒、

ちょっとお茶漬け、

また、食欲のないときなど、あの3cm角の数枚で、ごはんがすすみます。

毎日海藻を食べる習慣にもなります。

食卓に<ゆとり>もうまれます。

おぼえていただきたい保存食です。

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わたしは、出汁を取ったあとの昆布をためておいて、よく作ります。

出汁をとったあと、金串に刺して台所で干しておくのです。

こうすると、かびも生えませんし、いろんな使い方ができます。

それについては、またの機会に。

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ザルに入ってるのは、3本分です。

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ま、

今回は、初めての方が、わかりやすいように、

真昆布1本分で、塩昆布をつくります。

つくるといっても、

酢水につけて戻して、醤油と酒でゆっくり炊くだけのことですから、

かんたんです。

ただ、1つだけ欠かせない条件があります。

ホーローなどの厚手の鍋で作ること。

土鍋なら最高です。

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真昆布1本分って、どれくらいかわからない方のために

レモンを置いてみました。長さや幅がつかめますか?

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前回、出汁取り初めの一歩で使ったのは、

最高級の真昆布北海道の道南・川汲(かっくみ)浜産。

今回のは、普及品の折浜産。

しっかりした厚みのある天然物です。

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はかりに載せたら、約150gありました。

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今すぐつくらないときは、こんな風に袋に入れておいても。

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写真をごらんください。

水は昆布にひたひた程度です。

このまま、3~4時間おいて戻します。

昆布によっては、まだ固さが残っているかもしれません。

この真昆布も、厚みがありますからまだ少し、固いのですが、

かめる程度戻っていれば、大丈夫です。

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酢を加え、このまま鍋に入れて、火にかけます。

最初は中火、煮立ったら、ごく弱火で炊きます。

40分くらい経ったら食べてみてください。

写真は、昆布が柔らかくなったところです。

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酒と濃口しょうゆを加えます。

これでまた、ごく弱火で炊いてください。

煮汁が50ccくらい残る程度まで。

焦がさないように、注意してください。

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炊きあがりです。

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鍋のまま、1時間おいて冷まします。冷めるまでに味が落ち着きます。

冷めるまでは、触らない方がいいですよ。

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ジャムのびんなどに小分けして冷蔵庫で保存します。

お友達にさしあげても喜ばれます。

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卵の賞味期限+エッグ・スタンド

2008年08月14日 | わたしの器と台所道具

梅雨から初秋までは、卵の賞味期限、気になりますよね。

わたしは、使う分だけ冷蔵庫から出してこのスタンドに40分くらい置き

室温に戻してから料理します。

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=エッグスタンド仏製=場所をとらず、安定感があるので気に入ってます。

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いつも同じ産地の卵を買ってはいても、

季節によって黄味や白身に違いがあります。

暑いときは、鶏だってバテます。

黄味を支える白身に力がありません。

割ったときに、がっかりすることも。

買ってきたばかりなのに・・・使っていいのかな、と、

ときどき心配になることも。

そこで、おすすめしたいのが、

卵の1つ1つに賞味期限を書いておく習慣です。

買ってきたら、即、書きましょう。

そうして、冷蔵庫へ。

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これは、3年前の8月、上海で出会った卵がきっかけ。

静安区、旧フランス租界の地域の2階建ての、小さなマーケット。

開店間もない、朝7時頃のこと。

卵が売場に運ばれてきました。

あ! なるほど・・・・。

うなっちゃいましたね。.

バラ売りの全部の卵に、8/2というスタンプが押してあったのです。

8月2日、その日の日付けです。

スタンプですから、洗っても落ちません。

その日、売れる分だけを置いているのです。

さわってみたら表面がザラザラしていて、しかも重い。

これは新鮮な卵のしるしです。

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わたしは、気に入ると何度でも確かめたくなる性格。

滞在中、毎朝、そのマーケットをのぞきました。

前日のが、ほんの数個、残っていることもありましたが、

ちゃんと、当日の卵が入荷していました。

中国好きとしては、そういうの、すごくうれしいのです。

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「なるほど、これはいいわ」と、日付け記入をさっそく採用。

ご存知のように、卵の箱には賞味期限が表示されています、

でも、わたしの場合、箱は使いませんし、

重複して購入したときなどは、

どれが古いのやら新しいのやら、わからなくなります。

このとき、卵に日付けが書いてあれば、

料理に応じて使い分けができるというわけです。

しかも、安心。

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いつのだったっけ、と、無駄に悩むより、

ぜひ、賞味期限の日付けの記入をなさるようおすすめします。

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下の器は、エッグスタンドではありませんが,好きな器です。

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=器:高橋里奈(小学校4年生のときの作品)=

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鶏の巣のようでしょう?。

かつて経堂にあった、沖縄の器屋「りゅう」のおじょうさんの作品。

作為的でないので、パワーがあるんですね。

あたたかな包容力もあります。

この包み込む形を生かすには、と、

卵を入れてみたらぴったり。

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お母さん鶏が温めてます。

こうして21日間温めると、ひよこが生まれます。

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あ、あれ!

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多分、アメリカ製の編みぐるみ。イースターに使ったのでしょうか?

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出てきちゃったの?

温めなくていいの?

あ、ごはん?

あ、そっ。

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