■雨の日は鎌倉の美術館
鎌倉の美術館は小粒だが静かで、雨の日にはゆっくり訪ねたい。
「鏑木清方記念美術館」は小町通り突き当たりの手前左側である。
鎌倉に寄付された作品群を中心とした展示会が興味深い。
9月3日まで「鏡花作 清方描く」収蔵品展である。
清方は『高野聖』『婦系図』などの作者・泉鏡花の挿絵を描いた。
展示にも工夫がされていて好感が持てる。
9月6日からは「清方の美 秋の情趣」収蔵品展である。10月29日まで。
11月1日からは特別展「清方の芝居絵」だという。今から待ち遠しい。
■美術館の小さな庭
文化勲章をもらったときは鎌倉に住んでいた。
その家を遺族が鎌倉市に寄贈したものである。
瀟洒な庭が待ち受けている。
玄関わきでオミナエシとホウズキが待っている。
■鎌倉国宝館
鎌倉国宝館は鶴岡八幡宮の境内にある。
昭和3年に開館した鎌倉市立の歴史・美術博物館である。
国宝の当麻曼荼羅縁起絵巻(光明寺)大覚禅師像(建長寺)などが収められている。
常設展示であったが重文「明月院絵図」など興味深いものがあった。
室町時代に禅興寺(その後廃寺)の塔頭だった明月院の縄張りが描かれていた。
大町・辻薬師堂「薬師三尊及び十二神将像」もあり
長禅寺(廃寺)薬師堂にあったという。
9月4日から特別展「国宝鶴岡八幡宮古神宝」(10月5日まで)
10月10日からは
特別展「鎌倉の精華-鎌倉国宝館開館80周年記念-」(11月24日まで)
その後は常設展を経て、年明けには
「肉筆浮世絵の美-氏家浮世絵コレクション」(1月4日~2月15日)
■実朝歌碑
草木の生い茂る境内地に源実朝歌碑がある。
関東大震災で倒壊した鶴岡八幡宮二の鳥居の一部を歌碑にしたもの。
昭和17年に鎌倉ペンクラブが発案、
鎌倉同人会協賛で鎌倉文化連盟が建立したものだそうだ。
私の生まれた年からこの場所にあったというのが不思議な気がする。
山はさけ うみはあせなむ 世なりとも 君にふた心 わがあらめやも
この歌は源氏の棟梁らしい天皇に捧げるものだという。
この君を恋する人と読んでみると不思議におおらかな気分になる。
なお、実朝の歌碑は鎌倉文学館、鎌倉市役所前(商工会議所内)にもある。
■宝戒寺の百日紅
宝戒寺に萩の花の開花時期を聞きに行く。
「9月15日ごろでしょうか」
太子堂のサルスベリが満開だ。