経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

キシノミクス・売上は伸びていけるのか

2023年12月03日 | 経済(主なもの)
 賃金と物価の好循環というのは、市井の人々にとっては、売上が伸びるということなので、商業動態の動きには、一喜一憂しているところだ。その小売業は、10月が前月比-1.8で、CPI財で除して実質を見ると-2.9となって、なかなかに厳しい。景気回復はすんなり進まず、月次の指標は揺れると分かっていても、心配は尽きないね。

………
 小売業は、7月に大きく伸びていた分を落とした感じで、名目の統計局CTIの名目に近いレベルになった。CTIは着実に積んできたので、これより崩れなければ良い。消費者態度・雇用は、先行して3か月連続の減になっていたが、11月に底打ちしたので、ここから盛り返してもらいたいものである。

 雇用は、10月の労働力調査は、就業者が前月比-7万人、雇用者が-49万人と大幅な低下だった。10月までの消費者態度を裏書きしたような結果になっている。新規求人倍率は2.24倍と、前月よりわずかに上昇しただけで、停滞感が強い。産業別では、卸・小売や飲食宿泊は前年並みだが、製造業や建設業は、春以降、下回り続けていて、10月も同様の状況だ。

 10月の鉱工業生産は前月比+1.0と2か月連続のプラスではあるものの、春以降の低落状況からは抜けられずにいる。特に、建設財については、コロナ禍の最悪さえも下回る水準である。輸出頼みの従来の日本経済であれば、生産が低落すると、景気が悪くなるのだが、ポストコロナでカバーされ、その一服で下地が現れている感じだ。

 今後は、11月の予測が-0.3、12月が+3.2となっており、10-12月期の実績見込みは前期比+2.0と、前期の低下を超える見通しである。特に、資本財(除く輸送機械)が前期比+5.2、建設財が+4.9、消費財が+6.9と高くなっている。ここまでは伸びないにせよ、低落から脱却して景気を支えることが期待される。 

(図)


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 物価は、10月が総合で前年同月比+3.4、財で+4.8、サービスで+2.1だった。財の高い伸びは、生鮮によるもので、コスト高による食品の値上げも峠を超え、背景の円安も、米国の金利引き上げが終わり、戻り始めている。生産が底打ちし、消費が着実に増していけば、やがて、実質でも成長というところだろう。すんなりと行ってほしいものだ。


(今日までの日経)
 後期高齢者の医療費 窓口負担2割に引き上げ案。追加の防衛財源1兆円超、財務省が確保。世界で異形の「30年デフレ」米英の価格2倍、日本1.09倍。トリガー解除、懸念多く ガソリン税減収・脱炭素逆行。国民負担率、抑制に的 少子化対策の財源確保で。食品9社、値上げ効果1060億円。食品、来年は値上げ一服 7割減に。ドル高修正強まる 円、2カ月半ぶり146円台。国内オフィス投資に変調 海外勢4年ぶり売り越しへ。長期金利低下、0.675%。

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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2023-12-05 20:31:43
単にCTIのトレンドに戻ってるだけに見えます。
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