く~にゃん雑記帳

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<飛騨「古川祭」> 勇壮な「起し太鼓」と華麗な屋台行列 19日に開幕

2012年04月16日 | 祭り

【白壁土蔵と清流瀬戸川、三寺まいりの静かな里が2日間祭り一色に】

 飛騨路に春の訪れを告げる祭りが続く。1415日の高山祭が終わると、今度は19~20日に飛騨古川(岐阜県飛騨市)の古川祭。約1000人の裸男による「起し太鼓」が夜のしじまを破る。一夜明けるときらびやかな9台の屋台行列。まさに「動」と「静」。高山祭とはまた一味違った祭りの醍醐味をたっぷり味わわせてくれる。

  

 古川祭は気多若宮神社の例祭。国指定の重要無形民俗文化財だ。始まったのは古く、約230年前にはすでに9台の屋台が曳き回されていたという。起し太鼓は櫓(やぐら)の上に直径80cmの乗せたもので、それに白鉢巻き、半股引き姿の若者2人がまたがって交互にバチを振り下ろす。19日午後9時ごろから、まつり広場で出立祭。祝い唄「ぜんぜのこ」の大合唱が終わると、櫓が広場から担ぎ出される。辻々で12組の付け太鼓が我先に櫓に殺到し激しくもみ合う。起し太鼓は祭りの始まりを告げる〝目覚まし〟として始まった。いわば大相撲の触れ太鼓のようなもので、それが一つの祭りとして独立し巨大化して今の姿になった。

 

 翌日の主役は町内各地区から曳行される9台の屋台。三層構造、上げ下げできる上段の造り、直角に曲がるための戻し車などに飛騨の匠の技が凝縮。龍やボタンの花などの見事な彫刻、前田青邨ら有名作家の作品もある「見送り」など、それぞれの屋台も一見の価値がある。最大の見どころは赤い欄干の今宮橋での曳きそろえ。屋台の一つ「白虎台」の子供歌舞伎も毎年大きな人気を集める。

 飛騨古川は高山のすぐ北に位置する。白壁土蔵街と錦ゴイが泳ぐ清流・瀬戸川の散策スポットが観光客の一番人気。それほど大きくない町の中心部には大きなお寺が3つ。老舗の和ろうそく店、ガラス美術館、日根野美術館など見どころも多い。高山に比べると、この祭りも町の知名度も全国的にはいまひとつ。だが一度訪ねると静かな町のたたずまいと伝統的な祭りを支える人たちの熱い思いが心に残って、また訪ねたいとつい思ってしまう魅力あふれた町だ。

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