波紋

一人の人間をめぐって様々な人間関係が引き起こす波紋の様子を描いている

足跡     「青春」

2017-05-04 09:46:06 | Weblog
この時期になるとどうしても思い出してしまうことがある。それは一年を通じて楽しんできた「花めぐり」であった。定年顔の楽しみは今から思うとこれだったかもしれない。春を待ちかねたように3月になると「片栗の郷」と呼ばれている片栗の花をたずねる。小さな地味な花だがなんともいえない趣があり、春を告げている気がしていた。そして「梅」紅梅を含めてその香りは変わらずその年のはるをしらせてくれる。そのそばで小さな「つくし」が顔を覗かせてくれるのも愛嬌である。そして春を代表して「さくら」が私たちを迎えてくれる。
あちこちの桜を訪ねたが、人ごみを避けて静かにて作りのお弁当を食べることのできる桜を探して楽しむことができた。そしてチューリップ、桜草、もっこうバラ、はなみずき、ぼたん、藤の花と続々と春を待ちかねていたように咲き乱れて楽しませてくれたものだ。
車が使えたので、そのたびに今年はどこの花を見るかと相談して歩くのが楽しみであった。しかしそのはなめぐりも終わりを告げることになった。車がつけないことは致命傷となった。最近では散歩をしながら近所の花の「借景」を楽しむほどである。
しかしその思い出は変わらない。むしろ鮮明にそのときの光景が目に浮かぶようである。
いつの世もこの美しい花のように人の心も美しくありたい。この世の汚さや穢れを此花のように美しくすることを考えたいと思うのである。「青春とは省みるときの微笑である。」といったのはドイツの哲学者ゲーテといわれているが、まさに青春は今このときの省みるときの微笑でなければならないと思う。
そしていつまでもそのときの美しさを思い浮かべて心に潤いと美しさを失わないことを願いたいものである。

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