10-12月期GDP2次速報は、実質の前期比が+0.6%と若干の下方修正だった。それも在庫減が理由でなので必ずしも悪い要素ではない。もっとも、成長は輸入減の外需寄与度+0.7によるもので、内需寄与度は-0.2とマイナス成長である。設備投資は前期比+0.6%とまずまずだったが、雇用者報酬は+1.4%と伸びたのに、物価高の下、消費は0.0%と低迷した。目下の円安の是正で、少し上向いてほしいものである。
………
2024年の実質成長率はわずか+0.1%に過ぎない。これに対して雇用者報酬は+1.3%だから、いわば前年より労働者への分配が増えたことになる。とはいえ、2年連続のマイナスの後であり、少し戻しただけとも言える。『日本経済の死角』で河野龍太郎さんは、日本の長期低迷は、生産性が伸びているのに実質賃金を増やさなかったという「収奪」をしたからだとしているが、2024年は転機になったのかもしれない。
ところで、この「収奪」だが、確かに、実質値では、GDP(国内総生産)は伸びていても、雇用者報酬はほとんど増えていないので、そうしたことが言える一方で、名目値で見ると、様相が異なってくる。円安で輸出が増えている景気の局面では「収奪」が起こるものの、円高で輸出が不振になると逆が起こったりして、実質値のように、どんどん差が開く形になっていない。むしろ、売上に応じて賃金を増減させているという常識的な動きである。
また、アベノミクス期で言えば、雇用者報酬には社会保険料を含むので、可処分所得という「手取」で見ると、政府も結構な「収奪」をしていて、差も広がっているように見える。アベノミクスでの成長の不振は、消費が伸びないことにあったから、これも長期低迷の原因の一つになるだろう。2024年は、定額減税で「収奪」をしなかったこともあり、名目消費は+2.3%だったが、2025年は年末調整まで待たねばならない。
(図)
………
2024年は、日銀が消極的なために一段の円安を呼んでしまい、「収奪」が起こりそうなところを、高い賃上げで乗り越えた。2025年は、円安傾向が保たれていて、賃上げは昨年を上回りそうである。あとは政府が「収奪」をしないことだが、再分配は迷走中だ。物価高になれば、その分にも消費税はかかり、賃上げには社会保険料もついてくる。まともな再分配の政策を作らないといけないのだが、財務省は無能だ。必要なのは、解体ではなく、構築である。
(今日までの日経)
米株安、企業業績を警戒。自動車関税、日本除外せず。奨学金肩代わり 若者呼ぶ。予算、混乱でも来月2日に自然成立。賃上げ機運でバイト時給最高。賃上げ「5%以上」相次ぐ 春季交渉。米関税が招く時間差インフレ。






※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます