心の色を探して

自分探しの日々 つまづいたり、奮起したり。
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まあるい樹の下で

2014年09月06日 | ほんのすこし
樹の中で まあるい樹の中で 見上げると樹だけの世界で。
ぐるっと上は樹の枝が黒い手をあちこちに広げていて。
まるでわたしをすぽっと抱き込んでくれているような。

そんな枝ぶりの樹がウォーキングの途中にある。背丈はそんなにぐんと高いわけでもないけど、とにかく枝が広く円を描いていて。あのCMに出てくる広い草原の真ん中にあるとてつもなく大きな樹の縮小版か?と思える感じで。ふと足を止め 身を乗り出し 樹の中から上を見上げてみた。
なんてことだ。わたしは樹の中にいて 空はちろちろとその枝の小さな隙間だけにしかない。
それなのになんだか不思議に落ち着けて 葉の緑と枝の黒さだけがわたしを取り囲んだ。

足を止め ふだん見慣れている景色をしっかり見る。
もしかしたら 気付かなかったものが そこかしこで眠っているかもしれない。

わたしの目が動くと 樹がゆれた気がした。



わたしは樹の中で視線を一回転した。ぐるぐると回り続けたら あのお話のトラのように空と葉と枝が溶け合ってしまうような気がした。