波紋

一人の人間をめぐって様々な人間関係が引き起こす波紋の様子を描いている

「映画鑑賞 ②」

2020-12-21 11:06:30 | Weblog
今から30年ほど前「寅さん映画」を見たときは、ストーリーやキャストにこだわりその興味で見ていたのだが、初めてその作品に引き込まれ自分もその映画の中にいっしょに入っている気分になっていた。そして夢中で見ているうちにあっという間に終わってしまい、次はどんなドラマが展開するのかという気持であった。それから年代を経て私も年を取って、再度この「寅さん映画」を見てみると最初の時とはまるで違った感動がうまれていた。
「寅さん」は何故「渡世人」でなければいけなかったのか、渡世人とは世間では高く評価されているとは言えない仕事であろう。何故きちんとした仕事をしている人物ではなかったのか、そこには「自由人」でなければならない事情があったのだ。つまり世間の常識や決まりや義理や責任を持たせない、もっと言えばこの世には存在しないかもしれない人物を生かしたかったのではないか?そして日本全国を自由に回ることが出来る、そして誰とでも、話せて、どこでも生きていける存在、そして其処で、出会ったどんな人々とでも心を開いて話が出来て、悩みや心配事が聞ける、寅さんはどんなときにもその主人公の立場で話を聞き、同じ立場で心配し助けようとする、(特に女性に対してはやさしく愛情を注いでいた)この映画の特徴として一つの決まりがあった。寅さんは別れる最後に必ず言うセリフがあった・「困った時やどこへも頼ることが出来ない時は、葛飾柴又の寅やを訪ねてゆくんだよ。そこには私の妹の桜やおいちゃんおばちゃんがいて必ず助けてくれるから」と言わせている。今思えばそれは言い換えると信仰的な神の存在を言い換えているのではないかと考えられる。つまり、人生においてどんなに苦しくつらい時でも必ず、神の存在を覚える事があることを教えていたのではないか、この作者は人生を大きな主題として取り上げて、人間の生き方を様々な例題を通じて教えてくれているような気がしている。

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