政府経済見通しの年央試算が公表された。これで2023,24年度の税収を試算することができる。2023年度の名目成長率が2.1%から4.4%に上方修正されたことから、税収も上ぶれ、2023年度は前年度決算比+4.2%で3.0兆円増の74.1兆円、2024年度はそこから+3.9%で+2.9兆円の77.0兆円だ。地方の税収も国に準じて上ぶれすると、2024年度には、基礎的財政収支の赤字をなくす財政再建の目標に1年前倒しで届く形になる。
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岸田政権は、特に何をしたわけでもないが、安倍政権ができなかったデフレ脱却に成功し、見果てぬ夢だった2025年度の財政再建もクリアしそうだ。「検討使」などと陰口を叩かれつつも、結果オーライである。敢えて言えば、余計な「改革」をしないで、流れに身を任せたことが勝因かもしれない。
財政再建については、近々公表される「中長期の試算」では、税収の上ブレを無視するため、未だ緊縮が必要という形が示されようが、それは実態から大きく乖離するし、今後、拡大が見込まれる防衛費や少子化対策を勘案しても、当初予算の段階では、2025年度の目標に届く程度には余裕がある。
こうした情勢が認識されれば、防衛費や少子化対策のために、増税や負担増をしようとはならないだろう。それをすれば、財政の黒字を増やす政策となり、何のために必要なのだということになる。むしろ、財政再建を果たした暁には、毎年の自然増収を、どういう新施策に使おうかという、今とは様変わりした前向きな議論がされるだろう。
そうしてみると、非正規への育児休業給付や社会保険料軽減が財源の問題から社会保険の改革に合わせて先送りされてしまったことは惜しい。少子化対策こそが若い女性が多い今のうちになさなければならない急ぐべき課題だったからだ。財源の絡みで優先順位を間違えたというのは悔やまれる。
(図)

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岸田政権は、コロナ後で補正予算が大きく剥落するところを、ガソリンや電気代補助の物価対策で穏やかにし、足下の税収増の局面も、防衛費や少子化対策で、ある程度、還元する形になった。巡り合わせとは言い、需要管理としては、そこそこの出来である。そうした無難さがデフレ脱却と財政再建に結びついている。改革ないから成功したというところか。
(今日までの日経)
女性就業、25~39歳で8割超す。雇用保険、目立つ「流用」。今年度1.3%に下方修正 内閣府見通し。「半導体不況」越年へ。予算特別枠、ぶれる看板 長期投資の視点欠く。児童手当「高校まで倍増」の支給対象、誤解の恐れ。派遣時給、6職種で最高。
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岸田政権は、特に何をしたわけでもないが、安倍政権ができなかったデフレ脱却に成功し、見果てぬ夢だった2025年度の財政再建もクリアしそうだ。「検討使」などと陰口を叩かれつつも、結果オーライである。敢えて言えば、余計な「改革」をしないで、流れに身を任せたことが勝因かもしれない。
財政再建については、近々公表される「中長期の試算」では、税収の上ブレを無視するため、未だ緊縮が必要という形が示されようが、それは実態から大きく乖離するし、今後、拡大が見込まれる防衛費や少子化対策を勘案しても、当初予算の段階では、2025年度の目標に届く程度には余裕がある。
こうした情勢が認識されれば、防衛費や少子化対策のために、増税や負担増をしようとはならないだろう。それをすれば、財政の黒字を増やす政策となり、何のために必要なのだということになる。むしろ、財政再建を果たした暁には、毎年の自然増収を、どういう新施策に使おうかという、今とは様変わりした前向きな議論がされるだろう。
そうしてみると、非正規への育児休業給付や社会保険料軽減が財源の問題から社会保険の改革に合わせて先送りされてしまったことは惜しい。少子化対策こそが若い女性が多い今のうちになさなければならない急ぐべき課題だったからだ。財源の絡みで優先順位を間違えたというのは悔やまれる。
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岸田政権は、コロナ後で補正予算が大きく剥落するところを、ガソリンや電気代補助の物価対策で穏やかにし、足下の税収増の局面も、防衛費や少子化対策で、ある程度、還元する形になった。巡り合わせとは言い、需要管理としては、そこそこの出来である。そうした無難さがデフレ脱却と財政再建に結びついている。改革ないから成功したというところか。
(今日までの日経)
女性就業、25~39歳で8割超す。雇用保険、目立つ「流用」。今年度1.3%に下方修正 内閣府見通し。「半導体不況」越年へ。予算特別枠、ぶれる看板 長期投資の視点欠く。児童手当「高校まで倍増」の支給対象、誤解の恐れ。派遣時給、6職種で最高。
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