経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

12/11の日経

2013年12月11日 | 今日の日経
 今日の経済教室は、アトランタ連銀のブラウンさん。連銀でも日本財政をウォッチしているメンバーがいるんだね。まあ、当然のことではあるが、認識を新たにしたよ。ただ、内容的には、意味があるようには思えないな。

 日本国債のGDP比は大きいが、ほとんどが国内で消化されている点が他国とはまったく違う。したがって、物価上昇率に合わせた消費増税の仕組みでインフレリスクを除去するとともに、利子課税と法人税率を強化・維持することで金利上昇時には利払いを上回る税収が得られるようにして利払いリスクをなくしておけば良い。そして、相続税を強化し、国債の実質的保有者である高齢者が亡くなった時に回収するようにする。これで十分なはずだ。

 財政再建は、経済成長がなければ、絶対に達成できない。歳出削減や消費増税の計画を立ててしまうと、成長の範囲内で負担増を求めることが非常に難しくなる。金利が効果を持たないデフレ経済では、負担増のやり過ぎに細心の注意が必要だ。成長に連動しない計画は、成長を壊し、財政を悪化させるというのが、1997年のハシモトデフレの教訓であり、来年4月に再び起こることでもあろう。

 おそらく、来年4月の消費増税は、自動車産業を直撃して、最後の貿易黒字の稼ぎ手を衰退させるのではないか。それによって、中期的に経常収支が赤字化し、国債の国内消化という「防壁」も突破されるかもしれない。しかも、法人減税までしたために、利払いリスクに脆弱になっている。日本の財政当局は、経済と財政を危うくするようなことばかりしている。

 着実な成長を確保すれば、この1年のアベノミクスの成果が示すように、税収が伸び、社会保障の財政も好転する。雇用増は、若者の生活を楽にし、出生率を向上させ、ますます成長と社会保障を磐石にするだろう。出生率の向上は、負担増より、遥かに大きく世代間格差を改善する。日本財政が持続可能かどうかは、来年4月の消費増税による打撃から立ち直れるだけの力がまだ残っているかどうかであろう。

(今日の日経)
 軽自動車税の新車を増税。ボルカールールは日本国債を除外。税制・高所得層重く。歳出減ルールを・諮問会議。年金はもう増えない。経済教室・消費税率53%・R・アントン・ブラウン。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする