く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<キリマンジャロ登頂の立木早絵さん> ピアノ弾き語りでも感動の輪!

2012年07月08日 | ひと模様

【全盲の19歳、本格デビューに向け和歌山から上京】

 今輝きを増している日本人女性の1人だろう。立木早絵(たてき・さえ)さん、19歳。全盲というハンディを抱えながらトライアスロンやアフリカ最高峰のキリマンジャロ登頂などに挑戦、その明るく前向きな生き方が共感を集めている。その立木さんが昨秋以降、全国各地でピアノの弾き語りを披露し、音楽でも世代を超えて支持の輪を広げている。7日、奈良市の学園前ホールで開かれた「トークショー・ピアノの弾き語り」でも、その透明感あふれた歌声に感動のため息が漏れた。

   

 立木さんは1992年12月9日、和歌山県那智勝浦町生まれ。2歳の時、重い肺炎にかかり目の網膜にウイルスが入って失明。だが、小さいころから負けず嫌いでどんなことにも果敢に挑戦してきた。「他の人と比べてではなく、できない自分が許せないんです。だから何でもとことんやってしまう」。県立和歌山盲学校中等部に入ると野球部に入部し視覚障害者の野球「グランドソフトボール」の選手になり、水泳部、バレーボール部にも所属。3年の14歳の時には全国障害者スポーツ大会の水泳視覚障害者(全盲、39歳以下)の部で、25mバタフライで金メダル、50m自由形でも銀メダルに輝いた。

 それがきっかけになったのだろう。翌年の2008年「24時間テレビ」で津軽海峡縦断リレー参加の話が持ち込まれた。立木さんは「1人で生きていく自信をつけるチャンス」と挑戦を決意。さらに一昨年にはトライアスロン、昨年はキリマンジャロ(標高5895m)登頂にも挑んだ。タレント・イモトアヤコさんとの2人3脚での登頂の模様は、テレビで放映されたから見られた方も多いに違いない。立木さんは「目が見えないというのは、走るのが遅かったり、歌が苦手だったりするのと同じようなもの」と話す。

 その立木さんの夢は「オリジナル曲を作って、歌で思いを伝えられるアーティストになること」。ピアノは小さい頃から保育士の母に教えてもらい、小学5年生の頃からはピアノの先生にレッスンを受けた。先生に録音してもらい、それを暗譜するという方法を取ったそうだ。2009年ごろから作曲の勉強も始め、少しずつオリジナル曲もできてきた。テレビ番組「行列のできる法律相談所」でのピアノの弾き語りも注目を集めた。この日披露したのは「自分を愛して」「夢に向かって」「感謝」のオリジナル3曲に加え「上を向いて歩こう」と絢香の「みんな空の下」の計5曲。絢香の大ファンで「いつも元気をもらっている」という。

 オリジナル曲はそれぞれ「自分を愛して初めて回りの人も大切にできるはず」「夢に向かって一歩ずつ進んでいきたい」「いつも感謝の気持ちを忘れずに」という自らの思いを歌に込めたという。自分への〝応援歌〟風の内容だが、伸びやかな高音の響きとビブラートをかけない歌唱が印象的で、瑞々しい歌詞と歌声が心に染み込んでくるようだった。弾き語りとともに、ソフトな語り口も実に爽やか。「よりたくさんの人に歌を聴いてほしい」と、6月には和歌山から東京に転居した。シンガーソングライターとしての活動が本格化するのはまさにこれから。それに伴ってファンも着実に増えていくことだろう。この10日には角川書店から著書も発売される。タイトルは「夢を見る力 自分を愛して、自分を信じて」。

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