「鎌倉個道」

鎌倉の歴史、草花、食物

扇ケ谷への道 その一

2008-07-12 10:06:00 | Weblog
鎌倉歩きをしていると歴史を伝える高札をよくみる。
扇ケ谷の「壽福寺」のそばに「八坂神社」があり
7月12日が祭礼だと書かれていた。
時間も何もわからないが取りあえず行ってみようということになる。

鎌倉駅西口を出るとすぐ前に「源氏山」の山並みが見える。
数日ぶりの猛暑である。


ウオーナーの碑が目印の時計塔は待ち合わせに適当だ。
最近では人力車がこんなところで客待ちをしている。


■市役所前の信号を右へ

真っ直ぐ行く道は「市役所通り」で
トンネルを2つ越えると笛田・梶原地区。
左右の道は歴史のある古道である。
すれ違うのが大変だが自動車はひっきりなしだ。

■八坂神社
最初に目にするのは「巽神社(たつみじんじゃ)」
次が「八坂神社」である。
御幣はきれいになっているが人影は見えない。


珍しい「元神輿之碑」があった。
神輿はそれまで何度か壊れたことがあった。
ところが関東大震災で全く使えなくなったようだ。
数年がかりで再興して「六角形の神輿」が完成した。

氏子たちは元の神輿の骨組を荼毘に付した。
燃え尽きたあとの灰をこの地に埋めたのだ。
神輿に生命が宿っていることを伝えたかったのだろう。

壽福寺境内で土地の古老らしき人に出会った。
 「人手がないのだろう、
  最近は神輿をかついだり担がなかったり。
 今年もやるかどうかわからない」

■寿福寺

壽福寺(じゅふくじ)は鎌倉五山第3位。
日本にお茶を持ってきた栄西(えいさい、ようさいと呼ぶ人もいる)が開山。
開放的な場所だが中ほどの門から先はめったに入れない。

■寿福寺参道
壽福寺参道の模様の素晴らしさは鎌倉一かもしれない。


■英勝寺
さらに進むと英勝寺(えいしょうじ)である。
太田道潅ゆかりの寺でもともとは尼寺だった。
一時手放したが戻ってきた山門の修復工事が始まっている。


英勝寺垣とでも呼びたくなるような白壁が続く。

この奥には「化粧坂」「海蔵寺」などが続いている。

■英勝寺の門

花の寺「英勝寺」の門である。
この時期の花を知らせる案内板がかけられている。

続きは「その二」で。





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

浅草寺

2008-07-10 16:34:00 | Weblog
折しもその日は「四万六千日」
仲見世通りは歩くのも困難なほどの人混みだ。
現世利益を求める最初は線香の煙。

人が焚いた香でも御利益は一緒と悪いところを撫でさする。
私は肺(呼吸器)と頭(ボケ)である。


身体も心も清めた気分でご本尊へ。


本堂も大変な混雑である。
お賽銭を一番前まで行って投げる。
時間はゆっくり流れている。

本堂の下の広場は「ほおずき市」である。
200年近く昔の明和年間が発祥だという。


「ほおずき」を売る人買う人
みな江戸情緒を楽しんでいるようだ。


7月9~10日は浅草寺の「ほうずき市」である。
上野の国立博物館の帰りに立ち寄ることにした。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フラワーセンター

2008-07-10 14:36:38 | Weblog

正しくは「神奈川県立オフラワーセンター大船植物園」
開園時間は午前9時~午後5時
 (温室は30分遅く始まり30分早く終わる)
自宅から徒歩で行かれることもあり季節ごとに訪問する。

「福寿手帳をもらったら毎日行きましょうね」と誘われたこともある。
県立の施設だが鎌倉市で65歳以上の高齢者のための
手帳を提示すれば無料で入場できる。


最初に目に入るのはユリの大群である。
様々な百合の色が否応なしに飛び込んでくる。
ふと「谷間の百合」というバルザックの本を思い出した。

■幻のスカシユリ
大船駅前(西口)の掲示板に大輪のユリが映っている。
スカシユリは花びらと花弁の間に隙間があるらしい。

このピンクの花の大軍もスカシユリなのだろう。
入口のおじさん(?)に聞いても良く分からなかった。

■炎の花
グロリオーサと呼ばれる花だ。
ユリ科の花だが花びらの形に特徴がある。

グローリー(栄光)との合成語なのだろうか。
6月26日の誕生花はグロリオーサ。
花言葉は「栄光」だという。
弟の誕生日の花だ。
彼も先ごろ六十歳を迎えた。

■バラ園
今頃の時期のバラは美しい。
フラワーセンターはバラ園が目玉の一つである。
門をくぐると芳香が漂ってくる。


ボタン園、シャクヤク園を回りこむ。
夏の花「ダリア」が旬を迎えていた。


■蓮
入口に近い所に池がある。
ほとりには季節ごとに様々な花を咲かせる。
7月の花は「ハス(蓮)」を見るために 早朝開園するという。
7月19日(土)~21日(月・祝)は午前6時から開園しているという。

花は午前5時半ころから開き始める。
開花2日目は昼ごろ閉じる。
3日目に再び朝開き、4日目には散るという。

泥の中から美しい花が開くので仏教画によく出る構図だ。
お釈迦さまが蓮の花の上に立っている姿は
日本人には馴染みである。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

美術館への小路

2008-07-09 12:10:10 | Weblog
夏を感じさせる一日「鎌倉大谷記念美術館」へ出かけた。
鎌倉駅西口をまっすぐ出て交番を左折するのが通常だが、
市役所を真っ直ぐ行く道を選ぶ。
御成隧道を過ぎると佐助の谷戸である。


トンネルを抜けるとすぐに左手の石段を登る。
鎌倉らしい山裾の細い道が続く。


「盛夏展」と題する展覧会は
7月8日~8月23日の会期である。
デュフィの「ドーブィルの競馬」モジリアニ「ニースの歌姫」、
横山大観「麦」などの小品が静かに待っている。


大谷記念美術館への道に咲いていたホタルブクロ。
素晴らしい美術館への誘いだと思った。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鶴岡八幡宮の七夕祭

2008-07-07 17:35:00 | Weblog
鎌倉の七夕祭りは昔ながらの物語を感じる。
つまり天の川を挟んで別れ別れの「彦星」と「織姫」が、
年に一度の逢瀬を楽しむ夜だからだ。

牽牛(アルタイル)と織女(ベガ)という星の名前すら懐かしい。
6月中旬からこのポスターをあちこちで見かけた。
7月1日から7日まで様々な行事があったようだ。

小町通り入り口にも「七夕」飾りがある。


さらに鎌倉土産「鳩サブレー」の豊島屋本店。
店の前には大きな七夕飾りが設えてある。


■鶴岡八幡宮の七夕祭
鶴岡八幡宮一の鳥居そばに高札が立てられ
観光客は午後5時開始の「七夕祭」に急いでいる。


社務所から出てくる神官を待つ様子が遠くから見える。


やがて午後5時
神官たちは社務所を出る。


神官に続いて巫女が花束を抱えて進む。
髪飾りが凛々しい。


七夕祭(たなばたさい)会場は「舞殿」である。


舞殿の奥には石段があり、その上が本殿だ。
舞殿は大きな吹き流しが飾られている。
周囲にあるのは「梶の葉」の短冊である。


鶴岡八幡宮のホームページから引用しよう。

七夕に縁の深い梶の葉ですが、もとは梶の木は、
古代から神に捧げる神木として尊ばれていました。
万葉集の中にも七夕の歌が数多く詠まれ、
梶の葉に歌を詠んで使われていました。
当宮では、梶の葉を模った色紙と絵馬に、
それぞれの願い事をお書き頂きお供えを頂いております。
笹竹に願い事を書いた短冊をつるしたり、
たらいに水を張って梶の葉を浮かべ、
そこに織女星と牽牛星の二つの星を映して
おりひめとひこぼしが無事に会えるように祈ります。

舞台の袖では楽人たちが演奏する。
太鼓、笛、笙、ひちりき
雅な舞が始まろうとしている。


神官による清めの儀式では観光客もお祓いされる。
献餞、祝詞奏上に続いて巫女の舞が奉納される。


1時間足らずの儀式が終わると神官たちが退場する。


余興として
鶴岡八幡宮内の幼稚園児たちのお遊戯が披露される。
子どもたちに伝えるべき季節の行事がこうして進められる。


巫女さんの清楚な姿が写真に納まった。









コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

夏の花 第二弾

2008-07-07 11:29:00 | Weblog
センリョウ

赤い実が美しいセンリョウも今頃ひっそりと花をつける。
千両役者の花かもしれない。

ムクゲ

夏の花の王者は何といってもムクゲ。
真白から藤色、底紅と呼ばれるものまで様々だ。

姫如苑

ハルジオン(春紫苑)の時期が終わるとヒメジョオンである。
姫如苑は茎に空洞がなく、葉は茎を抱かない。
見掛け上の違いは花びらが下を向かないことと
花が小さくて多いばかりでなく、周囲の花が中央の花より背が高くなる。
自然観察の園田先生に最初にならったのが二つの違いだった。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「東京きりえ美術展」

2008-07-06 10:32:00 | Weblog
「東京きりえ美術展」の招待状をもらっていた。
7月5日~7月9日が会期だが、
ダウン症協会で会議が予定されている今日しかない(!)と出掛けた。

日曜日の朝、湘南新宿ラインで大崎駅まで出掛ける。
目的地の「O美術館」は東口の大崎ニューシティ2号館2階である。


私が学生時代、まだ国鉄と言っていたJR大崎駅周辺は
「荒れ地」のような雰囲気だった。
私の出身高校は東京都立「大崎高等学校」だか、
遥か南に位置する戸越公園駅のそばだ。
今では湘南新宿ライン、
高速臨海鉄道りんかいラインが交わる立派なターミナルである。

園田幸朗先生の自然観察会で出会った「小林利江」さんに誘われたものである。
小林さんの作品は思い切りの良い構図が持ち味のようだ。
額に入れた「アマリリス」はブログ掲載を本人了解で撮影したものだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

夏の花

2008-07-05 10:08:00 | Weblog
■ヒルガオ

ヒルガオは藪などに咲いて目を楽しませてくれる。
インターネットで検索すると
ヒルガオは朝顔のように朝開くが
昼になっても花がしぼまないことから来た名前。
花の直径5~6センチ、苞葉が萼を包み込むので
「西洋ヒルガオ」と区別できる。
花弁3~4センチの「コヒルガオ」があり、
葉の形をみると写真はこれのようだ。

映画「昼顔」は主演のカトリーヌ・ドヌーヴが
貞淑な妻と娼婦の二役を演じていた。

■ヤブミョウガ

葉は茗荷(ミョウガ)に似ているが、
ミョウガの花は開かない。
「七曲坂」に咲き始めた。
鎌倉宮、衣張山の麓、鎌倉中央公園梶原口
ヤブミョウガは夏の鎌倉を彩る花かもしれない。

■ノカンゾウ
 
七曲坂に咲き始めた。
ワスレグサの呼称で花が一日限りで終わる種である。
ヤブカンゾウはユリに似た八重咲き
ノカンゾウは茎頂にユリに似た橙赤色の6弁の花をつける。

ハマカンゾウはノカンゾウに似ているが海岸に咲く。
若葉はお浸しにして酢味噌で食べると美味しい。

ノカンゾウを近くで撮るとユリに似た花弁がある。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鎌倉から北鎌倉へ

2008-07-04 14:17:00 | Weblog
鶴岡八幡宮の境内地には神奈川県立近代美術館がある。
さらに北へ向かうと神奈川県立近代美術館別館である。
なお、葉山館と3館が姉妹関係にあるようで近代美術が楽しめる。
ただし、美術に素人の私にはわかりにくいのが玉に瑕でもある。

そこからさらに少し北へ進む。
巨福呂坂(こぶくろざか)隧道である。
鎌倉七口の一つ巨福呂坂切通しの真下を通っている。
北鎌倉から下ってくる修学旅行生の賑やかな声がこだまする。

 ≪巨福呂坂≫

巨福呂坂への長い坂を上ってそれから下る。
ゆるやかな北鎌倉の景色が目に入る。
右手に「建長寺」の標識が見える。
左手は閻魔さまの「円応寺(えんのうじ)」である。


円応寺は巨福呂坂の到達点だったのだろうか。
いつだったか旧道を入ると私有地(畑)に入り込んだことがある。
蔦をつたって降り立った場所が円応寺の境内に近い民家だった。
夏の暑い日に家族が庭で楽しんでおられるところに降り立った。
頭をかいたり謝ったりと大変な思いをしたものだ。

 ≪円応寺への階段≫

■建長寺
さらに下ると鎌倉五山第一位「建長寺」である。
駐車場の周囲の土塀は数年前に造られたものだ。

 ≪建長寺山門≫

■亀谷坂入口
建長寺を右に見て緩やかな坂を下る。
「亀谷坂(かめがやつざか)切り通し」入口だ。
左側の「長寿寺」では特別拝観ができるらしい。
坂を登って聞いてみる。
 今月は今日・明日・明後日の3日間です。
 9月から金・土日で雨が降っていなければ開門します。
右側には流しそうめんの店がある。

 ≪亀谷坂≫

さらに下っていく。
左手の山は「六国見山(ろっこくけんざん)」
麓には藁葺きの家が残っている。


両側に歩道はあるのだが
“もう少し広い場所”を確保できないのだろうか。
昔も今も幹線道路であるには違いないが、
観光都市鎌倉の名前が泣くのではないだろうか。
踏切の手前で右「明月院」左「東慶寺」に分かれるから
余計に混雑するようだ。

 ≪北鎌倉の踏切≫

無事に踏切を越える。
左手は「浄智寺」入口だ。
春先にはロウバイの美しい街並みがある。
「明月院」あたりから流れ出した水がこの辺で川になる。
地元の人が川岸にアジサイを植えて季節感を醸し出している。
心憎いほど観光客をもてなす心を感じる地域だ。


少し平坦になった道をさらに進む。
左手は「東慶寺」入口だ。

 ≪「東慶寺」入口≫

右手奥には「円覚寺」の山門が見える。
川があって駒つなぎ石がある。
さらに池があって山門への階段になる。
途中をスパッと切るようにJR横須賀線が通っている。
横須賀の海軍が無理やり通した線路だという。

踏切の音がしてから飛び込む北鎌倉駅はすぐそこだ。
ただし、構内に遮断機があり下りの電車には間に合わない。

 ≪「円覚寺」≫



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

笛田の田んぼ

2008-07-03 10:25:00 | Weblog
■鎌倉山を望む
「スケッチで知る鎌倉の自然」
教室は鎌倉市教養センターは鎌倉山の麓にあたる。

鎌倉山バス停から下ってセンターに行くが、
帰りは笛田の真ん中を通って深沢地区に出る。

そこからは鎌倉・藤沢行きのバス、
大船・江ノ島行きのモノレール
多彩なアクセスである。

■笛田の田んぼ
坂を降りたところに田圃(たんぼ)がある。
白いサギが来ていたり蛙が鳴く田園風景である。
ところが近年「休耕田」が多く心配していた。
今朝(7月3日)は田圃に満々と水が湛えられていた。


笛田の田圃は近隣のお百姓さんが田植えをしたのだろう。
揃った苗が美しい。
土手に生える植物の観察にも熱が入る。


田んぼに映る空は美しい。
曇り空で今にも泣きだしそうだが、
昔馴染みの「日本の原風景」だ。
この景色をいつまでも残したいものだ。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする