く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<く~にゃん物語⑭> 諺「脱兎の如し」→車の「ダットサン」の語源にも

2012年07月01日 | ウサギ「く~にゃん物語」

【童謡「まちぼうけ」は中国の故事「株を守りて兎を待つ」から!】

 『犬もあるけば棒に当たる』『猫に小判』――。世の中にはペットにちなんだ諺(ことわざ)が多いけど、私たちウサギの諺も結構たくさんあるんだよ。一番有名なのは『二兎を追う者は一兎をも得ず』かな。ウサギの自慢は脚力。時速80キロもの猛スピードで疾走するノウサギもいるよ。だから逃げ足の速いことを『脱兎の如し』というでしょ。この「脱兎」、日産自動車が昔発売して人気を集めた「DATSUN(ダットサン)」の語源の一つともいわれているのよ。『始めは処女の如く後は脱兎の如し』は中国の「孫子の兵法」に出てくる言葉。最初は弱々しく振る舞って相手を油断させ、隙を見計らって脱兎のように攻撃を仕掛けるべし。古い時代の兵法にもウサギの機敏な動作を見習うべきと書き残されているというわけ。「えっ、へん!」

   

 『株を守りて兎を待つ』は中国の故事から生まれた諺。ある農民が畑の隅の切り株にウサギがぶつかって死んだのを見て、また労せずしてウサギを得ようと株を見張っていたの。だけどいくら待っても現れないし、その間、農作業をしなかったため作物も取れずに、みんなの物笑いの種になったというお話。おかしいね! 転じて、この諺、昔のやり方にこだわっていては進歩がないということを教えているの。略して『株を守る』とか『守株(しゅしゅ)』ともいうよ。北原白秋はこの故事を基に、童謡「まちぼうけ」(山田耕筰作曲)を作詞したんだって。

 ウサギは後ろ足が発達し坂を上るのが得意だから『兎の上り坂』。物事が順調に進んでいることのたとえ。耳がいいのも私たちの自慢。だから『兎の耳』といえば『地獄耳』と同じような意味があるの。『兎も七日なぶれば噛み付く』はどんなにおとなしい人でもいじめられ続けるとしまいには怒り出すということ。『狡兎三窟(こうとさんくつ)』は身の安全を守るための避難場所や方策をいくつも持っていることよ。

 このほかにも『鹿を逐(お)う者は兎を顧みず』(大事を成す人は小事にこだわらない)、『兎を見て犬(または鷹)を放つ』(手遅れと思ってもあきらめてはだめ)、『兎に祭文』(無駄なこと)、『兎の罠に狐がかかる』(思いがけない幸運に巡り合う)、『兎の昼寝』(油断すること)、『兎の糞』(コロコロしてつながっていない→長続きしないこと)、『年劫(ねんごう)の兎』(歳をとった狡猾な兎→一筋縄ではいかない人)……。ウサギにちなんだ諺、意外に多いでしょ。だけど、ウサギにとってマイナス的な意味合いが含まれた諺がかなり含まれていることが少々ショック!

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする