KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

まさかの中三日でまた岳人の森へ!

2024年08月08日 | 四国の山

先週土曜日に独りで剣山のキレンゲショウマと岳人の森のレンゲショウマを堪能したら、

奥様たちから『私たちも見たかった』と。『では、今週はどうしますか?』と尋ねたら、

『レンゲショウマは是非見てみたいけれど、キレンゲショウマも捨てがたい』と迷って

いる様子だった。ただ先週と同じように剣山から岳人の森への移動は、距離にして50

km、そしてほとんどがクネクネ道になるので、車酔いするあっちゃんは二つを見るのは

諦めて岳人の森でレンゲショウマを見ることになった。『それなら近場の雲早山でも登り

ますか?』と相成った。


この山域に出かけるときの定番になっている山川町の『美郷物産館』の駐車場に集合し、

そこから一台でまずは土須峠へと車を走らせる。前回岳人の森のヒメシャガを見に行っ

た時は、山川町から神山町に入る手前の倉羅峠で既にあっちゃんは酔死していたので、

今日は車の窓を全開にして、出来るだけカーブではスピードを落として運転していたが、

それでも後ろの座席は静まり返っていた。

先週は剣山の登山道の真ん中で見たが、今日は国道の真ん中で立ち止まっていたバンビ

ちゃん。しばらくして逃げていく後ろ姿。




雲早トンネルを抜けて左折して剣山スーパー林道に入る。昨年独りで来た時はまだ林道

の途中が崩落していて通行止めになっていた。その時あったゲートは取り払われ、今日

は登山口まで車で行けるようになっていたが、路面の状態が分からないので曲がって直

ぐの路肩が広くなった場所に車を停める。その路肩の端には見覚えのある電力の保線路

の番号杭があった。

十年近く前にシャクナゲ尾根への下り口から、さらに西に下って鉄塔に沿って周回して

最後に沢から登ってきた場所だった。その時のことを奥様たちに話をすると、二人の目

が輝いた。『今日もそのコースを歩いてみましょう!』と。







駐車した場所からスーパー林道を登山口まで歩いて行く。平日にもかかわらず何台もの

バイクとすれ違う。さすが国内でも人気の林道だ。








土砂捨て場で広場になった場所からはいつもなら高城山が見えるのだが、今日は雲がか

かって目印のレーダー雨量測候所も見えない。

林道の崩落個所はきれいに復旧されていた。崩落個所までは復旧工事で工事車両が通って

いた事もあって路面の状態は良かったが、そこから先は角ばった石がゴロゴロし始めてい

た。やはりトンネル近くで車を停めて正解だった。













道が那賀町から神山町に入ると山側に見覚えのある車のホイールキャップが置いてあった。

この場所がシャクナゲ尾根への取り付きになる。ここから少し進むと雲早山の登山口。







鳥居を潜って少しだけ急登を登ると、あとは沢沿いの道になる。眩しく光る木々の緑の

中を、流れる沢の水が涼しげな風を運んでくる。この真夏の酷暑の下界では考えられな

い快適さだ。

















作業小屋跡まで来るとその沢からも離れていく。以前は広場になっていた場所も今はほと

んどその面影がないが、カツラの大木だけは今も健在だ。

ここからは方角を変えて東に谷筋を登って行く。周りにはまだつぼみにもなっていないシ

コクブシがそこらじゅうで葉を広げていた。













谷筋についた道は正面に明るく見える稜線の手前で、また南東に振って続いて行く。九十

九折れの道をやり過ごすと道の脇が苔岩の斜面になる。














苔庭からはすぐにパラボラの道標のある高丸山との分岐に出た。『ここから熟達者は高丸

山を往復するんですよ』『また途中から北に行くと菖蒲権現から大川原高原への稜線にな

ります』と説明すると、『そしたら線を繋げていけるのね』とあっちゃん。『あんた繋げ

ることしか頭にないのね』とルリちゃん。










木々がまばらで晴れていたら日差しが照り付ける山頂までの稜線も、今日は時々ガスが

流れて予想以上に暑くはない。








山頂からは相変わらず高城山の測候所は見えなかったか、南東の高丸山までの稜線は雲

に隠されることなく見ることができた。時間は11時だったが、誰かがうるさくなる前

にお昼ご飯にすることにした。

腰掛け各々お弁当を広げると、まるで避暑地にでもいるように、心地よい涼しい風が吹

いてきた。家にいるときとは雲泥の差だ。
















お昼を食べた後はまずはシャクナゲ尾根への道を下って行く。尾根から以前はなかった

小さな道標から下って行くと、しばらくは踏み跡も分かりづらい広々とした斜面だった

が、次第に踏み跡の残る尾根へと変わって行く。











途中からは今まで見えなかった高城山の測候所や北には岳人の森が見えた。
















自然林の雰囲気のいい支尾根の道。地形図では町境の線が北に折れている場所からがシ

ャクナゲ尾根になる。
















今日はここからさらに西へと下って行く。地形図で支尾根が分かれた場所では、傾いた境

界石杭から右手に進んで行く。













するとすぐにシャクナゲの群生が現れた。シャクナゲ尾根と比べるとその規模は小さい

が、開花の時期は見ごたえのありそうな尾根だ。











シャクナゲ尾根を過ぎても色々と変わり種のある尾根だった。暑苦しくまとわりつくヒメ

シャラの木や、本宮山のクジラ岩を小さくしたようなミニクジラ岩。そして何やら怪しげ

なほっかむりをした奥様と、枚挙にいとまがなく楽しめる。











調子よく世間話をしながら下って行く奥様たち。その姿を見て一抹の不安がよぎる。さ

っそくYAMAPのルート図を見てみると、案の定北に折れる場所を通り過ぎていた。

あわてて奥様たちを呼び止めて引き返す。ルート図に乗っている分岐の場所まで戻ると、

ちゃんと赤テープが何本も巻かれていた。











ここからは急坂が続いて行く。シャクナゲ尾根も急坂だった、それでもシャクナゲの根

や木があってゆっくりと下って行くことができたが、このルートは木から木へと掴まり

ながら飛び移り、何とかスピードを落として降りていく。ただその度に踏ん張るので膝

の痛みが酷くなる。











奥様たちはリズムよくスピードに乗って降りていくのでどんどん離されていく。自然林

から杉林になっても相変わらず急な坂は続いて行く。するとルリちゃんから『鉄塔よ!』

と声があがった。











広場の鉄塔は陰平線38番鉄塔だった。ここから釜ケ谷川を越えて車を停めたスーパー

林道の上を電線は続いていた。以前に歩いた時は尾根から36番鉄塔に出たとブログに

書いてあったので、前回は今下ってきたルートとはまた別のルートを下ったようだった。

鉄塔の横でルリちゃんが『林道に停めた車が見えるわよ』と言っているが、立ち止まる

とジンジンと膝の痛みが酷くなる。とにかく下りの坂を早く終わらせたいので先に釜ケ

谷川へと続く保線路を下って行く。







杉林の中の九十九折れ道を下って行くと見覚えのある鉄橋が釜ケ谷川に架かっていた。








ただ記憶は曖昧なもので、一カ所だけだと思っていた橋は合計3カ所あった。帰ってそ

の時のブログを読み返してみると、ちゃんと3カ所渡ったと書いていた。










三つ目の古い橋を渡ると車を停めた場所までの最後の急登になる。距離は短いがその斜

度はかなりのもので、前を行く奥様たちが頭の上を歩いているように見える。

時間にしたら僅かだったが、大汗を掻きながら何とか登りきると愛車の真後ろに出た。




















この後汗を掻いた服を奥様たちも着替えるというので、私は車を停めた一つ先の場所ま

で移動して、『あっちで着替えるので、着替えが終わったら声をかけてくださいね』と

言って、次のカーブの路肩が広くなった場所で着替えをする。

上着を脱いでショーツを脱ぎ、着圧タイツを膝まで降ろして座り込もうとした瞬間に、

前方のカーブを車が曲がってきた。着圧タイツの下は下着は履いていなくてフ〇チン

状態。着圧タイツで身動きが取れずに、上半身と膝まで丸裸の状態で慌てて股間を手

で隠したが、時すでに遅し車は目の前を走り去って行った。

車の運転手の身になったら、山の中の道の脇で裸のおっさんがいたら、さぞかし驚いた

ことだろう。かと言う私もこれほど恥ずかしいことは今までなかった。

『着替え終わりました!』と声がしたので、車まで戻ってその話をすると二人は笑い転げ

ていた。



岳人の森までの車中もその話で盛り上がり、『ひょっと観月茶屋にさっきの車の人がい

たらどうしよう?』と話をすると、また一段と笑い声が車内に響いた。

観月茶屋は営業時間が終わっていたので、開いた窓から『すみません!』と声をかける。

出てきた充さんに、『入場したいので!』と言って入場料を払う。

先週の土曜日と同じように上のキャンプ場まで車で行って、同じように順路通りに歩い

て行く。以下は岳人の森の花たち

ヤマシャクヤクの実


ヒオウギ


ウバユリ


キレンゲショウマ


キツネノカミソリ



ここからがお目当てのレンゲショウマ!







ゆら~りゆらゆら











周りの花に見える白と薄紫のグラデーションはガク








ニッコウキスゲ




ひととき『森の妖精』を眺めた後、岳人の森をあとにする。沢沿いの水の流れと尾根で

はガスが流れて終始涼しかった雲早山。そんな避暑をあとにいっぺんに暑さのなかの現

実に戻され家路につく。








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