経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

12/12の日経

2013年12月12日 | 今日の日経
 新たな野党結集を目指す人たちは、またぞろ年金を持ち出したいようだね。絵に描いた餅で民主党が苦しんだことも理解していないのか。積立方式への転換がいかに無意味で、世代間格差なるものが幻想であることを知らないようだ。

 そういうことを唱えてきた日経も、少しづつ変わって来ていて、各誌からはかなり遅れたものの、先週の日経ビジネスは、年金破綻でなく、年金減額をテーマにした。年金は、マクロ経済スライドで減額されるから、破綻はあり得ず、本当の問題は、マクロ経済の不振による減額にある。これが、ようやく理解されようとしている。

 年金改革を煽ろうとする人は、厚労省の積立金の予定利率の高さをあげつらうが、12/10の日経ビジネスOLでニッセイ研の中嶋邦夫さんが説明してくれたように、運用収入は2割に過ぎず、それが下がっても大したことはない。大きな影響があるのは、むろん、少子化である。これが世代間格差の正体でもある。

 意味ある政策を掲げたいなら、消費増税後に迎える経済危機への処方箋でも考えるべきだろう。金融緩和も公共事業も伸び切ったところで、どうやって需要を底入れさせるのか。おそらく、定額給付金か、負の所得税か、保険料減免か、といった選択を迫られようが、それを単なるバラマキにせず、次世代の社会制度に結び付ける構想力が試される。

(今日の日経)
 中国で低価格ハイブリッド。公的年金でリスク取れる?・小平龍四郎。電機産業が初の貿易赤字、円安でもTV低迷。米議会の財政協議が前進。民維み有志 年金積み立て方式を提言。中小向け融資保証縮小。欧州銀不安が呼ぶユーロ高。違法マネー中国再流入。スペイン、イタリアの国債利回り低下。経済教室・FRB100年・植田和男。

※まっとうな議論だね。リスクを取ろうとする頃には市況は落ち目。※電機がこうなるとは隔世の感だ。※バブルが弾けて中国が金融緩和をせざるを得なくなったらどうなるかな。
コメント
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