【最大のライバル米国には決勝まで当たらず?】
ロンドン五輪サッカーの組み合わせが決まった。12カ国が出場する女子は4チームずつ3組に分かれ、日本のなでしこジャパンはカナダ、スウェーデン、南アフリカと同じF組となった。日本は決勝トーナメントの組み合わせに恵まれ、F組1~2位通過の場合、最大のライバル米国が入ったG組の1位チームや、英国やブラジルが入ったE組の1位チームとは、決勝まで顔を合わせないことになった。
サッカー女子予選組み合わせ(カッコ内は世界ランキング)
◎グループE=英国(9)、NZ(24)、カメルーン(52)、ブラジル(4)
◎グループF=日本(3)、カナダ(7)、スウェーデン(5)、南ア(65)
◎グループG=米国(1)、フランス(6)、コロンビア(28)、北朝鮮(8)
【予選1位通過を! 準々決勝の相手は強豪フランスか】
日本は7月26日未明(日本時間)、初戦をカナダと戦う。その後、28日にスウェーデン戦、31日に南ア戦の予定。カナダは大陸予選(北中米・カリブ海)の決勝で米国に0-4で敗れたものの2位通過で五輪出場を決めた。日本とカナダの対戦成績は3勝3敗3分けのイーブン。ここ数年は対戦していないが、カナダはこの1~2年、世界4位のブラジルとも互角に戦っており決して侮れない。
2戦目のスウェーデンとの対戦成績は3勝4敗2引き分け。昨年のワールドカップでは準決勝で当たり、日本が川澄奈穂美の活躍などで3-1と完勝している。ただ過去10年間世界ランキングが3~6位と安定、オリンピックでも2004年4位、08年ベスト8と実績も残している。3戦目で当たる南アは五輪初出場で過去に対戦していないが、世界ランキングなどから力の差がありそうだ。
決勝トーナメントには各組上位2チームと3位チームの中の上位2チームの計8チームが進出する。世界ランキングの実力通りなら、E組ブラジル、F組日本、G組米国が1位通過の可能性が高い。日本が1位通過すると、準々決勝の相手はG組2位(フランスか北朝鮮?)となる。仮に2位だったら、相手はE組2位(英国かブラジル?)。昨年のワールドカップで日本が唯一黒星を喫したのがイングランド戦(0-2)だった。ブラジルも手ごわい。このため予選は何としても1位で通過したい。
【なでしこ、世界ランク2位のドイツの分まで活躍を!】
1位通過の場合、世界ランキング通りなら準々決勝の相手はフランスとなる。勝つと準決勝の相手はスウェーデンか、それとも「ホーム」の地の利で勝ち上がる英国か。これを突破するといよいよ決勝だが、相手は米国にほぼ間違いない。ワールドカップの再現だ。いずれにしろ日本はフィジカル面で劣るだけに、1戦1戦速いパス回しで勝機を見出す持ち前のプレースタイルを貫くことができるかがカギを握る。
日本は前回2008年の北京五輪は4位でメダルにいま一歩届かなかった。だが、今の実力が4年前より確実に進化しているのは間違いない。世界ランキングが2位なのに、ワールドカップ準々決勝で日本に破れ五輪出場切符を惜しくも手にできなかったドイツの分まで、なでしこには頑張ってほしいものだ。